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    新型コロナウイルスから区民の命とくらし・営業を守るための申し入れ(その3)

     

    4月23日、大型連休前に打つべき施策を中心に、第3回目の新型コロナウイルスから区民の命とくらし・営業を守るための18項目の申し入れを行いました。

     

     

    新宿区長 吉住健一 殿

    新宿区教育委員会教育長 酒井敏男 殿

     

    新型コロナウイルスから区民の命とくらし・営業を守るための申し入れ(その3)

                                                                         

     

    2020年4月23日   

                               日本共産党新宿区議会議員団

                               日本共産党新宿地区委員会

     

     新型コロナウイルスは感染拡大を続け、東京全体の陽性確認者数は3000人を大きく超え、新宿区でも4月21日時点で259人と都内では世田谷区に次ぐ多さで、人口比ではその世田谷区をも超えており、まさに緊急事態となっています。そのような過酷な状況の下で、区職員のみなさんが自らの感染リスクも負いながら日々区民のために奮闘されていることに重ねて敬意を表するものです。

     区民の健康不安と、くらし・営業の困難さが拡大している中、私たちは区長と教育委員会に対し2度に渡る申し入れを行ってきたところですが、事態はますます深刻化しています。来週には大型連休に入りますが、緊急事態宣言の期限とされている5月6日になっても事態は改善しないのではないかという不安が区民と事業者のなかに広がっています。

     大型連休を目前にした現時点に立って、以下、18項目の申し入れをするものです。

     

     

    【区民のくらし・営業の支援について】

     

    1.これまで行っていた休日窓口事務(第4日曜日)と窓口事務時間延長(火曜日)については4月24日以降休止とされているが、コロナの影響を受けた区民や事業者のための相談窓口は電話による相談や緊急の相談は従前通り受け付け、当面は土日・祝日も含め対応すること。特に大型連休については、特段の体制を組んで区民からの相談を受け付けること。

    ▽ 各種相談窓口を、土日・祝日も開いてほしいという声が寄せられている。大型連休については過去にも窓口を開設したことがあり、緊急事態の今こそ必要。各種相談窓口の人員体制を強化し、3密にならないような対策を講じつつ区民の要望に応えることが必要。杉並区は臨時議会で補正予算を組み、大型連休中も商工相談窓口を開設する。

    2.コロナの影響で相談が急増している区の生活福祉課や産業振興課、社会福祉協議会などの窓口は人員を増やし、地域センター等を活用することで相談の場所も増やして、困っている区民の相談に直ちに応じる体制を構築すること。各種申請手続きについては、更に必要書類等の簡素化を徹底して行うこと。また、電話相談の増加に対応し、電話回線を増やすこと。

    ▽ 人員体制の強化にあたっては、必要な部署に増員するよう全庁的な調整を行うとともに、専門性が求められる窓口には区職員OB・OGに復帰をお願いすることも含めて具体的に手を打つことが必要。杉並区では補正予算で特別融資に係る職員5名程度増員(応援体制による常勤3名程度と新規雇用の会計年度任用職員2名程度)し、電話の増設を行っている。新宿区も中小企業診断士を増員しているが、杉並区は補正予算でさらに3名増員している。

     また、相談場所についてもそれぞれ1カ所しかなく、地域によっては利用し辛い。相談員の人員を増やして対応する際、現在の場所だけでは手狭になることも予想される。休館となっている地域センターを活用することが区民の利便性向上につながるものと考える。

    3.東京都が実施している休業要請に応じた事業者への協力金制度については、区としても周知を行い、申請書を本庁舎や各特別出張所にも配置すること。協力金は、その対象が狭められ実態との矛盾が生じているため、区として都に対し制度の改善を求めると同時に、当面、対象から除外された事業者には区として協力金を支払うこと。

    ▽ 協力金は、4月16日から休業していなければ支給されないなど、事業者から困惑する声が広がっている。今からでも改善をと都に求めるべきで、遺漏のないよう区として区民に寄り添った対応が求められている。 

    4.全国の自治体に広がっている独自の休業補償を、新宿区としても早急に検討すること。とりわけ他地域に比べて家賃が高い新宿区の実態に合わせて、区として家賃助成を行うこと。

    ▽ バー、スナック、クラブ等の料飲業者に対し家賃助成を行う自治体が急速に広がり、御殿場市、伊東市、伊豆市、市川市、野田市、川口市、川越市、鎌倉市、明石市、上越市、福岡市、等々日を追うごとに増えている。家賃補助は国も検討の動きが出ているが、国にさきがけて対応すべき。

