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区議会活動
2017年第1回定例会 一般質問
2月23日の本会議で、雨宮たけひこ議員が以下の項目について一般質問を行いました。
1.視覚障害者の安全対策と障害者スポーツ施策について
正式な会議録ではありませんが、概要をご紹介します。
(雨宮武彦議員) 日本共産党区議団の雨宮武彦です。私は視覚障害者の安全対策とスポーツ施策について質問します。
昨年8月に東京メトロ銀座線青山一丁目駅で、10月には近鉄大阪線河内国分駅で、今年1月14日に京浜東北線蕨駅で、ホームから視覚障害者が転落して亡くなる事故が相次いでおり、転落防止のためのホームドアの必要性がクローズアップされました。2016年3月現在、全国的には9,487駅のうち665駅にホームドアがあり、設置率は7%しかありません。新宿区内は2016年8月末現在、JR、私鉄、地下鉄あわせて42駅中27駅で64.3%、乗り場では104列中59列、56.7%にホームドアが整備されています。
私は視力障害者の方と一緒に、転落事故があった銀座線青山1丁目駅を調査しました。ホームには天井を支える柱がたくさん立っており、柱とホームの端の間は1mぐらいしかなく、そこに立つと電車に吸い込まれるような気がしました。昨年このホームで亡くなった方は、盲導犬を連れて職場に通うためにこの駅をよく利用していた方で、ホームドアがあれば防げた事故といわれています。
国は2011年からの10年間で、1日の利用客3000人以上の鉄道駅で原則全てバリアフリー化する目標をたて、ホームドアについては優先的に整備すべき駅に可能な限り設置を促進するという基本方針をたてています。区もバリアフリー化を誘導するための補助金をつけており、ホームドアに関しては来年度予算でも京王新線新宿駅に設置補助の予算が計上されています。しかしまだ14駅、43列が残されています。未整備のところで整備計画があるのか、いつまでに整備するのか等わかる範囲でお答え下さい。そして各鉄道事業者に対して、国の計画期間である2020年までに区内全駅・全乗り場にホームドアを設置するよう要望すべきと考えますが、いかがですか。
質問の第2は、「視覚障害者誘導用ブロック」の敷設についてです。
1箇所目は新宿駅周辺です。新宿区は「高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化の促進に関する法律」(=交通バリアフリー法)に基づき、平成17年4月に新宿駅周辺地区と高田馬場駅周辺地区を重点整備地区に定めて、新宿区交通バリアフリー基本構想を策定しました。この基本構想の整備方針を示した図面には、誘導ブロックの敷設によるバリアフリー化が望ましい箇所として、メトロプロムナードの一部とサブナード、この両者を結ぶコースが示されています。しかし10年経ってもいまだに実現していないのはなぜなのかお答えください。東京都都市整備局設置の「新宿駅ターミナル協議会」がオリンピック・パラリンピック開催に向けて策定した基本ルールでは、サブナード等が具体的検討箇所になっていますが、ここは2020年までには整備が完了すると受け止めていいのでしょうか。また、メトロプロムナードは途中でブロックが途切れて繋がっていませんが、何らかの計画はあるのでしょうか。
そしてメトロプロムナードの地上部にあたる明治通りから大ガードまでの新宿通りには誘導ブロックがありません。この箇所はモール化にむけた課題検証と社会実験等として、にぎわい創出や荷さばき調査のための予算が来年度計上されています。モール化にあわせて誘導ブロックを考えているかもしれませんが、新宿のまさに目抜き通りともいうべきこの通りが未整備では区長のバリアフリー化の姿勢が問われます。いつになるかも分からないモール化とは区別して早急に実現すべきです。ご答弁願います
2箇所目は大江戸線「中井駅」から西武新宿線「中井駅」の間の区道です。
中井に住んでいる方から「西武線の中井駅は使いやすくきれいになりましたが、視覚障害者が大江戸線中井駅に乗り換えるための道路に点字ブロックがなくて、電柱にぶっつかったりして危ないです。この道を利用する視覚障害者がは5人~6人います。安全対策をとってほしいです。」というご要望をいただきました。
幅員が狭くて誘導ブロックを敷設できないような道路に、ブロックを半分の15cm幅にしたリーディングラインというのがあると聞き、2月6日にそれが敷設されている世田谷区の松蔭神社通り商店街と小田急線豪徳寺駅付近を視察しました。松陰神社通り商店街は幅員は6mくらいの区道で、道の両側にリーディングラインが敷設されていました。世田谷区のユニバーサルデザイン福祉のまちづくり推進モデル事業として「誰でも歩きやすい道、入りやすい店をつくるため」に、商店街と世田谷区、障害者団体のみなさんが話し合って、東京都の補助金も受けて整備したそうです。豪徳寺駅の方は近くにNPO法人視力障害者福祉協会の事務所があり、そこに至るまでの都道と区道にリーディングラインがありました。東京都建設事務所の技術面を含む積極的な強力で実現したそうです。世田谷区の職員にもお話をうかがいましたが、どちらも近隣からの苦情等はないそうです。
西武線秋津駅からJR武蔵野線新秋津駅までの間の道路にも同様のブロックが敷設されていると聞き、視察してきました。縦30cm×横15cmで形はリーディングラインと同じですが、色が黄色ではなく白で、名称はスタットガイドというそうです。
どちらも一般の誘導ブロックより若干値段が高いそうですが、安全には変えられません。新宿区でも道路幅員が狭い大江戸線「中井駅」と西武線「中井駅」を結ぶ区道にリーディングライン若しくはスタットガイドを設置すべきと思いますが、いかがでしょうか。
