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区議会活動
2013年第2回定例会 代表質問
1、区長の歴史認識と政治姿勢について
(質問)日本共産党区議団の雨宮たけひこです。新宿区議会2013年第2回定例会にあたり、日本共産党区議団を代表し、区長ならびに教育委員会に質問します。
最初に、区長の歴史認識と政治姿勢について質問します。
第1の質問は、従軍慰安婦に関する歴史認識についてです。
橋下徹日本維新の会共同代表の「従軍慰安婦は必要だった」という発言が、国内外から大きな批判をあびています。橋下氏は、米軍に日本の風俗業の活用をすす めた発言だけは撤回・謝罪したものの、日本国内に対しては撤回も謝罪もせず居直っています。この問題について、国連の拷問禁止委員会が「地方のトップや政 治家が事実を否定し、元慰安婦を傷つけている」と指摘し、政府に対して直ちに対策を取るよう求めました。大阪市議会で自民・民主・共産の3党が提案した問 責決議案が、公明党が反対したため可決されなかったことは誠に残念です。
橋下氏は、人間の尊厳を否定する慰安婦容認発言は撤回し、元慰安婦の女性たちや沖縄のみなさんに謝罪すべきだし、公職を退くのが地方自治体の首長としてと るべき道だと考えます。区長は、地方自治体の長として、橋下大阪市長の慰安婦容認発言をどのように受け止め、橋下氏がどのような身の処し方をすべきとお考 えか、政治家としての見解をお聞かせ下さい。
橋下氏は自らの発言の根拠として、第一次安倍内閣時代の「政府が発見した資料の中には、軍や官憲によるいわゆる強制連行を示すような記述も見当たらなかっ た」との閣議決定をあげており、安倍首相の歴史認識も問われています。1993年に当時の自民党の政府が調査して発表した「河野談話」では、軍当局の要請 で設営され、設置、管理や慰安婦の移送に旧日本軍が直接、間接に関与した、慰安婦の募集は軍の要請を受けた業者があたったが、甘言、強圧等、本人の意思に 反して集められた事例が多く、官憲等が直接加担したこともあったと述べ、従軍慰安婦のみなさんにお詫びと反省を表明しました。安倍首相は最近も、過去の侵 略戦争の事実を認め謝罪した村山談話や河野談話を見直すと発言し、韓国・中国との関係を悪化させ、アメリカからも厳しく批判されました。橋下氏の発言につ いては「立場が異なる」と言うだけで、内容については一切批判していません。私は、1985年のドイツのワイツゼッカー大統領の「過去に目を閉ざす者は結 局のところ現在にも盲目となる。非人間的な行為を心に刻もうとしない者は、またそうした危険に陥りやすい」との演説を改めて思い起こします。ここで、中山 区長の日本の侵略戦争と従軍慰安婦についての歴史認識をお伺いします。
第2の質問は、昨年から新宿区内で展開されている反韓デモ・嫌韓デモについてです。
竹島や尖閣諸島問題を機にインターネットでのデモ参加の呼びかけで集まった集団が、韓国・朝鮮人に対して「ぶっ殺せ」などと脅迫し、聞くに堪えない人種差 別的言葉を叫ぶヘイトスピーチが社会問題となっています。「仲良くしようよ」のプラカードを持ったカウンターと言われる人たちがデモ隊と並行して歩き、新 大久保周辺は一触即発の騒然とした事態となっています。5月19日にはとうとう逮捕者が出ました。周辺の商店主から「商売をやってられない。なんとかして くれ」という悲鳴が私たちのところにも来ていますし、「子どもに見聞きさせたくない」「取り締まりはできないのか」と憂慮する声も届いています。このデモ は、区立大久保公園と柏木公園がデモの出発・解散地点となっており、区の方にも苦情や意見が多数寄せられていると思いますが、いかがですか。区はこの間、 この問題に対しどのように対処してきたのかお答え下さい。
人種差別を煽るヘイトスピーチ・ヘイトクライムの法律による規制をめぐっては、言論表現の自由との関連で賛否両論あることは承知していますが、少なくとも 現行法の範囲内で、デモの許可権限を有する東京都との協議は必要と考えます。また、区として多文化共生を掲げていますが、区長として声明を出す等、具体的 対応が必要と考えますがいかがですか。