    ▽ 一人10万円の給付金は、政府も準備を進めるよう通知を出している。必要なら職員を臨時雇用するなどして、可及的速やかに支給が進むよう体制を整備すべき。 

    5.国民一人あたり10万円の給付金については、5月中の支給をめざすこと。

     

     

    【検査体制・医療機関について】

     

    1.大型連休中の診療・検査体制については、通常の休日診療の体制よりも充実させ、PCR検査ができるように体制を確保すること。

    ▽ 「検査スポット」が連休中も停止することなくPCR検査が可能となるよう、医師会と協議しスタッフを確保すること。そのために区として特段の支援を行う必要がある。

    2.「新宿区新型コロナ検査スポット」は、感染者数が最も多い区であることを考慮した箇所数になるよう医師会と協議して増設し、地域格差が生じることのないよう国立国際医療研究センターのほかに少なくとももう1箇所増やすこと。そのためにも協力する医師に対しては日当だけではなく、医師を送り出す診療所にも補償を行うこと。

    ▽ 区医師会が、医療センターで始まった「検査スポット」で検査に従事する医師等を募集していると聞いているが、医師が手を挙げやすくするには診療所に対する補償が必要。杉並区は補正予算で医師の日当31700円の他に派遣元の診療所に1日あたり160130円を支給。

     土日・夜間も含めて協力を要請し、可能な限り受け入れ数を増やして「検査スポット」も増やしていくべき。

    3.濃厚接触者については、症状がない場合もPCR検査を実施すること。

    ▽ 区内の実例でも、家族2人が感染した既往症のある高齢者が、急に体調を崩し救急搬送された直後に死亡。その後PCR検査が行われこの高齢者も感染していたことがわかった。しかし、残された高齢者の配偶者は、濃厚接触者で高齢であるにもかかわらずPCR検査を拒否されている。家族間での感染拡大が問題視されている中、濃厚接触者には症状がなかったとしてもPCR検査を実施しなければ感染拡大は防止できない。

    4.約120人(4月15日記者会見の区長発言)居る自宅療養中の軽症者を早急に解消する計画を持ち、そのために受け入れホテルの確保数を増やすよう都に強く要請すること。現に自宅療養となっている陽性者に対する支援を抜本的に強化し、無料配食サービスを行うなど特に単身者については早急に実施すること。また、自宅療養中の軽症者に血中酸素濃度測定器を貸与し、急変を未然に対応すること。

    ▽ 自宅療養の解消は既に申し入れてきた問題。区長が4月15日の記者会見の際明らかにした陽性確認者のうち自宅療養となっている軽症者は120人で、東京都全体の約200人のうち6割が新宿区民であるという異常な事態が、家族間での感染拡大を生んでいる。杉並区長が30人の自宅療養者数を問題視し都に要請しているように、新宿区こそ都に強く要請すべき。杉並区は補正予算で「パルスオキシメーター」100台を購入し自宅療養者に貸与し血中酸素濃度を管理している。

     

     

    【子どもに関する支援について】

     

    1.新型コロナウイルスとの闘いが長期化することも視野に入れ、子どもに関する問題を教育委員会と子ども家庭部の合同で(仮称)新型コロナウイルス対策チームを作り、現場の教員や学童クラブ指導員、校医・園医も加わって具体的な課題の抽出と対策を検討すること。学校再開までと再開後の課題抽出・整理については、学校長だけでなく現場の教員も加わったワーキングチームで早急に行うこと。

    ▽ 学校の休校に伴い、学童クラブやひろばプラスでも急遽子どもの受け入れ体制を整え、教育委員会と子ども家庭部が連携して対応してきたが、休校の長期化によって様々な課題が出てきている。感染が縮小する見通しが立たない中、緊急事態宣言の期間延長も視野に入れ、学校再開から通常の生活に戻れるまでの課題抽出、整理、対策の立案、具体化を行うチームが必要と考える。

    2.休校中の子どもの学習保障については、「おまかせ教室ラインズeライブラリ」だけでなくネットを使ったあらゆる方法を早急に検討すること。検討に当たっては、区教委の指導主事と現場の教員、ICT支援員の英知を結集し、民間の開発したシステムの活用も含め新宿区の子どもたちに合った方法を開発すること。パソコンやタブレット、ネット環境のない家庭には学校のタブレットとWi-fiルーターも含めて貸し出したうえで、当面はZOOMなどを使ったホームルームを行い担任と子どもが顔を見て対話することから試行すること。現状も行われている担任から家庭への電話連絡や教材の郵送については、必要な経費を学校と教員に支給すること。学校規模によっては電話とネット回線を増やすこと。

