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区議会活動
2021年第1回定例会 雨宮たけひこ議員が一般質問を行いました
2月19日の本会議で、雨宮たけひこ議員が以下の項目について一般質問を行いました。
1.少人数学級と学校施設個別施設計画について
*正式な会議録ではありませんが、概要をご紹介します。
(雨宮たけひこ議員) 日本共産党新宿区議会議員団の雨宮武彦です。私は、少人数学級と学校施設個別施設計画について、区長と教育委員会に一般質問します。
2021年2月2日に「公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律の一部を改正する法律」が国会に提出されました。この法律は、現行の学級人数の上限である1クラス40人を、2025年度までに順次35人学級に移行するものです。少人数学級を全学年にとの要望は、PTAや教職員組合、全国市町村長会、全国知事会などからの長い間の念願であり、我が党も一貫して要求してきました。今、新型コロナウイルス感染症が広がる中、感染防止の視点からも有効な対策となります。きめ細かな指導の視点からも直ちに全学年35人学級を実施することと、30人以下学級などさらなる少人数学級を求めることを国に求めるべきと思いますがいかがでしょうか。新宿区教育委員会として今回の法律改正をどのように受け止め、どのように具体化しようと考えているのか伺います。
質問の第2は、35人学級編制に基づく普通教室の確保についてです。
区教育委員会の35人学級編制のシミュレーションによると、四谷小と早稲田小は2023年度は22教室必要なのに、普通教室が21教室しかなく、1教室不足します。このままでは新1年生の受け入れができない事態が生まれます。四谷小学校にお聞きしたところ、「今年度は会議室・PTA室を普通教室にし、来年度図書室を普通教室にする予定」とのことで、「現在、1年生4クラス、2、3、5年生が3クラス、4、6年生が2クラス、来年度の新1年生は4クラスの予定。再来年度、新1年生が5クラスになったら教室が足りなくなります」とのことで、これ以上は対応できないとのことでした。2024年度には愛日小、2025年度には四谷第6小、西新宿小、2026年度は落合第2小が同じような状況になります。このシミュレーションについてどのように分析し、どのように対策を立てようとしているのか伺います。2023年度に教室が不足となる四谷小、早稲田小は喫緊の課題です。どのような対策を考えているのか併せて伺います。
2021年1月の新宿区人口ビジョン(改訂版)によると、将来展望人口は2045年まで増え続け、0歳から14歳までの人口も2030年をピークに増加します。再開発やマンション建設が続き、さらなる人口増加が予想されます。今回のシミュレーションにはこのような前提条件が含まれているのかについても伺います。
質問の第3は、学校施設個別施設計画と公共施設等総合管理計画についてです。
学校施設個別施設計画(以下計画という)では、「公共施設等総合管理計画」と「文部科学省の学校施設の長寿命化計画策定に係る手引」を参考にし、目標耐用年数80年を目指す長寿命化計画を策定しています。保全周期についても、屋上防水20年、外壁15年、電気設備30年等を定め、学校別に劣化状況、修繕時期を年別に示し大変わかりやすくなっています。
1つ目の質問は、学校建て替えの目標耐用年数80年と公共施設等総合管理計画の関係についてです。
文部科学省の手引きでは、学校施設の建て替えの耐用年数を、コンクリート及び鉄筋の強度が確保される場合には、70年から80年程度、さらに技術的には100年以上、長寿命化も可能としています。新宿区教育委員会はこの「計画」策定に当たり、文科省の手引きに基づき、建て替えの目標耐用年数を80年としていますが、極めて適切な設定であると思います。新宿区には80年の耐用年数を超えている、早稲田小(92年)、津久戸小(87年)、江戸川小(84年)が3校あり、建物全体は古くなっていますが、屋上防水、外壁工事などを中長期修繕計画に基づいて適切に維持管理すれば、さらに学校施設を維持できることを実証しています。
2017年に策定された、公共施設等総合管理計画では、区有施設の更新に係る将来予算不足額の試算で、建設後30年以上で大規模修繕、60年以上で建て替えとしています。目標耐用年数が80年になるなら、予算不足額の試算が大きく変わってきます。私たち区議団は、公共施設等総合管理計画が総務省の試算に基づく計画であり、新宿区の実態に合わないことから反対し、新宿区の中長期修繕計画に基づいて試算することを指摘してきました。今回の「計画」は、中長期修繕計画に基づき作成されており、学校別の劣化状況を見ながら修繕時期も検討してきており、まさに実態に見合う新宿区の計画と言えます。今、各部が「個別施設計画」を策定しています。教育委員会のこの「計画」からしても、公共施設等総合管理計画は新宿区の実態にあわない計画だと改めてわかったのですから、この際、廃止すべきと思いますが、いかがでしょうか伺います。
