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区議会活動
2018年第3回定例会であざみ民栄議員が一般質問を行いました
9月20日の本会議で、あざみ民栄議員が「市ヶ谷商業高校跡地の活用」と「障害児等の居宅訪問型保育事業」について一般質問を行いました。
◆19番(あざみ民栄) 日本共産党新宿区議会議員団のあざみ民栄です。
初めに、「市ヶ谷商業高校跡地の活用」について伺います。
新宿区は、市ヶ谷商業高校跡地について、2017年2月まで愛日小学校の仮校舎としての活用が終了した後、2018年度以降は本格活用することを表明しました。具体的な活用候補案として、第1に特別養護老人ホーム・ショートステイ・地域交流スペースなどの高齢者向け施設、第2に子どもや防災の分野として「ふれあい防災広場」や近隣に多数ある保育園等の児童が安心して遊べ、運動会等の行事もできる場、災害発生時には防災広場として一時避難・集合できる場、第3に隣接する区立牛込第一中学校の老朽化に伴う建てかえ等を示しました。
2017年度は校庭や体育館の貸し出しなど暫定的な活用を行い、その間も本格活用を検討していましたが、2017年度末に本格活用の内容は示されず、今年度も暫定的な活用が継続されています。
本格活用の具体化に当たり、東京都との交渉や地域からの要望の聞き取りなどを含め、これまでどのような検討を行ってきたのでしょうか。また、現在残されている検討課題と本格活用の内容についての公表時期や地域への説明など、今後のスケジュールもあわせてお聞かせください。
市ヶ谷商業高校跡地が今後どうなるのか、地域の皆さんは大変注目されています。地域にとってニーズの高いものへの活用が求められています。
2017年1月に日本共産党新宿区議会議員団として要望書を提出しましたが、以下、改めて地域課題を示し、提案させていただきます。
第1の課題は、保育園の待機児童対策です。
ことし4月、現行国基準で言う待機児童数は25名まで減少しましたが、「隠れ待機児童」と言われる認可保育園に入れず認証保育所等に入所している待機児童は昨年度を上回る222名であり、引き続き認可保育園の増設を進める必要があります。また、牛込地域の賃貸物件活用の私立保育園には園庭がほとんどなく、公園が混雑しています。周辺保育園児も利用できる園庭を備えた保育園の増設が求められています。
第2の課題は、中町学童クラブの定員オーバー解消です。
中町学童クラブは、7月1日現在、定員40名に対し、登録は76名、1.9倍と定員オーバー率が区内で最も高い状態がここ数年続いています。
ちなみに、愛日小学校の「ひろばプラス」も登録児童数が64名で、区内2番目に多くなっています。これまで児童館のスペースを学童クラブに転用したり、ことしの夏休み期間中は愛日小学校の教室の一部をひろばと学童クラブで活用させていただいたと伺いましたが、そのような小手先の対応では抜本的な解決にはなりません。1人当たり1.65平方メートルが法律の定めた基準であり、児童の快適な生活空間を保障するための定員設定を無視したオーバー状態をいつまで続けるおつもりでしょうか。この地域は保育ニーズが高いことから、今後ますます定員オーバー状態が続くはずであり、喫緊の課題です。
第3の課題は、中町図書館です。
現在、中町図書館は中町地域交流館と児童館、あいじつ子ども園との複合施設の地下1階にあり、エレベーターがなく、広さも区内で最も狭いため、地域から改良の要望が大変強く出ています。
以上、3つの課題を解決するために、市ヶ谷商業高校跡地を活用することと同時に、現在の中町児童館と中町図書館を含む複合施設もあわせて施設の再配置を検討することが必要と考えますが、3つの課題の現状認識含めてお答えください。
この項の最後に、牛込第一中学校の建てかえとあわせた活用について伺います。
学校関係者・地域の方からは、老朽化した学校の建てかえは以前から大変強い要求ですので速やかに進めるべきです。また、牛込地域には公的なスポーツ施設がないため、学校体育館や校庭の一般利用が高まっていることから、学校の建てかえの際、体育館と校庭は主要なスポーツの公式試合が行える程度の規模にする必要があると考えますが、いかがでしょうか。お答えください。