第3の質問は、憲法をめぐる問題についてです。
自民党は昨年4月に国防軍の創設を含む「日本国憲法改正草案」をまとめ、安倍首相は憲法改正の手続きの要件を定めた「96条 からはじめる」と国会で答弁し、衆参各院の総議員の3分の2以上の賛成で国会が発議し、国民投票にかける規定を「過半数」に引き下げるとして、これを参院 選の争点にする意向を示しました。9条改憲には世論の反発が強いとみて、国民に比較的なじみのうすい96条から手をつけようとしていますが、これには改憲 派の学者・論客からも強い反対の声が上がり、小林節慶応大学教授は、「憲法の本質を無視した暴挙。近代国家の否定」と厳しく批判し、古賀誠元自民党幹事長 は、しんぶん赤旗日曜版に登場し96条改定反対の立場を表明し、憲法の平和主義は世界遺産に匹敵すると言いました。5月以降はどの世論調査でも96条改正に反対が50%を超え、賛成を大きく上回っています。
日本国憲法は、国家権力の行使を制限し、憲法に基づく政治をする「立憲主義」に立脚し、国民の人権を保障するため権力を縛るものとなっています。96条は、時々の権力者に都合の良い憲法改定を安易にできぬよう厳しい手続きを定めています。96条改正に対し、区長が立憲主義についてどのような認識を持ち、96条改定に対しどのような意見をお持ちなのかお聞かせ下さい。
そもそも安倍首相は、現行憲法の下では99条で憲法を尊重し擁護する義務を負っているはずです。にもかかわらず、改憲の内容や手順について国会で答弁する こと自体憲法違反にあたると考えます。区長は、憲法99条で定められた公務員の憲法遵守義務を厳格に守る姿勢をお持ちだと思いますが、この点はいかがです か。
自民党の改憲草案では、憲法9条2項の軍隊をもたないという規定を取り払い、国防軍の創設を盛り込みましたが、それだけではありません。天皇を国の元首に して国民主権を弱めることや、緊急事態条項で法に基づかないで国民の権利を制限したり、中身も不明確な公益や公の秩序の名のもとに基本的人権を制約できる 規定を盛り込んでおり、日本国憲法の3大原則である平和主義・国民主権・基本的人権尊重を制限するものとなっています。区長も私と同世代ですから戦後憲法 のもとで育ち、憲法には愛着をお持ちだと私は信じるものですが、憲法の3大原則に関してどのような認識・見解をお持ちでしょうか。以上、答弁願います。
(答弁)雨宮議員のご質問にお答えします。
歴史認識と政治姿勢についてのお尋ねです。
まず、橋下大阪市長の慰安婦容認発言に関してのお尋ねです。慰安婦容認発言は大きな人権侵害であり、女性の名誉と尊厳を否定する極めて残念な発言と思っています。また、市長であり政党の代表である政治家としての身の処し方は、自らの責任において自ら判断するべきものと考えます。
次に、日本の侵略戦争と従軍慰安婦についてのお尋ねです。私は、平和は私たちの暮らしの基本であり、かけがえのない大切なものであると思っています。こう したことから、過去の戦争行為や従軍慰安婦問題については、深い反省に立ちながら、同じ過ちを二度と繰り返してはならないという決意のもと、戦争の悲惨さ と平和の大切さを訴える平和啓発事業を通して、平和の理念と民主主義を押し広めていくことが大変重要であると考えています。
次に、昨年から新宿区内で展開されている反韓デモ・嫌韓デモについてのお尋ねです。このデモに対しては、差別的言動に反対する意見やデモに伴う事故を懸念される意見など、今年に入って7件 のご意見をいただいています。この問題は、国会でも取り上げられるなど様々なメディアを通じ報道されているところです。区ではこれまで、法務省や東京都の 人権担当部署に情報を伝えるとともに、新宿警察署には地域の方々へ危害が及ばないように厳重な警戒警備と違法行為が発生した場合の迅速な対処を要請して参 りました。地域団体にもその旨を伝え、何かあった場合には直ちに警察へ連絡するようお伝えしているところです。 区では、国籍や民族等の異なる人々が互い の文化的違いを認め、理解し合い、共に生きていく多文化共生のまちづくりを推進していますが、こうしたデモが新宿で行われることを大変残念に思っていま す。