    ▽ 「おまかせ教室ラインズeライブラリ」は情報量も少なく、他区では3月の一斉休校時に既に実施されていたもので、あまりにも不十分。ZOOMなどのソフトやアプリを使うには課題もあるが、学校連絡日も中止となった現状では担任と子どもとのコミュニケーションが取れるよう環境整備をする必要がある。長期化することも想定してネットを利用した学習のあり方についても早急に検討すべき。 

    3.新宿区内の感染状況に鑑み、保育園・学童クラブ・ひろばプラスにおける感染防止対策を抜本的に強化・改善すること。保育園・学童クラブ等の利用自粛要請による登園・登室状況と職員の出勤状況の実態を把握し、保護者がより休業しやすい環境をつくるためにも休園・休室を具体的に検討すること。その際、医療従事者やひとり親家庭など家庭環境に充分配慮し、必要とする子どもの保育を継続すること。利用自粛中の保護者や、休園となった場合に登園しない保護者とは、定期的に連絡を取り子育ての相談に乗ること。

    ▽ 緊急事態宣言後も区内の感染者数は急増しており、利用自粛要請を行ってもなお子どもの数が減らない園等もある中、保護者や保育士・指導員からは感染拡大を危惧する声が上がっている。保護者の中には休園にならなければ休めない人もあり、周辺区が既に休園・休室の措置を取りながらも必要な子どもを受け入れているように、新宿区においても基本は休園・休室とするように求める声が大きくなっている。 

    4.当面7月1日までとされている保育園の育休延長の措置を、さらに延長すること。

    ▽ 育休延長の措置は大変喜ばれたが、その後も緊急事態宣言が全国に拡大され、新宿区内でも感染の拡大が続いている中、この状況が長期化するのではないかと危惧する保護者から、さらなる育休の延長措置を求める声が寄せられている。 

    5.保護者や家族全員が新型コロナウイルス陽性となり、子どもだけが陰性となった場合の子どもの受け入れ先を確保すること。

    ▽ 著名人が家族間で感染し、幼い子どもだけが陰性となった事例が報道されている。子どもだけが陰性で残される場合を想定し、その受け入れ先を確保しておくことが必要。

     

     

    【高齢者・障害者介護従事者に対する支援について】

     

    1.高齢者・障害者介護従事者に対し、(仮称)新型コロナウイルス特別給付金を、区独自に支給すること。

    ▽ 福岡市が、高齢者や障害者を直接介護している入所施設、デイサービスなどの通所施設、ホームヘルパーやケアマネージャーなどの事業所を対象に1施設あたり15万円から150万円を給付する制度を5月中旬から開始する。このような取り組みが新宿区でも必要。

     

     

    【情報公開、情報提供について】

     

    1.区・保健所が把握している相談件数、PCR検査数、年代別陽性者数、死亡者数の年代や経過、民間事業所を含む区内の感染状況と特徴について情報を公開すること。少なくとも東京都が公表している内容については他区が行っているようにホームページ上での情報公開を行い、区民と情報を共有しながら共に新型コロナウイルスと闘っていく姿勢を示すこと。

    ▽ 区・保健所はいまだに一切の感染情報について公表せず、一方で区長の記者会見では区長から「区内の自宅療養者約120人」など衝撃的な数字が語られるが、検査件数については記者からの問に対しても「言えない」などと答えている。基本的に公表しないという姿勢は、他区と比較しても異常さが際だっている。区は、区民に様々な自粛を要請しており、区民と共に新型コロナウイルスと闘おうと言うのなら少なくとも区民と最小限の情報共有をすることが必要。

     

    【職員体制について】

     

    1.区職員に新型コロナウイルス感染が確認された場合、いわゆる濃厚接触者だけでなく当該職場の職員のPCR検査を行うこと。区役所でのクラスター発生を防止するため、職員の在宅勤務の組み合わせなどについても可能な限り考慮すること。

    ▽ 大津市は、職員が11人新型コロナウイルスに感染しクラスターが発生したため、本庁舎を4月25日から5月6日まで全面閉鎖することになった。区役所が機能不全に陥ることは避けなければならない。

    2.健康部のとりわけ保健予防課の体制を強化すること。事務職の応援体制のみならず、保健師を増やすため都に応援要請を行い、非常勤職員の臨時募集も行って体制強化すること。

    ▽ 保健予防課(保健所)の体制強化については先週から庁内の応援体制で事務職5人が配置されたところだが、最も業務が集中している保健師の応援体制を抜本的に強化しなければ保健所崩壊になりかねないため、都への応援要請と臨時雇用も含めあらゆる手段を講じること。

     

    以上

     

    ※申し入れ(その3)のPDFはこちらからご覧ください。

     

     

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    2020.04.23 更新

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