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高月まな
2020年第4回定例会 高月まな議員が一般質問を行いました
12月1日の本会議で、高月まな議員が以下の項目について一般質問を行いました。
1.駅の改札口やホームなどのバリアフリー化について
*正式な会議録ではありませんが、概要をご紹介します。◆(高月まな議員) 日本共産党新宿区議会議員団の高月まなです。私は、駅の改札口やホームなどのバリアフリー化について質問いたします。
今年3月に「新宿区ユニバーサルデザインまちづくり条例」が制定されました。誰もが共生できる社会実現のため、条例に基づきこれまで以上に区が区民や施設所有者と連携して「ユニバーサルデザインのまちづくり」を具体的に進めなければなりません。現在策定中の「新宿区障害者計画、第2期新宿区障害児福祉計画・第6期新宿区障害福祉計画」でも、基本理念の「バリアフリー社会の実現」のために「ユニバーサルデザインを基本としたまちづくりの促進」を重点的な取組みとしています。
私は、車いすを使用する重度心身障害者の外出介助の仕事をしてきた中で、同行して鉄道駅を利用する際「駅員が車いすを担いで移動する駅がある」「駅員に降りる駅を言わなくてはならないのはプライバシー侵害では」など、様々な障害当事者の声を聞きました。また、私たちの会派が行っている区政アンケートには、道路、駅、公園などに関する声が常に寄せられますが、特に関心が高く切実なのが、駅や駅周辺のバリアフリー化についての要望です。以下、質問いたします。
第一に、各駅の2ルート目のバリアフリー化についてです。大久保駅南口と西武新宿駅北口は、まだバリアフリー化された改札口となっていません。両駅に関わる地域には、大久保病院、春山記念病院、新宿税務署、障害者の職業相談などの窓口があるハローワーク新宿など、病院や公共施設があり、バリアフリー化が促進されるべき地域であるといえます。また、地下鉄丸ノ内線新宿御苑前駅は、2019年6月にようやく新宿方面行ホーム側の1番出入口にエレベーターとエスカレーターが設置されました。しかし、この出入口はホームの端にあり、反対の端からは長い距離があります。反対側の2番出口である大木戸口周辺には、四谷特別出張所・地域センター・区民ホールと、花園小学校など区の施設も多く、バリアフリー化が求められている地域といえます。私たちのアンケートにも、新宿1丁目に住む方から「大木戸口改札口の階段は高齢者にはつらい。エスカレーターをつけて欲しい」と要望が寄せられています。東京メトロは、今のところエスカレーター設置の予定はないが必要性は感じているとのことです。これら各駅の2ルート目のバリアフリー整備の促進を、区としてJR、西武鉄道、東京メトロに要請すべきと考えますがいかがでしょうか。
また、JR新大久保駅については、2018年の第3回定例会で私たちの会派が質問した際、ホームから改札口まで1ルートのため乗降客が集中して事故の危険性が高まることを指摘し、安全確保のため2ルート目の改札口を設置することを求めました。新宿方向に向けてのルートが難しいのであれば、ホームの位置を高田馬場方面へずらせば出口を確保できるのではないかと提案しましたが、「現在進めている駅舎の建てかえ工事により空間的な狭さを解消することが重要であることから、現時点において新たな改札口を確保するよう要望することは考えておりません」との答弁でした。その後、今年3月新駅舎が竣工し、エレベーター設置と大久保通り側改札口の他に区道に面した別の改札口が設けられ、一定の改善が図られました。しかしアンケートでは「大久保通りの歩道は高齢者、障害者が歩けない」「ホームから改札口までが混雑する。別のルートの出入口が欲しい」という意見が依然としてあり、2ルート目の改札口が求められています。高田馬場方面へのホームの延伸には大規模な工事が必要ですが、JR飯田橋駅のホーム移設の例が示すように技術的に可能ではないでしょうか。新大久保駅から住宅展示場や桜美林大学、山手メディカルセンター方面へのルート確保のため、JRの負担で新たな改札口を設置するよう、区としてJRに要請すべきと考えますがいかがでしょうか。
第二に、駅ホームと車両との段差・隙間の解消についてです。
