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区議会活動
2018年第2回定例会で阿部早苗議員が代表質問を行いました
6月12日の本会議で、阿部早苗議員が以下の項目について代表質問を行いました。
1.区長の政治姿勢について
2.「民泊新法」と改正旅館業法の施行について
3.保育園の待機児童対策と学童クラブについて
4.介護保険について
5.教員の勤務環境の改善について
6.新宿の拠点再整備方針と新宿駅のバリアフリー化について
正式な会議録ではありませんが、概要をご紹介します。(阿部早苗議員) 日本共産党区議団の阿部早苗です。会派を代表して、区長と教育委員会に質問します。
1.区長の政治姿勢について
最初に、区長の政治姿勢について質問します。
歴史的な米朝首脳会談が、今日この時間から行われていると思います。朝鮮半島の非核化と、北東アジアの平和体制の構築にむけ、会談が成功することを心から祈念します。
6月4日財務省は、森友学園の文書改ざん問題の調査の結果、安倍首相の「私や妻が関係したということになれば、総理も国会議員も辞める」という国会答弁後に、佐川前国税庁長官が改ざんの方向性を決定づけたと認定し、関係者20人の処分を発表しました。国会の国政調査権に対する侵害であり、民主主義への重大な挑戦です。公文書改ざんは公務員にあるまじき犯罪行為だと考えますが、行政の長としての区長の見解をうかがいます。
大阪地検特捜部は不当にも佐川氏を不起訴にしましたが、政治的責任は免れず、昭恵氏や佐川氏等関係者を国会に証人として喚問し、真相を明らかにすべきです。
一方の加計学園疑惑では、安倍首相と加計孝太郎理事長が2015年2月に面談したことを示す愛媛県文書が示され、2017年まで知らなかったという首相の答弁がウソだった疑いが濃くなりました。安倍首相と加計側の否定に対して、愛媛県の中村知事は、県の職員をウソつき呼ばわりすることは知事として耐えられないと憤りました。世論調査では、7割以上の人が首相の説明は信用できないと答えています。私は、職員に全幅の信頼を置く中村知事の発言は立派であり、地方自治体に対する誹謗は許し難いと考えます。吉住区長はどのようにお考えですか。
改ざん、隠ぺい、ねつ造、セクハラと悪行の限りを尽くしても政権に居座り、何の責任もとらないどころか、働き方改革法案やカジノ法案など、国民意見に耳も貸さずに数の力で暴走する安倍政治をストップさせるため、日本共産党は、他の野党や市民のみなさんと協力して闘う決意です。以上、答弁願います。(吉住健一区長) 阿部議員のご質問にお答えします。
区長の政治姿勢についてのお尋ねです。
はじめに、公文書改ざんについてです。
森友学園に関する公文書の改ざんについては、決裁を経た公文書が改ざんされており、それを国会に提出したことは、極めて不適切な対応であったと言わざるを得ません。
次に、地方自治体に対する誹謗についてのお尋ねです。国の説明と地方自治体の説明に食い違いがあることについて、首相は国民に対する説明責任を果たすとともに、国会において真相を明らかにしていくものと考えます。私は、これまでも職員とともに、さまざまな区政の課題に誠実に取り組んできました。今後も、区民の皆さまが心豊かに暮らし続けることができるよう区政運営に取り組んでまいります。2.「民泊新法」と改正旅館業法の施行について
(阿部議員) 次に「民泊新法」と改正旅館業法の施行について質問します。
住宅の空き家や空き部屋を宿泊場所として貸す住宅宿泊事業法と、新宿区独自のルールを定めた「住宅宿泊事業の適正な運営の確保に関する条例」(以下「民泊条例」)が6月15日に施行されます。
第1に、改正旅館業法と区の同法施行条例の改正についてです。
改正旅館業法と今定例会に提案されている「新宿区旅館業法施行条例の一部を改正する条例」も6月15日に同時施行されます。改正法では、無許可の違法業者に対し区が立入検査ができることや、罰金の上限が3万円から100万円に引き上げられるなど規制が強化される一方、最低客室数の基準を撤廃し、これまでホテルは10室、旅館は5室以上とされていたのが、驚いたことに1室でも「旅館・ホテル」として営業できるように大幅に規制緩和されました。区はこの法改正に伴って同法施行条例を改正し、玄関帳場、いわゆるフロントの必置義務をなくし、宿泊者の確認を行うモニターをチェックする営業従事者をどこかに常駐させ、概ね10分以内に営業従事者が駆けつける体制を確保すれば、ビデオカメラでフロント機能代替を可能とする条例改正案を提案しています。旅館業は住居専用地域では営業できませんが、それ以外の地域では区の許可を得れば365日営業できるため、事業者にとっては民泊の年180日よりもメリットがあります。相次ぐ規制緩和が住民生活の安寧を脅かすことは明らかだと考えますが、この旅館業法改正が区民にどのような影響を及ぼすと想定しているのか、また新宿区を訪れる旅行者・宿泊者の安全を守れると考えているのか、区長の認識・評価をうかがいます。
この間「新宿区民泊問題対応検討会議」(以下「検討会議」)で議論を重ね、昨年12月「民泊条例」を制定しました。その直前の12月8日に政府は旅館業法を改正し、今年1月31日には同法施行令を改正しました。民泊だけでも大変なところに旅館業法にも対応することとなり、職員のみなさんはさぞご苦労されたとことと思います。6月1日に行われた第7回「検討会議」で委員の方から「せっかく民泊の条例を作ってもすりぬけてしまう心配がある」との意見が出され、三浦副会長からは、改正旅館業法は「(住宅宿泊事業法)との関係でハードルを下げたが、国でもあまり議論されなかったので自治体から再検討を要望すべき余地がある」との発言もありました。まずは規制緩和ありきで、地域住民の住環境を守る姿勢が全くみられません。改正旅館業法の問題点について、地方自治体の立場から今後とも積極的に意見を上げることが必要です。区民の安全で平穏な生活を守る立場から国に再検討を求めるべきと思いますが、いかがでしょうか。 旅館業法施行条例の一部を改正する条例の中身についても質問します。 申請時の添付資料としてマンション管理規約等を添付すること、公衆の見やすい場所にその名称を表示しておくこと、構造設備などは宿泊者が利用する廊下、階段、昇降機その他の通路は専用のものとするなど、区独自の規制を改正条例に盛り込んだことは評価できます。しかし、宿泊者の安全と生活環境を守るために、フロント代替機能の設置場所については改善が必要です。常駐で従事する者がいれば、沖縄のような遠隔地でも設置が認められるとしています。そのため、宿泊場所まで10分以内で駆けつける営業従事者とモニターを監視する営業従事者は別の場所にいてもいいことになります。自然災害などの予期せぬ事態で電源が喪失することを含め、両者が確実に連携できるか不安です。宿泊場所以外に代替設備を置くとしても、両方の従事者の連携が確実になされることを保証するためには、新宿区内の同一場所で営業すべきと考えますが、いかがですか。
第2に、民泊の届出状況と今後の見通しについてです。