今後も引き続き地域団体や関係機関と協議をしながら、連携して必要な対応を進めてまいります。
次 に、憲法改正等についてのお尋ねです。憲法の三大原則である基本的人権の尊重、国民主権、平和主義については、多くの国民に理解され、定着していることか ら、これを今後も維持すべきであると考えています。また、憲法を尊重し、擁護することは公務員としての義務であり、憲法改正についても憲法の規定に基づい て行われることは当然のことと考えています。96条を含む憲法の改正については、さまざまな議論があることは承知していますが、自治体の長といたしまして は、今後も国会での議論を注視してまいりたいと考えています。
2、「アベノミクス」の影響と新宿区の対策について
(質問) 次に、「アベノミクス」の影響と新宿区の対策について質問します。
5月23日に株価が前日比1143円安と暴落し、その後も乱高下を繰り返し、26日の朝日新聞は、「つい数日前まで安倍政権の経済政策『アベノミクス』 は、日本列島をちょっとしたバブル気分に浸らせていた。株大暴落は、そこに冷や水を浴びせた」と論評し、長期金利上昇について経済誌『エコノミスト』は 「『異次元緩和』は、早くもマーケットの逆襲に遭っている」と書きました。実体経済が回復しないのに、ヘッジファンドなどの海外の投機筋が株価をつり上 げ、暴落をもたらしたのに、安倍首相は、「日々の金融的な現象」「リスクを恐れず、果敢に行動」と開き直っています。
最初に、アベノミクスが区財政に及ぼす影響についてうかがいます。
この間長期金利が上がり、銀行各社は住宅ローン金利を引き上げました。長期金利が上昇すれば、銀行借り入れ利息が上がり、区財政を圧迫することが予想され ます。現時点での感想と今後の見通しをお答え下さい。また、株の取引利益に課税する株式等譲渡所得割交付金の歳入が予算を上回ることは考えられますか。そ れも見込み無しでは、地方自治体にとってアベノミクスは何の恩恵もないということです。夏のボーナスは一部大企業でプラスになるものの、給与は上がらず特 別区税の増収も見込めないとなればなおのことです。結局「アベノミクス」は、地方自治体にとって百害あって一利なしだと考えますが、区長の評価・認識をお 聞かせ下さい。
商店会連合会や飲食関係団体の総会では「株価は上がっているが、われわれ商店のところにはまだ来ない」と口々に語られます。まだ来ないどころか金融緩和で 急激に進む円安によって輸入製品が値上がりし大変な事態です。東京電力・東京ガスが値上げ、食用油、小麦、大豆も上がり関連するマヨネーズ・パンなども6 月7月から一気に値上げ、トイレットペーパーも値上げと報じられています。漁師はガソリン高騰で漁に出られず、中小企業は原材料が上がっても製品の価格に 転嫁することもできず、豆腐屋さんは採算が合わないと嘆いています。この先予定されている諸物価の高騰で、区民生活が脅かされることを区長はどのように認 識し、対応されるのでしょうか。
2008年に、世界的な原油・穀物高騰の影響で物価が上がった時、区長は5項目に渡る緊急対策を講じ、学校給食費の値上げを抑えるために牛乳を現物支給し たり、融資制度を拡充したり、社会福祉施設への支援も実施しました。今回の物価高騰についても同様の対策を講じるべきと考えますが、区長と教育委員会のご 所見を伺います。
(答弁)「アベノミクス」の影響と新宿区の対策についてのお尋ねです。
ま ず、長期金利の上昇傾向の感想と今後の見通しについてです。長期金利の上昇は、アベノミクスによる円安と株高の進行とともに、長期金利の指標となる国債利 回りの上昇によるものと考えられますが、世界的な長期金利の上昇局面や世界経済のリスク後退など、その解釈をめぐっては様々議論がなされており、現時点で は、先行きを見通すことも難しい状況です。長期金利については、区債の発行など区の資金調達コストや、区民生活にも影響を与えることから、今後とも、その 動向については、十分注視してまいります。