ある車いす使用者の方が、「駅にとっての本当のバリアフリーをほとんどの人は知らない」と言われていました。たいていの人は駅にエレベーター、エスカレーターを設置すればバリアフリーを達成できたと考えがちですが、車いす使用者が電車に乗る時、駅員に行先を告げ、渡り板を準備してもらい「お願いします」「ありがとう」と何度も言わなくてはならない状態が残っている限り、健常者と同等な乗降ができず、本当のバリアフリーとは言えないというのです。ホームと車両の段差・隙間をなくして誰もが自由に乗降できるよう整備することが必要です。JR総武線飯田橋駅は、これまでカーブしたホームのため車両の隙間が大きく、なかなか改善の手法が見つからず長年の課題となっていましたが、ホームを移設する大工事により、2020年7月にようやく改善されました。大工事でなくても、ホームのかさ上げ、スロープ設置などで技術的には段差・隙間の解消は可能です。国土交通省は2019年10月に「公共交通機関のバリアフリー整備ガイドライン」を改正し、ホームと車両乗降口の段差・隙間の解消が今後の検討すべき課題として、段差と隙間の目安値を示しました。各鉄道事業者がこのガイドラインに則して整備を進め、JR高田馬場駅、新大久保駅ではホームの一部で段差・隙間が解消され、都営地下鉄は、大江戸線、新宿線、三田線の段差・隙間の目安値を満たした駅をホームページで公表するなど、取り組みを進めています。区としては、区内の駅ホームと車両の段差・隙間をどのように把握し、課題をどう認識していますか。新宿らくらくバリアフリーマップなどに、車いすで単独乗降できる駅の情報を掲載すべきと考えますがいかがでしょうか。さらに区内各駅のすべてのホームと車両の段差・隙間の解消を各鉄道事業者に要請すべきと考えますがいかがでしょうか。以上答弁願います。
◎(都市計画部長) 高月議員のご質問にお答えします。
駅の改札口やホームなどのバリアフリー化についてのお尋ねです。
はじめに、駅の2ルート目のバリアフリー整備についてです。
現在、移動等円滑化促進方針の策定を進める中で、高齢者や障害者等の当事者と「まちあるき」を行い、主な鉄道駅におけるバリアフリールートの状況を確認しています。そうした中で、1ルートだけでは遠回りになり、駅利用者が不便を感じている場合もあると認識しています。区では、バリアフリールートの最短化がより一層進むよう、すでに鉄道事業者に働きかけています。
次に、新大久保駅の新たな改札口の設置についてです。
JR東日本では、駅改良工事に伴い、ホームと改札階とを接続するエレベーターの設置や、出口専用改札口の追加整備により、駅利用者の導線がスムーズになるよう利便性の向上を図っています。また、現在はコロナ禍による駅利用者の減少により実施していませんが、これまで、駅員による案内誘導や、特に混雑がみられる場合には入場規制を行うなど、乗降客の安全対策を実施してきました。加えて、付近の桜美林大学では、JR東日本からの協力要請を受け、新大久保駅へのこれ以上の利用者の集中を避けるため、利用駅を分散するよう学生に案内していると聞いています。区では、JR東日本に対し、必要に応じて駅構内や駅周辺における案内誘導などの安全対策を申し入れているところです。こうしたことから、現時点において、新たな改札口を設置するよう要請することは考えておりません。
次に、駅ホームと車両との段差・隙間の解消についてのお尋ねです。
区では、令和元年10月に改正された「公共交通機関の旅客施設に関する移動等円滑化整備ガイドライン」を踏まえ、各鉄道事業者とのバリアフリー整備に関する情報の共有や、現地確認等により、ホームにおける段差・隙間の対策状況を把握してきたところです。また、促進方針策定のための「まちあるき」において、段差・隙間対策が実施された駅では、円滑に乗降できることを当事者とともに確認しました。区としては、高齢者や車いす使用者、ベビーカー使用者等の誰もが、安全で自由に乗降できるよう、ホームと車両の段差・隙間の対策は必要であると認識しています。ご指摘の新宿らくらくバリアフリーマップでは、区内37の駅のバリアフリー情報を掲載しています。また、区のホームページに各鉄道事業者のバリアフリー情報が掲載されているページをリンクさせることで、車いすで単独乗降できる駅の情報を提供しています。現在、各鉄道事業者では、段差・隙間の対策を進めていると聞いており、区としては、その対策の進捗状況を確認してまいります。2020.12.23 更新