住宅宿泊事業法と「民泊条例」に基づく受付が3月15日より開始され、これまで事業者等から区への相談は1,062件ありましたが、5月31日現在、60件の届出しかなく、さらに附番されたのはわずか3件で、標識の交付は0件と検討会議で報告されました。区は、2000件の届出を想定して今年度予算に計上しています。なぜ届出件数がこのように少ないのか、「検討会議」では改正旅館業法との関係で様子見をしているのではとの指摘もありましたが、原因についてどのように分析しているのかうかがいます。また、6月15日まであと3日ですが、15日までに何件の届出、附番、交付を見込んでいるのか、今後の見通しも含めてお答えください。
第3に、今後の対策と体制強化についてです。
3月4日に放映されたTV朝日のサンデーライブでは、違法民泊業者がインタビューで「これだけ民泊が広がっていると行政もわからないから」と公然と違法民泊を肯定し、届出の意思がないことを堂々と表明していました。「検討会議」では警察の委員から、「相談しても受理されない現状がある。あきらめずにもぐりでやる民泊が出てくるのではないか。そうした民泊が、犯罪やテロの温床になってしまうのでは。」との意見が出たように、放置すれば住環境の悪化だけでなく、事件や事故の不安も増大します。
届出のない違法物件は順次仲介サイトの掲載が中止されていきますが、闇サイト等を活用し引き続き営業を続ける可能性があります。区としてやるべきは、すでに区民から通報され把握している違法民泊や今後通報される物件の立ち入り調査などを行い、警察に告発することです。そのための準備、体制は整っているのでしょうか。区民が相談しやすいよう、一定期間「違法民泊110番」など相談窓口を設置し、ホームページやSNS、区報、ポスターなどで徹底的に周知すべきと思いますが、いかがでしょうか。
また、相談に応じる職員体制の拡充が必要です。民泊対応のため今年度は6人の非常勤職員を配置しましたが、今後の事務量等を考えると十分とは言えません。立ち入り調査ができるのは環境衛生監視員だけですが、害虫対策など他の対応もあり現在の15人では不十分です。非常勤職員、環境衛生監視員ともに増員しなければ今後の区民の要望に対応できません。「民泊新法」と改正旅館業法の施行後も様々な課題や問題の発生が予想されます。健康部の体制として、民泊問題担当の副参事は衛生課長が兼任するのではなく専任の配置とすべきです。お答えください。
住宅宿泊事業法の実施に伴い、区には既に多大な事務負担が生じています。さらにこれからは、事務費とともに人件費も増えていかざるをえません。これまで私たち区議団の質問に対して「事務量に応じた適切な財源配分を国や都に要望していきます」と答弁がありましたが、これまで国や都にどのように要望され、どんな回答がありましたか。少なくとも都区財政調整で算定するよう求めるべきと考えますが、いかがですか。
第4に、「民泊条例」と改正旅館業法の周知についてです。
民泊についての事業者向け研修会は行われましたが、区民向けの説明会はありません。「民泊に関連する法律や条例ができたがどのような内容なのか」「今、営業している民泊はどうなるのか」と住民の不安が広がっています。ほとんどの区民は合法民泊に標識が掲示されること、標識がないのは違法民泊だということを知りません。また、改正旅館業法での新たな課題と違法「民泊」や無許可の旅館業に対して区が立ち入り調査できることはもっと知られていません。6月22日から予定されている区長トーク10カ所のうち5ヵ所で民泊問題がテーマになっていますが、区民の関心が高いことの表れです。本来は地域説明会を全地域センターで行うべきですが、今回区長トークのテーマになってない地域については地域説明会を行うべきと考えますがいかがでしょうか。衛生課は、要望があれば地域に出向いて説明を行っていますが、「ふれあいトーク宅配便」の講座に「民泊新法」と改正旅館業法についてもメニューに加えてはいかがでしょうか。
また今後、区民からの問い合わせの増加なども十分予想されます。新宿区内の違法民泊は約4,000件ともいわれていますから、当然、通報も増えるでしょう。区のホームページで民泊を探そうとすると、トップページの「重要なお知らせ」しかなく、くらしの出来事や組織から探すではたどり着きません。ホームページでヒットしやすいよう工夫し、バナーを作るなどして分かりやすく改善をすべきです。また、区民がホームページ上から違法民泊や未届けの旅館業を通報できるようにすべきと考えますが、いかがでしょうか。以上、答弁願います。(吉住区長) 「民泊新法」と改正旅館業法の施行についてのお尋ねです。
はじめに、旅館業法改正が区民に及ぼす影響についてです。
今回の旅館業法の改正で、無許可で宿泊業を営む者に対する報告徴収や立入検査の権限が、保健所職員に付与されたことにより、今まで以上に厳格な指導ができるようになります。罰則の上限も引き上げられることから、違法民泊の排除に一定の効果があると考えています。一方、法改正により、いわゆる民泊が旅館業法の許可施設となることも考えられるため、新宿区旅館業法施行条例の改正案では、法改正の趣旨を踏まえたうえで、住宅宿泊事業法との均衡を図ることを重視しています。また、構造設備や衛生上の観点から、旅行者や宿泊者の安全を守れる内容としています。改正旅館業法に基づく課題については、新宿区民泊問題対応検討会議で検討し、必要に応じて、国へ要望していきます。
次に、フロント代替機能の設置場所についてのお尋ねです。
玄関帳場の代替設備の基準は、「緊急時の迅速な対応」、「宿泊者名簿の正確な記載」、「鍵の適切な受け渡し」、「宿泊者以外の出入りの確認」を可能とするものとされ、これらの機能が備わっていれば、設置場所にかかわらず、玄関帳場と同等の対応ができるとされています。ご指摘の、「緊急時に駆けつける者とモニターを確認する者が同一場所で営業すること」を義務付けることは、法の趣旨から困難と考えますが、国が定めた基準を実現するため、営業従事者の常駐義務と10分での駆けつけ要件を条例案で規定することとし、宿泊者や近隣住民の安全を確保していきます。
次に、民泊の届出状況と今後の見通しについてのお尋ねです。
はじめに、届出件数が少ない理由についてですが、マンションの多くが民泊禁止を決定したことが、要因の一つと考えています。6月15日までの見込みについては、現在、システムや窓口での届出が連日あるため、一定数に達すると考えており、書類に不備が無いものについては、番号の発行や標識の交付を適切に行っていきます。また、6月15日以降は、住宅宿泊事業のみではなく、改正旅館業法に基づく申請も可能となることから、事前の相談は相当数想定されますが、件数の見通しをたてることは困難です。
次に、今後の対策と体制強化についてのお尋ねです。
はじめに、違法民泊の警察への告発に関する体制等についてです。
住宅宿泊事業に関連する業務を円滑に行うため、この4月に、衛生課内の組織改正や職員の増員など、体制整備を行いました。今回の旅館業法の改正により、無許可施設への立入検査等の権限が付与されたため、この権限に基づき、罰則の適用も念頭にいれた厳格な対応をしていきます。