2つ目は、学校施設の建替えについてです。
この「計画」では、「建物の調査結果などによる劣化状況を最優先としますが、学校施設の機能改善、公共施設等との複合化などの視点から検討する。建替えが必要な場合は、実行計画に位置づけ、事業効果や地域貢献への寄与、代替地の確保など、総合的に勘案して進めていきます。」としていますが、例えば、築84年の江戸川小学校では、「体育館が古く、狭くて全校集会がきつきつで、体育館を広くするには建て替えの方法しかない」との声がありますが、教職員や児童、PTA、地域のみなさんの意見を聞き、建替えをする方向で計画すべきと思いますが、いかがでしょうか。その他、老朽化している学校施設については中長期修繕計画に基づきしっかり修繕し、施設の寿命を延ばしながらも順次建替え計画を具体化すべきと思いますが、いかがでしょうか、併せて伺います。
(教育次長) 雨宮議員のご質問にお答えします。
少人数学級と学校施設個別施設計画についてのお尋ねです。
はじめに、35人学級の実施に対する受け止めや今後のさらなる少人数化等に対する考えについてです。
教育委員会では、これまでも1学級当たりの上限人数の引き下げを国に対して要望してきており、今回の法律改正については、児童の学習環境の充実につながる改正であると捉えています。35人学級の具体化については、実施に向けて教員や普通教室の確保などの課題の解決を図りながら、国が示している段階的な導入を進めてまいります。なお、35人学級の前倒しや30人以下学級などさらなる少人数学級を国に要望する考えはありません。
次に、35人学級編制のシミュレーションについての分析と対策についてのお尋ねです。
文教子ども家庭委員会の追加資料としてお配りしたシミュレーションについては、35人学級が段階的に導入された場合の令和8年度までの普通教室数を学校別に示した資料となっています。現行の学級編制基準に基づき算定した「新宿区立学校施設個別施設計画」では、令和7年度まで普通教室は充足すると見込んでいましたが、35人学級編制のもとでは令和5年度以降、普通教室が足りなくなる学校が6校出てきており、早急に検討すべき課題と認識しています。「公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律」や「東京都公立小学校、中学校、義務教育学校及び中等教育学校前期課程の学級編制基準」の改正が示された段階で、課題となる6校を含め、普通教室の確保策等については早急に検討してまいります。
次に、2023年度に教室が不足する四谷小学校、早稲田小学校に対する対策についてです。
ご指摘のとおり、四谷小学校と早稲田小学校は最も早く普通教室が不足する見込みであるため、今後示される法律改正の内容や学級編制基準の改正内容を踏まえ、仮校舎建設、通学区域の変更等も含め、様々な対策を検討してまいります。
次に、35人学級編制のシミュレーションに更なる人口増加の前提条件が含まれているかについてです。
このたびのシミュレーションの普通教室数の推計値は令和2年5月1日時点の住民基本台帳を基礎として作成しています。したがって、現在計画段階の再開発やマンション建設による人口増加については反映しておりません。そのため、再開発や大規模建設については、関連部署との連携により適宜情報を収集し、普通教室の確保に取り組んでまいります。
次に、学校施設の目標耐用年数と公共施設等総合管理計画の関係についてです。
公共施設等総合管理計画では、計画の実行性を確保するため、将来更新経費について、標準的な耐用年数とされる60年で建替えを行う想定で試算を行っています。学校施設個別施設計画においては、文部科学省の「学校施設の長寿命化計画策定に係る手引」を踏まえ、長寿命化を図る場合には、目標耐用年数80年を目指す一方で、建替え等については、様々な機を捉えて検討を進め、公共施設等総合管理計画に基づき、進めていくこととしています。今後も公共施設等総合管理計画に基づき、適切な区有施設マネジメントを行ってまいります。
次に、学校施設の建替えについてのお尋ねです。
はじめに、江戸川小学校の体育館の建替えについてです。
江戸川小学校については、築84年が経過していますが、校舎棟、体育館ともに平成18年度に耐震補強工事を実施するとともに、これまで適切な修繕を行いながら長寿命化を図っています。今後も学校施設個別施設計画に基づき、長寿命化を図りながら、施設の適切な維持管理に取り組んでまいります。
次に、老朽化している学校施設の建替え計画の具体化についてです。
学校施設の建替えについては、建物の調査結果などによる劣化状況を最優先としつつも、学校施設の機能改善、公共施設等の複合化などの観点からも検討することとしています。建替えが必要な場合は、実行計画に位置付け、事業効果や地域貢献への寄与、代替地の確保など、総合的に勘案して進めていきます。2021.04.22 更新