次に、株式等譲渡所得割交付金の見込みについてです。株式等譲渡所得割交付金は上場株式等の譲渡益に課税されることから、株価が値上がりするとともに、株取引が活況を呈することにより株式譲渡益が伸びれば、株式等譲渡所得割交付金が増額になることも考えられます。
次に、「アベノミクス」の評価と認識についてです。「アベノミクス」は「大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略」の三本の矢を基本方針として取り組まれているところです。5月 の月例経済報告では、輸出と生産の持ち直しや企業収益の改善などから、「景気は緩やかに持ち直している」として、景気の基調判断を上方修正するとともに、 政府は、日本経済を再生させるため、円高の是正や株価の上昇など改善の兆しを景気回復につなげるとしています。こうした政府の経済政策から、今後、実体の 経済が堅調に推移し、アベノミクス効果が雇用環境や個人所得などに波及するとともに、区税等の増収に反映されていくことが重要なことであると認識していま す。一方で、長期金利の上昇や株価の変動、円安による輸入価格の値上がり懸念などもあることから、アベノミクスの今後の進展を十分注視するとともに、区財 政や区民生活に与える影響の把握に努めてまいります。
次に、諸物価の高騰で区民生活が脅かされることの認識と対応についてのお尋ねです。総務省が5月31日に発表した東京都区部の消費者物価指数5月分(中旬速報値)では、総合指数が前月比で0.1%の上昇、生鮮食品を除く総合指数が前月比0.2% の上昇となっていますが、先ほども申し上げましたように、5月の月例経済報告では「景気は、緩やかに持ち直している」とし、次第に景気回復へ向かうことが 期待される基調判断となっています。これらの状況は、政府の財政政策、金融政策を背景にした一連の動きであると考えられます。ご指摘の、平成20年度に区 が実施した原油等価格高騰緊急対策については、中国やインド等の新興国の需要増加や、産油国における政情不安、さらに投機的な動きなどが背景となった原油 高騰とそれに伴う価格高騰に対して実施したものであり、現在の状況とは大きく異なります。今後は、新しい成長戦略を加えた政府の経済政策も行われることか ら、現時点において平成20年度と同様の対策を講じる考えはありません。
教育委員会へのご質問にお答えします。
学 校給食費の値上げを抑えるための牛乳の現物支給についてのお尋ねです。教育委員会は、平成20年度に原油高騰とそれに伴う給食食材の価格高騰という状況を 踏まえ、牛乳を現物支給することにより、給食費の値上がりを抑える緊急対策を実施しました。総務省が先月31日に発表した東京都区部の消費者物価指数5月 分(中旬速報値)では、総合指数が前月比で0.1%の上昇、生鮮食品を除く総合指数が前月比0.2% の上昇となっています。学校給食食材の主要品目である米や麺などは主に公益財団法人東京都学校給食会から購入しているため、市況より価格が安定していま す。また、牛乳については、年度ごとに東京都教育委員会が価格を決定するため、基本的には年度中の値上げはありません。こうした状況から、現時点において 緊急対策として牛乳の現物支給を実施する考えはありません。
3、待機児童解消と保育の質の確保について
(質問)次に、待機児童解消と保育の質の確保についてです。
質問の第一は、待機児童解消の緊急対策についてです。
2013年度4月1日新宿区の待機児童は新定義で176人、旧定義で333人となりました。これは中山区政発足後最多のワースト記録です。この深刻な事態 を受け、区は箪笥・榎地域を中心に1~5歳児対象で定員60人以上の認可保育園4所、1歳9人、2歳10人、計19人定員の区立保育ルームを3所、民間の 賃貸物件を活用し2014年4月までに開設させるための緊急対策を打ち出しました。私ども日本共産党区議団は、この間繰り返し待機児童解消のために「認可 保育園の増設を」と訴えてきた立場から4所増設に踏み切ったことは大いに評価します。しかし、これで万全とは言えません。