質問の第3は、スポーツ施設利用料金についてです。
昨年の11月よりスポーツセンターやコズミックスポーツセンターのプール使用料金が、障害者本人が2分1に減額され喜ばれています。しかし体育館内のトレーニングルームの利用料は介助者は無料ですが本人は減額がなく、ボッチャなどの障害者スポーツも減額がありません。他区のトレーニングルーム利用料は本人無料が9区、体育館が無料なのが10区です。プールは障害者本人を減額したのですからトレーニングルームや体育施設も本人利用料を無料若しくは減額すべきです。
質問の第4は、障害者スポーツ指導員を配置することです。
日本障害者スポーツ協会公認の障害者スポーツ指導員(初級、中級、上級)の登録者は全国で23,186人、東京都には2,346人います。障がい者スポーツ指導員は、初めてスポーツに参加する障害者に対し、スポーツの喜びや楽しさを支援する人達です。新宿区は東京都が実施する「障害者スポーツ指導員養成講座」にスポーツ推進委員を派遣しており、これまでに資格を取得した推進委員が12人いるとうかがいました。北区や目黒区では区が養成講座を主催し、それぞれ50人と30名で募集をかけています。東京都の講座はすぐいっぱいになるそうですから、新宿区も区独自に講座を開催し資格取得者を増やしたり、指導員の活用方針をつくるべきと考えますが、いかがですか。(新井都市計画部長) 雨宮議員のご質問にお答えします。
視覚障害者の安全対策と障害者スポーツ施策についてのお尋ねです。
はじめに、鉄道駅のホームドアの整備についてです。
区では、駅利用者の安全性の確保のため、全ての駅でホームドアを整備すべきと考えており、来年度から整備に対し補助を行う予定です。現在、区内でホームドアが未整備の駅は15駅あり、そのうち整備予定の駅は10駅となっています。平成29年度から、区が整備補助を予定している京王新線新宿駅については、平成30年度の整備完了を目指しています。東京メトロ東西線は高田馬場駅と早稲田駅、神楽坂駅で、都営地下鉄新宿線は新宿三丁目駅と曙橋駅で、平成31年度までの整備を予定しています。また、JRは総武線信濃町駅と山手線新宿駅で、西武鉄道は西武新宿駅と高田馬場駅で整備することを発表しています。区としては、各鉄道事業者に対して、来年度に創設する予定のホームドアへの補助制度を十分周知し、区内全駅にホームドアが早期に整備されるよう働きかけてまいります。(野崎みどり土木部長) 次に、視覚障害者誘導用ブロックについてのお尋ねです。
ご指摘のメトロプロムナードとサブナードの視覚障害者誘導用ブロック未整備区間については、平成17年度に施設管理者などとともに策定した新宿区交通バリアフリー基本構想において、「整備することが望ましい区間」としていますが、策定後、施設管理者との調整が整わず、整備に至らなかったものです。サブナードの誘導用ブロックについては、新宿ターミナル協議会で策定した基本ルールに基づき、2020年までの整備を目指して、施設管理者である新宿サブナード株式会社が検討を進めているところです。また、メトロプロムナードついては、具体的な整備計画は聞いていませんが、連続して誘導用ブロックが整備されるよう、改めて施設管理者である東京地下鉄株式会社に要請してまいります。
お尋ねの新宿通りでは、平成22年度に新宿駅東口交差点から明治通りまでの横断歩道前や地下鉄出入口などの歩道上22か所に、誘導用ブロックをスポット的に整備しました。今後、誘導用ブロックの充実を含め、新宿通りが誰にとっても歩きやすい道路となるよう、関係者と検討を進めてまいります。
次に、大江戸線「中井駅」と西武新宿線「中井駅」を結ぶ区道にリーディングライン若しくはスタットガイドを設置することについてです。
区では、中井駅周辺の大江戸線から西武新宿線までの区道について、以前にも視覚障害者誘導用ブロックの設置を検討しましたが、幅員が狭いにもかかわらず、歩行者の通行が多いことや電柱等の支障物もあり、安全上の問題から設置するまでには至りませんでした。
区としては、現在進めている中井駅周辺の整備を機に、視覚障害者の方がより安全に通行できる手法等について調査を進めてまいります。(加賀美地域振興部長) 次に、障害者がトレーニングルームや体育施設を利用する場合の利用料金を無料若しくは減額すべきとのお尋ねです。
プール施設は、浮力を利用した全身運動などのリハビリテーションの効果が期待でき、常に監視員がいるため、緊急時の対応も可能であることから、障害の進行の予防や軽減、機能向上を目的に、昨年の11月から、プール施設の減額制度を導入しました。施設利用料等は、行政サービスにおける受益と負担の公平性確保の原則に基づき、全庁的な「受益者負担」の考え方により設定しています。現時点では、プール以外の施設について、障害者の利用料金を無料若しくは減額する考えはありませんが、障害者が今まで以上にご利用いただけるようなプログラムの実施を検討するなど、指定管理者と調整してまいります。
次に、区独自に障害者スポーツ指導員養成講座を開催し、資格取得者を増やし、指導員の活用方針をつくるべきとのお尋ねです。
スポーツを通じて、障害者と健常者が互いに交流できる機会を創出し、障害者が気軽にスポーツを楽しめる環境を整えることは大切なことですが、障害者がスポーツを行う際には、様々な面からの配慮も必要となります。そこで、新宿未来創造財団では、今年度から、財団の障害者スポーツ事業にご協力をいただいている障害者団体連絡協議会の方等を対象に、指導員資格の取得に向けた支援として、障害者スポーツ指導員養成講習会の受講料等の補助を行っています。これからは、障害者スポーツ指導員養成講座の開催や、障害者スポーツ指導員の活用等についても検討してまいります。2017.03.10 更新