区民からの相談窓口としては、国が設置する、民泊制度コールセンターが、土日夜間も相談や苦情を受け付けています。区民の身近な相談先として、区においても衛生課に専用電話を設置し、住宅宿泊事業に関連する相談、苦情に対応しています。今後、改正旅館業法の情報等もあわせて、リーフレット、ホームページ等で窓口の周知を図っていきます。
次に、職員の体制についてのお尋ねです。
現在、衛生監視15名で環境衛生全般に係る業務を行っており、さらに、6名の派遣職員が住宅宿泊事業に関する業務を行っています。現在は、法施行前の準備期間であり、様々な業務や相談への対応に追われる面がありますが、法が施行され、業務が平準化されれば、現在の人員で対応することが可能であると考えています。また、衛生課長が民泊問題担当副参事を兼務していることで、より現場の視点からの課題解決につながると考えています。
次に、事務負担に対する財源の国や都への要望についてのお尋ねです。
これまでも、事務量に応じた適切な財源配分を国や都に要望してきましたが、平成29年度の都区財政調整の再算定で、民泊対応経費の一部が算定されました。しかし、国からの財源措置はまだ示されていないため、今後も引き続き要望していきます。
次に「民泊条例」と改正旅館業法の周知についてのお尋ねです。
6月22日から行われる「区長と話そう~しんじゅくトーク」は、地域ごとのテーマを中心に様々な区政について意見交換を行うものです。改めて、ふれあいトーク宅配便のメニューに加えることは考えていませんが、今後区民からの要望に応じて、随時説明を行っていきます。また、ホームページについては、住宅宿泊事業法と改正旅館業法の施行に合わせて、より分かりやすい内容に更新していきます。なお、違法民泊の苦情については、区民意見システムを利用し、ホームページ上から通報が可能です。3.保育園の待機児童対策と学童クラブについて
(阿部議員) 次に、保育園の待機児童対策と学童クラブについて質問します。
区長はこの間、本年4月までに待機児童ゼロを目指すと答弁してきました。しかし、昨年度は認可保育園9所643名分定員拡大目標に対して、6所474名分しか整備できず、待機児童をゼロにすることができませんでした。私は先日、娘さんが第二子を妊娠している方から「保育園に入れるかどうか不安を抱えていることは妊婦の健康に良くない。必ず入れるようにしてよ」と強い口調で迫られました。こういう方には認可園を整備できなかったあれこれの理由は通用せず、結果が全てだと感じました。
今年4月の待機児童は、昨年より2名少ないといえ25名がどこの保育所も入れませんでした。また、かくれ待機児童といわれる希望した認可保育所に入れなかった等の子どもは、昨年より46名増えて222名です。改めて、今年4月に待機児童をゼロにするとの区民との約束を履行できなかったこと、それが区民に大きな不安を与えていることを区長がどのように受け止めているかうかがいます。 豊島区は、一昨年105名いた待機児童を昨年ゼロにしたのに続き、今年4月もゼロとうかがいました。豊島区の担当者の話では、賃貸のオフィスビル活用は工期が短いというメリットはあるものの、避難方向の確保や他のテナントとの関係など課題があり、今年は空き駐車場を活用して認可園を整備した件数が多いとのことでした。また、郵政宿舎跡地の活用がこれまで2例あり、都税事務所の建物の一部を借りるなど、あの手この手で保育所を増やしています。
昨年の第1回定例会で区長は、事業者から多くの保育所整備の提案があると余裕の答弁をしていましたが、この1年で事態は様変わりしているのではありませんか。文教子ども家庭委員会では、保育課は必死に物件探しをしているが見つからないと聞いています。区長の保育所整備を取り巻く現状認識と今後の見通しをお聞かせ下さい。そして、区長は今年度の区政の基本方針で、賃貸物件等を活用して私立認可保育所7所、455名の定員拡大をすると言っています。賃貸物件等の「等」とは何を指すのかを含めて、目標を達成のための具体的対応策をお示しください。私は、保育課任せにせず、区長自ら関係団体等に足を運ぶなどして保育所整備の先頭に立つべきと考えますが、いかがですか。
区の保育課は、これまで事業者に開設場所を含めて提案してもらっていたのを改め、区が物件を募集して事業者とのマッチングをはかることにし、5月15日から区ホームページトップに掲載し、同日付広報しんじゅくにも掲載しました。また、宅建・不動産業等の業界に協力を依頼し、町連との懇談会でも情報提供をお願いすると、5月の文教子ども家庭委員会に報告がありました。この呼びかけにこれまでにどのような反響があるのか、実現の見通しについてもお聞かせ下さい。
私たちはこの間、園庭のある保育園で保育の質を保障することや、私立に依存するだけでなく区立保育園を整備することを提起して参りましたが、区長はこれについては極めて消極的でした。求人状況は売り手市場で保育人材確保はこれまで以上に厳しいものがあります。昨年の北区の事例でも区立の保育士募集には多数の応募があります。改めて園庭確保や区立保育園についての区長のお考えをお聞きします。
具体的にいくつか提案させていただきます。マッチング事業で区が必要としているエリアの高田馬場3丁目には郵政宿舎跡地があります。オルト保育園にほぼ隣接しますが、整備を検討してはいかがでしょうか。
また、旧都立市ヶ谷商業高校校舎は、急いで改装を施せば来年4月までには保育所として活用できるのではないでしょうか。定員の2倍の児童が登録している中町学童クラブの過密状態を解決するための新たな学童クラブも併設可能で、一挙両得の物件です。区が募集をかけているエリアではないと言うかも知れませんが、需要は区内全域であると保育課も言っています。市ヶ谷商業を保育や学童に活用することは地元の理解も得られると考えますが、区長のお考えをうかがいます。
昨年10月、厚生労働省と国土交通省は開発事業者に対し、大規模マンション建設時に保育施設設置を促す通知を出しました。新宿区はすでに大規模マンション建設に際して、ファミリー向けが100戸以上のマンションには保育所整備を要請しています。目黒区は50戸以上としており、この要請の基準を見直してはどうでしょうか。また、大阪市や台東区は、事前協議に関する条例を制定しています。開発業者に周知を徹底するために新宿区も条例化を検討すべきと思いますが、いかがですか。
学童クラブの利用登録状況は、今年も深刻です。区立27と私立3の合計30クラブ中25カ所、8割以上で定員をオーバーしています。1.5倍を超えているのが、中町の2倍を筆頭に8所もあるのは一刻も放置できません。4年生以上の待機児は12クラブ・45名に上ります。児童館の専用スペースを少しばかり広げるというような小手先の対策では解決しませんし、児童館利用児童へのしわ寄せでしかありません。区長は、この現状についてどのように受け止めていますか。