次に、「障害児等の居宅訪問型保育事業について」伺います。
子ども・子育て支援新制度における地域型保育事業の一つである居宅訪問型保育事業は、障害・疾患等で個別のケアが必要なお子さんを自宅で保育する事業、また待機児童対策としてベビーシッター派遣事業などが行われています。
新宿区では、2015年度から認定NPO法人フローレンスが「障害児訪問保育アニー」を開始しています。障害や病気などで集団保育が困難なお子さんを抱えていても、就労や介護等で保育を必要としている区民にとっては大変貴重な保育事業です。
フローレンスが行うアニーは現在23区中16区で展開され、大いに活用されています。新宿区における障害児等の居宅訪問型保育事業のこれまでの利用実績と事業の評価についてお聞かせください。
最近、アニー利用者の間で話題になっているのが、下のお子さんの育児休業中にアニーを継続して利用できるかどうか各区によって取り扱いが違うという問題です。
通常、認可保育園では、下の子の育休開始と同時に、上の子は保育園を退園するということはなく、新宿区であれば特例で、出産した子どもの1歳の誕生日が属する月の末日まで保育継続できることになっています。
地域型保育事業は、認可保育園と同様の制度に基づくため、利用調整は自治体が行い、保育料は認可保育園と同じ扱いになっています。そうであるならば、育児休業中の取り扱いについても各自治体の認可保育園と同様であるべきですが、それが23区内でもばらばらなのです。港区、文京区、豊島区、品川区、練馬区は認可保育園と同じです。幾つかの区に理由をお聞きしたところ、やはり「制度上同じ扱いをすることになっているから」との答えでした。
一方で、杉並区、渋谷区、そして新宿区は、保護者の育児休業中の規定は、育児休業開始と同時に居宅訪問型保育の利用が終了となります。
なぜ新宿区は居宅訪問型保育利用者の育休中の取り扱いが認可保育園と同じではないのでしょうか。認可保育園で認められている猶予は、子ども・子育て支援新制度にある「育児休業取得時に既に保育を利用している子どもがいて、継続利用が必要であること」を保育の必要性として規定されているからです。これは居宅訪問型保育であっても同じではないでしょうか。区の認識を伺います。
アニーは担任制で、決まった保育士が保育に当たり、発達状況を踏まえた保育計画に基づいて日々の保育が行われており、お散歩や他自治体のアニー児童との交流、療育施設への送迎等も行っています。これだけのことが乳幼児を抱えた保護者ができるはずはありません。
また、居宅訪問型保育が終了してしまうと、終了時と復職後の開始時に2度も生活状況が大きく変化してしまいます。保育開始当初のならし保育は多くの時間を費やすため、子どもの心身にとって大きなリスクを伴うものです。
以上のことからも保育の継続性が求められるのではないでしょうか。居宅訪問型保育事業の育休中の取り扱いを認可保育園と同様に規定するべきと考えますが、いかがでしょうか。お答えください。◎総合政策部長(平井光雄) あざみ議員の御質問にお答えします。
旧市ヶ谷商業高校跡地の活用についての検討及びスケジュールについてのお尋ねです。
旧市ヶ谷商業高校跡地の活用に向けて、現在、高齢者施設及び牛込第一中学校の規模や配置、防災広場の適切な位置や広さの確保等が課題となっており、これらの検討を進めているところです。
さらに、周辺が住宅地であり、区道の幅員も狭いことから、解体や建築手法、工事用トラックや重機の搬入等についても、今後の検討課題として挙げられます。
東京都とは、具体的な活用候補案について情報交換を行っています。また、地域の方々に対しては具体的な内容をお示しできる段階ではありませんが、暫定活用の内容も含め、現状をお話ししてきたところです。
旧市ヶ谷商業高校の活用内容については、今後、素案がまとまり次第公表し、地域の方々の意見も踏まえながら決定していきたいと考えています。