現在応募があった学校法人による120人規模の園を含め私立認可保育園4所増設で定員300人以上の増となり、これまでの計画と併せ2014年4月まで に、認可保育園の受け入れ定数は少なくとも427人増える見込みです。0~3歳の具体的な受入れ枠の拡大数は、0歳6人、1歳71人、2歳83人、3歳 90人程度となりますが、5月15日現在の認可保育園への申込者数は0歳138人、1歳192人、2歳140人、3歳79人で、待機児童解消の見込みがあ るとは思えません。また、今回の緊急対策では保育ルームを含め、0歳児の受け入れ枠はありません。都のスマート保育の補助を活用しますが、これには1、2 歳児のみという制限はありません。4月10日の福祉健康委員会で区は、0歳児枠を設けない理由を、4月の待機児童の半分が1歳児であることや0歳児から入 園しないと復職できないという不安を解消するには1歳児からの保育園が必要と判断した、などと答弁しています。しかし、すべての保護者が育児休暇を1年以 上取得できるわけではありませんし、産休明けで働かなければ生活できない家庭もあります。1歳児枠が拡大すれば、0歳児で入園の必要はないという人がどの くらいいるのか把握したのですか。0歳児の待機児童をどこでどのように解消するのか、明確にお答えください。
各自治体でも、認可保育園の増設に必死です。北区は2010年の4月に新定義の待機児童数が100人を超えた時点で認可保育園を増やす政策に転換し、廃校 になって空いている場所や学校の余裕教室を使った0~2歳の低年齢児の認可保育園整備を行い、結果2012年度は23区中2番目に低い33人という待機児 童数になりましたが、今年度また、125人と増加したため第2回定例会に本区と同規模の補正予算を組み、認可保育園の拡大をしています。このように増設し ても待機児童が増える傾向は新宿区も同じだと思います。「子ども・子育て支援」関連三法に基づくニーズ調査待ちにするのではなく、将来のニーズも見込んだ 認可保育園の増設計画を作るべきと考えますが、いかがでしょうか。
その際、今回の賃貸方式だけではなく、東京都は地元自治体から都有地の活用で要望があれば検討すると都議会で答弁していますから、児童相談センターの跡地 など都有地についても整備を検討するべきではないでしょうか。また区内に点在する国有地についても定期借地での活用など計画を立てるべきではないでしょう か、お答えください。
また、条件のある認証保育所の認可化についての具体化はどこまで進んでいますか。無資格者の保育士資格の取得を支援することや人件費補助など必要な対策を どのようにしていくのか具体的にお示しください。合わせて、認証保育所の保護者への保育料補助を3カ月後の後払いにしましたが、「やり繰りが大変」との声 寄せられています。月ごとに補助が出来るようシステム改修を行い保護者の要望にこたえるべきです。お答え下さい。
質問の第2は、今定例会に議案として出されている戸山第三保育園の廃止についてです。
中山区政最多の待機児童を抱え、区施設での整備も限界だと民間賃貸物件で認可保育園を作ろうとしている時になぜ、100人規模の約900㎡の園庭もある豊 かな保育環境の戸山第三保育園の廃止を急ぐのでしょうか。若松地域にある認可保育園を希望する旧定義の待機児童数は、5月1日現在で、0歳児12人、1歳 児17人、2歳児11人など計50人もいます。今回、緊急対策の対象になった箪笥や榎地域と同じくらい待機児童がいる若松地域の現状を見るならば、区民か ら「なぜ待機児がいっぱいいるのに廃園にするの?」と疑問や怒りの声が出されるのは当然です。戸山第三保育園は、定数規模を縮小してでも待機児童が解消す るまで存続すべきです。お答えください。
質問の第3は、保育の質の確保についてです。
第1に、株式会社の参入についてです。今回、区は認可保育園の設置者に初めて株式会社の参入を認めました。現在公募している事業者のうち第1号は学校法人ですが、他は株式会社になる可能性があります。