保育所の整備が必要なエリアは、次は学童のニーズが高くなるのは必定です。この際、保育所だけでなく、学童クラブも同一施設内で整備する事業者を募集する必要があると考えますが、区長の見解をうかがいます。また、教育委員会と協議して、ひろばプラスを実施している小学校についてはひろばプラスをやめて学校内学童クラブを整備するとともに、既存の学校内学童クラブで定員オーバーのところは教室を増やすべきと考えますが、いかがですか。以上、答弁願います。(吉住区長) 保育園の待機児童解消と学童クラブ増設についてのお尋ねです。
初めに待機児童ゼロの約束を履行できず、区民に不安を与えているとのご指摘についてです。
区では、待機児童解消を区政の重要課題と捉え、待機児童ゼロを目指し、平成27年4月から平成30年3月の3年間で、1,802名の保育定員を拡大し、待機児童数は143名減少しました。しかし、平成29年度は、新たな保育所の整備が当初の計画通り進まなかったことに加え、利用申込者数が増えたことにより、平成30年4月の待機児童ゼロを実現することはできませんでした。今年度、待機児童数が25名いることを踏まえ、保育を必要とする方が安心して保育所を利用できるよう、より的確な保育ニーズの把握に努め、着実に保育所の整備を進めていきます。
次に、保育所整備の現状認識と今後の見通しや具体的対応策等についてです。
賃貸物件を活用した保育所の整備では、保育事業者から整備予定物件も含めた事業計画の提案を受け、整備を進めていますが、保育所として要件に適合する物件が少なく、また、所有者が保育所以外の用途への活用に意向を変えられるなど、課題があると認識しています。今後も、整備を取り巻く環境に大きな変化はないと見通されますが、事業者の提案に迅速に対応しながら、確実に保育所を開設できるよう整備を推進してまいります。なお、現在2件の事業提案について協議を進めており、平成31年4月の開設を目指しています。賃貸物件等の「等」の意味については、公募による賃貸物件を活用した保育所の整備だけでなく、民間事業者による大規模開発に伴う保育所の整備や認証保育所の認可化も含めて、整備を進めていくことを示しています。また、目標達成に向けて、保育所の整備をより効果的、効率的に推進するため、今年度から保育所として活用できる物件情報を区が直接募集し、その情報を保育事業者に提供する、マッチング事業を開始しました。私自身も、町会・自治会長との懇談会の場や、東京都宅地建物取引業協会新宿支部に対してこの事業を紹介し、協力をお願いしましたが、今後も機会を捉えて周知に取り組んでまいります。
次に、マッチング事業への反響や実現の見通しについてです。
この事業については、5月15日に周知を開始しました。不動産関係団体はもとより、整備地域に支店を持ち、地域との繋がりが密接な信用金庫に協力をお願いし、資産活用を検討している不動産物件所有者にこの事業を紹介していただいています。これまで、事業に関する問い合わせなどが16件あり、そのうち、2件について事前協議に向けた確認作業を行っています。開始からまだ1か月弱ですが、新たな保育所の整備に向けて、着実に歩みを進めていると考えています。
次に、園庭の確保や区立保育園の整備についてです。
現在進めている賃貸物件を活用した保育所の整備であっても、代替遊戯場の指定や屋上やベランダを活用した外気に触れられる環境の整備など、子どもたちが健やかに育つため、良好な保育環境を確保するよう保育事業者に求めています。区では、区立園の定員拡大や認証保育所の認可化、賃貸物件を活用した保育所の整備、空き保育室型定期利用保育など、様々な手法により受け入れ枠の拡大を図ってきました。賃貸物件を活用する保育所整備は、保育需要に柔軟に対応できる、効果的な手法であると考えています。今後も、この手法を中心に待機児童対策を進めてまいります。
次に、高田馬場3丁目の郵政宿舎跡地の活用についてです。
この土地の所有者は、国家公務員共済組合連合会ですが、現在、日本郵政株式会社が賃借人となり、管理していることを確認しています。当面は、賃貸借契約を継続するとのことであり、直ちに保育所用途への活用はできないものと認識しています。区では、保育所の整備が可能な公用地等について、今後とも情報収集に努めてまいります。
次に、旧市ヶ谷商業高校の活用についてのお尋ねです。
旧市ヶ谷商業高校の活用については、福祉、防災、教育等に資する場として、特別養護老人ホームなどの高齢者施設、防災広場、牛込第一中学校の老朽化に伴う建替え等を具体的な候補案として、現在、詳細な検討を行っているところです。このため、旧市ヶ谷商業高校の校舎を改修し、保育や学童を行うことは考えておりません。 次に、大規模マンション建設に対する設置要請基準の見直しと条例化についてです。
「新宿区保育施設の設置に係る要請及び協議に関する要綱」では、都市開発諸制度を活用するものは全て、共同住宅では単身向けを除く住戸が100戸以上のものに保育所の設置要請をすることとしています。また、これらに該当しない計画でも、共同住宅や店舗、飲食店、事務所等の用途に供する賃貸用の建築物であるときは、事業者に対し協議を求めることとしています。これにより、100戸に満たない計画についても、整備の必要な地域であるときは保育所の設置を求めています。しかし、戸数の少ない物件では、建物自体の規模が小さいことから、保育所を設置するために必要なスペースの確保や設置基準を満たせないなど、協議に至らない場合もあります。
子ども家庭部と都市計画部の関係各課では、新規開発事業や共同住宅の計画に関する情報を共有しているほか、都市計画部の窓口では、建築計画の事前相談等の際に開発事業者にチラシを配布し、保育課に相談に行くよう指導しています。さらに、今年度は連絡会を設置し、新規開発事業や保育所の設置要請を行っている事業の進捗状況、それらの課題などについて、情報共有し、連携協力する体制を強化しました。これらを実行することにより、開発事業者への要綱内容の周知は徹底されているため、現時点での条例化は考えておりません。4.介護保険について
(阿部議員) 次に、介護保険について質問します。
第1に、特別養護老人ホームに多床室を整備することについてです。
介護保険が始まって以降、新宿区は区内で個室ユニット型特養ホームを整備し、345床まで増やしてきました。プライバシー保護の観点から個室ユニット型が必要なのは理解できますが、利用料の負担が重くて低所得者が利用できないことが課題です。個室ユニット型だと、要介護5の課税者は月15万~16万円、年収80万円以下の非課税でも7万円はかかり、国民年金のみの方や生活保護受給者は事実上利用できません。2月末時点の待機者でみると、個室ユニット型がベッド数の約1.9倍なのに対して、多床室は3.3倍で、多くの方が多床室の空きを待っています。
東京都保健福祉局は、去年も今年も、施設内定員の3割までという条件付で多床室にも補助をしています。北区は3つの特養ホームで多床室を整備し、渋谷区、板橋区、町田市、青梅市、足立区、東久留米市も多床室をつくっています。新宿区はこれから市谷薬王寺町の国有地に80床の特養ホームを整備する方針で、今年9月に事業者を公募する予定です。多床室を整備する条件で事業者を募集すべきと思いますが、いかがでしょうか。