次に、旧市ヶ谷商業高校跡地の活用及び施設の再配置並びに牛込第一中学校の建てかえについてのお尋ねです。
旧市ヶ谷商業高校跡地の活用については、高齢者施設や防災広場の整備、牛込第一中学校の建てかえ等を一体的に限られた敷地の中で行っていく予定であり、現在のところ、保育園、学童クラブ等の設置、主要なスポーツの公式試合が行える規模の体育館や校庭を整備することは考えておりません。
御指摘の保育園の待機児童対策については、就学前人口の推移や保育ニーズの動向などに配慮しながら着実に推進しています。
また、中町児童館や図書館等の再配置については、公共施設等総合管理計画に基づき、地域需要、財政状況等を勘案し、検討を進めていきます。
なお、園庭の確保できない保育施設の子どもの遊び場や運動会等の行事を行う場として、整備する防災広場を活用していく予定です。
また、中町学童クラブについては、児童館スペースを活用してもなお、学童クラブの専用スペースが不十分なことから、別途対応を検討してまいります。◎子ども家庭部長(橋本隆) 次に、「障害児等の居宅訪問型保育事業について」のお尋ねです。
初めに、新宿区における障害児等の居宅訪問型保育事業の実績と事業評価についてです。
区では、子ども・子育て支援新制度が施行された平成27年4月から居宅訪問型保育事業を実施しており、平成27年度は延べ25人、平成28年度は延べ27人、平成29年度は延べ36人の利用がありました。
保育園等での集団保育が困難な児童であっても、その状態によっては、この事業での保育が可能となりました。また、近隣の保育園と交流し、集団にかかわる機会が設けられている事例もあります。回数を重ねる中で、児童がお互いに打ち解けていく様子が見られるなど、この事業の特性が活かされていると考えています。
次に、居宅訪問型保育事業の利用者の育児休業中の取り扱いについてです。
保護者が育児休業している場合は保育の必要性の要件には該当しないため、保育園等を利用することができません。
ただし、既に保育園等を利用しているきょうだいがいる場合には、区では一定の要件のもとで継続利用を可能としています。これは、保育園等の施設に通い、集団生活を送るという日常の環境を継続することが望ましいと考えられるためです。
しかし、この事業の場合には、保育を行う居宅に育児休業中の保護者が在宅しており、保育園等とは状況が異なることから、継続利用の必要性を事例ごとに判断する必要があると考えています。
そのため、保育の計画や実施記録、保護者や保育従事者への聞き取りなどから児童の置かれた状況を確認した上で継続利用を可能としています。
以上で答弁を終わります。◆19番(あざみ民栄) 御答弁いただきまして、ありがとうございました。
市ヶ谷商業高校跡地の件については、愛日小学校の仮校舎の利用が終わってから1年半たっているということで、本当に区が本格的に使うのかということ、そのものをちょっと不安視するような声も地域から聞こえてきたもので、改めて質問をさせていただきました。ぜひできるだけ早く示していただければというふうに思います。
それから、障害児等の居宅訪問型保育事業の育休扱いについてですけれども、本来であれば集団保育の通常の保育園に通わせたいというふうに願っている、それがまずあるはずなんです、ここを利用されている方たちというのは。それでも、それが困難なためにこれを利用しているということですから。おうちで見てもらっているといっても、保護者にかわってただ見てもらっているだけではない。本当に保育計画に基づいた保育をしてもらっているという意味では、それが居宅であっても、保育園であっても、私は同じだというふうに思いますので、その考え方が違うのかなというふうに改めて思いました。
私はこれは同じにしていくべきだというふうに思っておりますので、引き続きしかるべき場でまた議論をさせていただければというふうに思います。
これで私の一般質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)2018.12.28 更新