第2に、「介護予防・日常生活支援総合事業」(以下、総合事業という)についてです。
総合事業の実施から2年が経過し、財政の厳しい自治体が報酬を移行前より引き下げたため、介護大手のニチイ学館が全国で1400の拠点のうち約340カ所で総合事業の請負をやめたと報じられています。新宿区でも総合事業開始時に設定した報酬単価が低く、今年度も充分な見直しが行われなかったため、訪問では3分の1にあたる40事業所、通所では16事業所が総合事業から撤退しました。要支援者のプランを担当する高齢者総合相談センターのケアマネージャーは、受け入れてくれる事業者を確保するのに四苦八苦しているそうです。新宿区は、高齢者総合相談センターや訪問・通所の事業者に実態を聞いているのでしょうか。いるとすればどのような状態かお答えください。また区の現状認識と評価もお答えください。
私たちの再三の指摘で、区は今年度からようやく総合事業の訪問サービスの報酬単価を見直し、3ランクあった内の最低単価をなくして2ランクにしました。それでも提供する事業者がこんなに減ったということは、まだ採算がとれないからではありませんか。早急に事業者に現状を聞いて打開策を講じるべきです。区は総合事業の単価を引き上げるだけの財政力があります。報酬単価を高い方の額に引き上げて一元化することを求めます。また、精算方法についても月単位に戻すべきです。区長の見解をうかがいます。
第3に、基本チェックリストについてです。
2016年4月から基本チェックリストの活用が始まり、対象が1年目の604人に対して2年目は83人に激減しました。2年間で687人が事業対象者になり、約半分の327人が事業を終了しましたが、その中の258人は介護認定を受けています。この事実は、基本チェックリストで高齢者の状態を判断することが困難であり、実態に合わないということではありませんか。区の現状分析と実施してみての評価をお聞きします。
自治体によっても、高齢者総合相談センターによっても実績に差がありすぎます。このような不公平な制度は即刻廃止するよう国に意見を言うべきです。そして、新宿区はもうこの制度をやめることを決断すべきだと考えますが、区長の見解をうかがいます。
第4に、ヘルパー等の自転車駐輪対策についてです。
ヘルパー、訪問看護師、ケアマネージャー等、介護従事者の多くは自転車で移動していますが、訪問先での駐輪場所の確保に苦労しています。駅周辺では警告ステッカーを貼られ、マンション管理人には敷地外に出されたりで、仕事に支障を来しています。区は、こうした厳しい現実をご存知でしょうか。
私ども会派の要望に対して区は、通行の妨げになる場所に置かないことなどを周知・指導し、介護事業所の自転車であることがわかるよう表示すること、と回答しています。これは、表示があれば、路上でも駐輪OKで撤去しないという意味でしょうか。それともNOなのでしょうか。あいまいな回答ですので明確にご説明下さい。また、マンション管理組合には配慮をお願いしているとの回答ですが、どのようにお願いをし、周知して下さったのか詳しくお聞かせ下さい。お願いが行き届かず、駐輪させないところもかなりあると聞いていますので、再三にわたり協力依頼すべきと思いますが、いかがですか。以上、答弁願います。(吉住区長) 介護保険についてのお尋ねです。
はじめに、特別養護老人ホームの多床室の整備についてです。
特別養護老人ホームは、介護保険制度前から整備してきたものであり、当初はユニットケアの考え方はありませんでした。介護保険制度後に国は、入居者の尊厳を重視したユニットケアの方針を示し、区もこれに基づき、平成13年度以降の整備計画では、ユニット型個室での整備を進めてきましたが、現時点では、区を経由して申し込む特別養護老人ホームのベッド数の大半は多床室によるものとなっており、ユニット型個室によるものは3割程度にとどまっています。区としては、個人の生活スタイルの尊重や、プライバシーの確保を重視することが大切と考えているため、ユニット型個室の整備を推進していきます。このことから、現在計画している特別養護老人ホームの整備についても、ユニット型個室で公募いたします。
次に、介護予防・日常生活支援総合事業についてのお尋ねです。 区では、平成28年4月に開始した総合事業の報酬等を平成30年4月の介護報酬改定と時期を合わせ、一部改定をしたところです。改定にあたっては、平成29年度にサービス事業者との意見交換会を開催し、今後の事業実施のあり方として、「事業者の効果的なサービス提供を評価して欲しい」など貴重なご意見を多数いただきました。これらの意見や実績等を踏まえ、訪問型サービスにおいては訪問介護相当サービスのサービス費の設定区分を見直すとともに、報酬単価を一部引き上げました。また、通所型サービスにおいては通所介護相当サービスに効果的なサービス提供を評価する事業所評価加算を導入しました。
総合事業導入前から介護予防訪問介護及び介護予防通所介護を実施していた事業者は、総合事業開始後もみなし指定事業者として指定されていましたが、平成29年度末の指定終了に伴う更新申請は、訪問介護相当サービス事業者は全体の約7割、通所介護相当サービス事業者は全体の8割以上に達しました。区内事業者に限ると約9割が更新しており、他の自治体と比較しても一般的な傾向にあります。このことからも報酬改定等に対する事業者の一定の理解を得ることができているものと認識しています。こういった状況の中での現状把握に努め、制度の定着を引き続き目指してまいります。なお、1回ごとのサービス料の支払いは、利用者の負担軽減につながっており、従前のような月額払いに戻すことは現時点では考えていません。
次に、基本チェックリストについてのお尋ねです。
基本チェックリストは、訪問型サービス及び通所型サービスのみ利用する場合に、要介護・要支援認定等を省略して迅速にサービスを利用できるようにするためのものです。高齢者総合相談センターで基本チェックリストを使用する際は、区独自の聞き取りシートも活用し、支援が必要な原因や背景も必ず確認することにより、生活実態なども十分に把握しています。ご指摘のとおり、2年間で327人が事業対象者を終了していますが、身体状態の変化や訪問型サービス・通所型サービス以外のサービスの利用希望が生じ要介護・要支援認定へ移行した方がいる一方、身体状態の改善によりサービス利用が不要となった方がいたことなど様々な理由によるものです。高齢者総合相談センターによって基本チェックリスト使用割合が異なることはありますが、いずれも一人ひとりに寄り添った適切な対応の結果と認識しています。今後も高齢者総合相談センターと情報共有を図りつつ、基本チェックリストは利用者に十分な説明を行ったうえで使用してまいります。こうしたことから、現時点では、国への基本チェックリスト廃止の働きかけは考えていません。
次に、ヘルパー等の自転車駐輪対策についてのお尋ねです。
ヘルパー等の介護従事者からは駐輪場所の確保について、区に対し直接のご相談はありませんが、区の調査員も駐輪には気を配りながら訪問しており、駐輪に配慮を要することは認識しているところです。こうしたことを踏まえ、区では事業者の会合等で、駐輪マナーに留意するとともに、サービス事業所名等の表示をすることで、周囲に理解を得やすく、問合せにも対応しやすいことを説明いたしました。表示があれば撤去されないという意味ではありません。一方、マンション管理組合に対しては、昨年の秋、区内のマンション管理組合交流会に出向き、案内文を配付し敷地内の駐輪にご理解いただくようお願いしました。今後も状況を見ながら、必要に応じて対応してまいります。5.教員の勤務環境の改善について
(阿部議員) 次に、教員の勤務環境の改善について質問します。
私たち区議団は、教員の多忙解消策について繰り返し取り上げ、様々な提案をしてきました。教育委員会は、私たちの提案をはじめ各方面からの意見を踏まえ、教員の勤務実態調査を行い、今年3月「教員の勤務環境の改善・働き方改革第一次報告書」がまとめられました。
報告書は、教員の勤務実態調査で「過労死ライン」といわれている1週間当たりの学校内の実働勤務時間が60時間を超えている教員の割合が40.1%、副校長は77.2%となっている実態を明らかにし、「長時間勤務が恒常化、構造化した教員の働き方の改革は、学校だけの問題とすることなく、教育委員会が果たすべき責務として取り組む」との基本的認識に立ち、3つの基本姿勢と30項目の方策を示しています。
質問の第1は、区長にお聞きします。昨年11月に開催された総合教育会議では、「教員の勤務実態調査について」意見交換が行われていますが、教育委員のみなさんからは「タイムレコーダーを設置するのも1つだが、そういう範囲にとどめないで、もっと総体的な改革を」「今後もさらに部活指導の外部リーダーの活用、学校諸事務処理の要員増強などの対応策が必要になってくる」「長時間労働は身体的・精神的な健康に大きく影響を与える」「副校長は時間外勤務1ヶ月あたり120時間という状況は、考えさせられるものがある」などの発言が相次ぎました。区長自身は教員の勤務実態をどのように受け止められましたか。今後、報告書に沿って具体化すべき対策については最優先で予算措置をしなければならないと思いますが、いかがでしょうか。
質問の第2は、更なる人的配置の強化です。報告書の「具体的な取組の方策」が示した3つの視点のうち「勤務環境の改善に向けた具体的な取組」は、まさに教育委員会の責任としてやらなければならない項目で、とりわけ人的配置についてはこれまでも学習指導支援員やスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーなど区独自の配置が行われてきたところです。ところが、報告書では「人的支援」を謳っているものの現在配置されているスタッフの活用という側面にとどまり、増員については具体性が乏しいと感じます。しかし今年度に向けての小学校長会の予算要望では区費事務職員の配置が要望されているのですから、少なくとも校長会の要望には早急に応える必要があるのではないでしょうか。中学校長会から継続要望が出ているスクールソーシャルワーカーについても、より教員の負担軽減になるような運用の見直しを行い、福祉機関との橋渡しにとどまらず児童・生徒・家庭と直接関われるように改善していくことが必要ではないでしょうか。そうなれば更なる人員増も必要になってくると考えますが、いかがでしょうか。
質問の第3は、部活動外部指導員の導入を早急に実施することです。報告書では区の部活動ガイドラインを6月までに策定するとしていますが、その内容はどのようなものになるのかお答えください。学校教育法施行規則の一部改正を受けて、今年度から部活動指導員を導入している自治体が続々と増えています。23区では新たに大田区も教員の長時間労働解消策として、今年度から試合の引率や日常の指導を単独でできる部活動指導員を10校でモデル実施し、来年度すべての学校で実施するとのことです。新宿区でも早急に実施すべきではないでしょうか。なお、報告書の「教員・教職員組合等の意見」でも述べられていますが、部活動指導員の採用、研修、雇用事務については現場の教員、特に副校長の負担にならないよう、レガスに委託するなどして教育委員会が一元的に行うべきです。必要なら補正予算を組んででも早急に具体化すべきと考えますがいかがでしょうか。
質問の第4は、教員の人数を増やすことです。
報告書の「教員・教職員組合等の意見」でも、「教員の負担が大きくなっている原因として、学習指導要領の改訂により一人あたりの授業時数が増えていること」が述べられ、「教員の持ち時間数の減、副担任等の複数体制による学級運営や授業指導を行うための教員を増員すべき」と述べられています。これまでも学習指導支援員の配置を行ってきたことは現場でも評価されていますが、少人数学級が実現しない下でも学習指導支援員を増員すれば少人数指導や教職員の持ち時間の軽減などは実現できるのではないでしょうか。35人学級の全学年実施を国と都に強く要請するとともに、学習指導支援員の更なる増員を求めるものですが、少なくとも中学校長会が予算要望している学習指導支援員の全校2名配置については直ちに実現すべきではないでしょうか。また、学習指導支援員の確保のためには待遇の改善が必要と考えますがいかがでしょうか。以上、答弁願います。(吉住区長) 教員の勤務環境改善についてのお尋ねです。
教員の勤務実態への認識と、今後どのように対策を具体化していくのかについてです。
長時間労働は、教員の働く意欲を低下させ、子どもたちへの指導などに影響を与えるおそれがあるなど、大きな課題であると認識しています。こうした教員の長時間労働の解消に向けては、今後、教育委員会事務局で作成される第二次報告書の内容や、「教員の勤務環境の改善・働き方改革プロジェクトチーム」での検討結果などを踏まえながら、適切に対応してまいりたいと考えています。(酒井敏男教育長) 教育委員会へのご質問にお答えします。
はじめに、小学校長会からの事務職員配置の要望への対応についてです。
学校における事務職員の配置については、「教員の勤務環境の改善・働き方改革プロジェックトチーム」の下に設置した、事務事業の見直し部会において、検討をしているところです。したがって、現時点では、小学校長会からの要望に対応することは考えておりません。
次に、スクールソーシャルワーカーの運用見直しと人員増についてのお尋ねです。
新宿区のスクールソーシャルワーカーは、学校と子ども家庭支援センターなど地域の関係機関をつなぎ、子どもや家庭の諸問題を組織的に解決することを目的として配置しています。原則としてスクールソーシャルワーカーが直接、児童・生徒・家庭と関わることはありませんが、学校と関係機関をつなぐことで、各関係機関がそれぞれの役割に応じた対応を効率的に進めることにつながっています。 例えば、不登校等の課題を抱える家庭を訪問する際に、教員と各関係機関の役割を明確にし、子ども家庭支援センターのワーカーと訪問時の対応を分担することで、教員は児童・生徒の対応に注力することができています。このように、教員の負担軽減の面からもこれまで一定の効果を上げており、今後、第一次報告書に取りまとめた「効果的な活用事例の収集や事例紹介」を行うことで、さらにその効果を高めていきたいと考えています。そのため、現時点でスクールソーシャルワーカーの運用の見直しや人員の増加は予定しておりません。
次に、区の部活動ガイドラインの内容についてのお尋ねです。
部活動ガイドラインについては、「教員の勤務環境の改善・働き方改革プロジェクトチーム」の下に設置した「部活動を支える環境の整備に関する検討部会」において検討を進めてきました。このガイドラインは、スポーツ庁のガイドラインや東京都教育委員会の方針を基本に、区立中学校における部活動の教育的意義や成果、小学校における放課後等の課外活動の状況を踏まえつつ、教員の勤務環境の改善・働き方改革の視点から、すべての部活動や課外活動が安全かつ充実したものとなるよう基準を定めるものです。内容については、「適切な休養日等の設定」「学校単位で参加する大会等の見直し」「適切な運営のための体制整備」をはじめ、6つの視点でまとめており、外部指導員や部活動指導員の役割、休養日や活動時間の基準などについて示す方向で検討しています。今後、6月末までに部会で原案を整理し、プロジェクトチームに報告した後、7月に「教員の勤務環境の改善・働き方改革第二次報告書」の中で取りまとめる予定です。
次に、部活動指導員を早急に実施すべきとのお尋ねです。
部活動指導員の導入については、これまで区立中学校の部活動が顧問教員の取組みと外部指導員の支援によって実施されてきたことを踏まえた上で、部活動指導員が担う役割や身分、任用等については丁寧に検討を行う必要があると考えています。スクールスタッフとして、これまで新宿区独自で導入している外部指導員については、技術的な指導や見守り等を行うことで、教員の負担軽減について、一定の効果を上げており、平成29年度には、約1,300万円の予算措置を行い、のべ8,000時間以上の部活動支援を行ってきました。
しかし、教員が顧問をする上で負担に感じている大会引率や部活動の管理運営等については、外部指導員が担うことができないことから、現在検討を行っているガイドラインでは、こうした職務も部活動指導員が担えるよう、その役割や配置に当たっての留意事項なども示す予定です。また、部活動に関わる人材の採用などの事務についても、副校長の新たな負担とならないよう、ガイドラインにとりまとめていく予定です。
次に、35人学級の全学年実施を国と都に要請すべきとのお尋ねです。
35人学級等の少人数学級の推進については、これまでも特別区教育長会を通じて、国や都に要請しており、引き続き実施してまいります。
次に、学習指導支援員の増員についてです。
学習指導支援員は、全校に1名の配置を原則としており、予算の範囲内で児童・生徒数、学級数の規模や学校の実情に応じて複数名を配置しています。事務事業の見直し部会では、学習指導支援員を含め、学校に配置している多岐にわたる職員の事務分掌の見直しを検討していくこととしています。教育委員会では、配置数の見直しに先んじて、まずは、学校において適正な事務配分を行い、より効率的に業務遂行を行うことで、教員の負担軽減を図っていきたいと考えています。
次に、学習指導支援員確保のための待遇の改善についてです。
学習指導支援員については、これまで募集を行う中でも、十分な応募者が確保できています。
学習指導支援員の待遇は、区全体のルールの下で定められており、その報酬額は豊富な行政経験を有する区職員の退職者を任用する区政推進員よりも高い水準で設定しています。そのため、現段階では学習指導支援員のみ特別な待遇改善は考えておりません。6.新宿の拠点再整備方針と新宿駅のバリアフリー化について
(阿部議員) 次に、新宿の拠点再整備方針と新宿駅のバリアフリー化について質問します。
4月26日、「新宿の拠点再整備方針~新宿グランドターミナルの一体的な再編~」(以下「方針」と言います)の説明会が行われました。方針には「遠方から視認できる、新宿らしいスカイラインの形成」とあり、説明会では「スカイラインとはどのくらいの高さか?」との質問に、区は「事業主体がどういうものをつくるかによる。都市再生特別措置法でやる可能性もある。西新宿の高層ビル群並みの200㍍規模もありうる」と答えました。民間がバラバラにやるのではなく、行政がまちづくりをコーディネートする必要があると区は言いいますが、民間がやりやすいように区がお膳立てしているのではありませんか。都市再生特別措置法による容積率緩和と国家戦略特区による手続きの簡略化という手法で、この間、千代田区や港区、品川区では既存のまち並みや商店街、区民の意向を考慮しない再開発が行われています。200㍍を超える駅ビルができれば、買い物や飲食は駅ビルで完結し、東口の商店街や歌舞伎町にまで影響は及びます。このような超高層ビルありきの方針は見直すべきと考えますがいかがですか。
そして、この方針を実行する事業主体に新宿区がなる必要はなく、当然、費用負担もすべきではないと考えます。3月の予算特別委員会で我が党の質問に対し区長は、「一切合切何も出さないということが将来的にずっと続くかというと、そうはなかなかいかないだろうと思っています」と答弁されましたが、なぜそういかないのか理解できません。
豊島区は池袋駅の東西を結ぶデッキと、この東西デッキと建て替え中の西武鉄道池袋ビルを結ぶ南デッキの整備方針を持っています。新しい西武鉄道池袋ビルの屋上にできる南デッキの起点となるスペースは災害時の一時待機場所等となり、豊島区はこれを「公共貢献」と位置づけ、また今後整備される南デッキが区道の上空を一部通るなどの理由で西武鉄道に事業費の一部、約12億円を補助することを決定しました。こうした事例を見ても、事業主体は鉄道事業者でも、自治体が計画を推進すれば費用負担せざるを得なくなるのです。この事例も踏まえ、改めて、同方針を進める主体と区の費用負担の考え方についてお聞かせください。
説明会で特徴的だったのは、障害当事者の方も含め新宿駅のバリアフリー化を求める意見が多数出たことです。「地下から地上に出る際民間ビルのエレベーターしかなく、夜間等は使えない。区がエレベーターを設置して欲しい」「新宿区交通バリアフリー基本構想に基づいた取り組みをすすめるべき。喫緊の課題はワンルートで乗り換えできるようにすること。」等の要望が出されました。これに対して区は、2040年代の構想を説明するだけで、新宿駅のいまの困難解消を求める意見への回答にはなっていませんでした。
交通バリアフリー法が2000年に施行され、区はこの法律に基づき「新宿区交通バリアフリー基本構想」を策定し、新宿駅周辺を重点地区に指定しました。基本方針は、乗り継ぎのバリアフリー化、多様で複雑な移動経路対応、面的なバリアフリー化など5つあります。その後13年経ちましたが、障害者のみなさんはバリアフリー化が進まない現状を何とかして欲しいと言いたいのではないでしょうか。区長は、基本構想の進捗状態をどのように評価しているのかうかがいます。
2006年には交通バリアフリー法とハートビル法を統合したバリアフリー新法が成立し、今年は東京オリンピック・パラリンピックの開催に向けてバリアフリー化を促進するためのバリアフリー新法の改正が行われました。世界一の乗降客数の新宿駅がいつまでもバリアフリー未完成のままで良いはずがありません。区長はこの点どうお考えですか。これまでの取り組みと現状、今後の見通しをお聞かせください。
そのうえで、具体的にうかがいます。
一つ目は、ホームから改札口、改札口から地上に出るために、新宿駅に乗り入れている鉄道事業者がエレベーターを設置することです。法改正に見合う完全なバリアフリー化のためのエレベーター設置を区として各鉄道事業者に強く求めるべきではないでしょうか。説明会では、計画段階から障害者など当事者の意見を入れることの提案がありました。私も必要なことと思いますが区長の見解を伺います。特に問題なのは東口です。西口と南口は地上までのエレベーターがありますが、東口は駅ビルのルミネエストか、民間ビルしかなく、ビルの営業時間外はエレベーターが使えません。ルミネエストはJR東日本のグループ企業であり、エレベーター利用時間延長に協力を求めてしかるべきです。区長からJR東日本とルミネエストに要望すべきと考えますがいかがでしょうか。区は、回遊性確保のためといって東西自由通路に多額の財政支援をしたのに、JRが自らの責務であるバリアフリー化を実現しないことは問題です。障害者の移動の自由確保のために区から強く要請すべきです。
二つ目は、ホームドアの設置です。新宿駅に乗り入れている4つの地下鉄のうち3つは完了し、都営新宿線は来年度完了予定です。京王線は今年度完了ですが、小田急線は一部未設置です。もっとも遅れているのがJRですが、今年3月に示された計画は、「2020年度第2四半期以降の整備予定駅」となっています。「第2四半期」は7月から9月であり、駅利用者が通常の数倍になると言われているオリンピックに間に合わないと思われますが、設置完了時期のメドをうかがいます。もし遅れるようなら、区としてはオリンピックまでのホームドア設置をJRと小田急電鉄に要望すべきと考えますがいかがですか。以上、お答えください。(吉住区長) 新宿の拠点再整備方針と新宿駅のバリアフリー化についてのお尋ねです。
はじめに新宿の拠点再整備方針についてです。
新宿の拠点再整備方針は、学識経験者及び国、都、鉄道事業者で構成する「新宿の拠点再整備検討委員会」で検討し、駅直近地区周辺の商店街や町会、まちづくり団体の代表者等で構成する「新宿駅周辺地域まちづくり協議会」と連携して取りまとめたものです。この整備方針は、駅・駅前広場・駅ビルを一体的に再編することで線路上空を活用した広場空間の創出や、ユニバーサルデザインを踏まえた、わかりやすく、利用しやすい駅や駅前広場の整備を進めるものです。この整備により周辺のまちにつながる誰にとってもやさしい空間を創出していきます。こうした空間や機能の確保を実現するためには超高層化など土地の高度利用が必要と捉えています。超高層化にあたっては、景観などについて周辺への影響を考慮していくことが必要であると考えています。
次に、整備方針を進める主体と区の費用負担の考え方についてのお尋ねです。 整備方針の実現に向けては、国、東京都、区や鉄道事業者をはじめとする関係事業者が連携して、それぞれの役割を果たしていく必要があります。駅前広場の整備については、駅ビルや駅を一体的に整備していく方針であり、事業主体は主に東京都及び鉄道事業者であると考えています。また、区の負担については、こうした事業が都市計画事業を想定していることから、関係事業者の役割や都市計画事業であることを踏まえて、適切に対応してまいります。
次に、新宿駅におけるバリアフリー化についてのお尋ねです。
区では、平成17年に策定した交通バリアフリー基本構想に基づき、新宿駅周辺地区を重点整備地区に位置付けています。地区内では、交通バリアフリー特定事業計画を策定し、鉄道駅のエレベーター設置や区道のバリアフリー化など、整備すべき61項目を定めています。平成28年度末で56項目、約9割について整備が完了しています。また、多くの方が利用している新宿駅では、車いす利用者や視覚障害者などにとって、バリアフリー化が望ましい移動経路も定めていることから、引き続き整備を進めていく必要があると考えています。昨年度は大江戸線新宿西口駅のエレベーターや、新宿駅周辺地下通路の視覚障害者用誘導ブロックが区や事業者などの取組みにより整備されました。今年度は、京王新線新宿駅でエレベーター整備について検討していきます。こうしたことから、基本構想における新宿駅周辺地区のバリアフリー化は着実に進んでいると捉えています。今後も引き続き、残る整備項目の実現や、ご指摘のあった5つの基本方針に基づくバリアフリー化を進めていきます。
次に、新宿駅のエレベーター設置についてのお尋ねです。
国は、東京2020オリンピック・パラリンピックの開催を契機として、更なるバリアフリー化を推進するために「高齢者、障害者の移動等の円滑化の促進に関する法律」の改正を行いました。この改正にともない、大規模な鉄道駅におけるバリアフリールートの最短経路化や複数化、乗継ぎルートのバリアフリー化の確保等に努めることが位置づけられました。区では、新宿駅に乗り入れる鉄道事業者に対して、今回の法改正の趣旨に適合させることを求めていきます。その際には、事業者が障害当事者などから意見を伺い、できる限り反映していくよう働きかけていきます。
次に、新宿駅東口における民間ビルエレベーターの利用時間延長についてのお尋ねです。
平成27年に東京都や関係事業者と連携して「新宿ターミナル協議会」を設置し、バリアフリーの推進などを盛り込んだ「新宿ターミナル基本ルール」をとりまとめています。この基本ルールでも、東口の現状は階段のみであるという課題が示されています。区としても、東口周辺はバリアフリー施設が整備されるべきと考えています。しかし、新たな施設整備には物理的な制約などの課題も多く、既存施設の有効活用も含めた当面のバリアフリー化についても必要と捉えています。このため、区では新宿ターミナル協議会と連携し、JR東日本等の関係者に対し、民間ビルエレベーターの利用時間の延長について働きかけています。
次に、新宿駅のホームドア設置についてのお尋ねです。
区では、駅利用者の安全性の確保のため、すべての駅でホームドアを設置すべきと考えており、これまでも、補助制度を設けるなど、鉄道各社に働きかけを行い設置を進めてきたところです。ご指摘のとおり、京王新線新宿駅については、今年度に整備が完了する予定です。西武新宿駅についても、平成31年度までに整備を完了する予定です。小田急線新宿駅については、混雑の多い急行線ホームについて平成24年度に整備が完了しており、その他のホームについても2022年度までに整備を行う予定とのことです。JR新宿駅山手線については、東西自由通路の使用が開始される2020年7月以降に着手すると聞いています。2018.06.21 更新