株式会社立の認可保育園を142園設置している横浜市では、様々な問題が起きています。E株式会社は2つの認可保育園を年度途中で廃止にしたため、他の株 式会社に資産譲渡されそこが新たな認可を受けて運営しています。保育園運営費から親会社への貸付金や限度額を超えた弾力運用が行われていたのです。J株式 会社の保育園では、施設長を含む常勤職員全員が退職または異動で入れ替わり、保護者や子どもに多きな不安を与えています。横浜市が「指導監査」しても事後 の対応では限界があることが明らかになりました。株式会社の目的は、利益を出して株主配当をすることですが、保育園で利益をあげようとしたら削られるのは 人件費です。「独立行政法人福祉医療機構」が行った2009年の調査では保育園の人件費率平均は71.9%ですが、日本共産党横浜市議団の調査では市内のある株式会社立の保育園での保育士の年収は平均200万円弱、人件費率は約40% と、人件費の水準がいかに低いのかが明らかになりました。公金である運営補助金が株主配当や他の事業に使われ、引いては子どもにしわ寄せがあってはなりま せん。そうしたことをチェックする仕組みを作るとともに、日常的な監査体制を強化することが必要と考えますがいかがでしょうか。世田谷の保坂区長は株式会 社の参入について、5月27日厚生労働省と意見交換し株式会社の場合の倒産などによる閉園のリスクについての考えを聞き、「従来なかった立入検査や帳簿書 類を提出させるなど、自治体の権能が強化されているということで、十分にチェックしてください」と厚労省は答えています。現時点で世田谷区は、株式会社の 参入には踏み切っていませんが、新宿区は株式会社の参入を認めるのなら厚労省が言う自治体としてのチェックについて基本方針を持って対応すべきではないで しょうか、お答えください。
第2に、保育の質の確保を担保する体制についてです。この間区は、私立認可保育園や私立子ども園については、中立・公正な第三者の立場から助言を行う弁護 士、学識経験者等による「第三者委員」の設置を義務付け、事業者の質の維持・向上のため、補助金、研修、人材育成の面で区が支援するほか、指導検査基準に 基づき、指導、監督し、保育の質を担保するとしています。しかし、例えば、どのように苦情を申し立てをすればよいのか、各保育園の第三者委員は誰なのかな ど十分に保護者に周知されているとは言えません。また、労働者が常時50人以上いる園では労働安全衛生法に基づいて衛生管理士及び産業医の選任や労使で構 成する衛生委員会を設置し月1回以上開催するなど、労働者の健康管理が課せられていますが、その体制も徹底していません。区は保育の質を担保するため、都 の指導検査基準も踏まえた指導基準を持ち、対策を強化すべきではないでしょうか。
以上、答弁願います。
(答弁)待機児童解消と保育の質の確保についてのお尋ねです。
はじめに、待機児童解消の緊急対策についてです。子どもの出生数の増加や子育て世帯の転入などにより、保育園・子ども園への本年4月入園の申込みは昨年の2割増となり、4月1日時点の待機児童数は176名 と昨年の倍近い数字となっています。この状況を受け、区は直ちに「待機児童解消緊急対策部会」と「次世代育成支援推進本部会議」を開催し、ニーズ調査の結 果を待つことなく緊急対策に着手いたしました。なお、認可保育園への申込者数には、転園希望、他区民、保育に欠ける要件のない方もすべて含んでいますの で、その人数がそのまま待機児童数になるわけではありません。例えば、4月の申込者数は5月とほぼ同じ585人でしたが、その申込者数に対する5月1日時点での待機児童数は180人となっています。年齢別の内訳としては1歳が82人と突出して多く、次いで2歳の45人、0歳の29人となっています。1歳児枠にも着目した今回の緊急対策は、待機児童の解消に大きく寄与するものであると考えています。0歳で入らないと入園が難しいと考えて育児休業を切り上げた保護者がどれくらいいるかについては、平成22年度の東京都社会福祉協議会のアンケート調査で48.6%、23年度に北区が実施した調査で48.4%となっています。新宿区では、来月実施するニーズ調査に項目を設け新宿区内における実態を的確に把握します。0歳と1歳以上のそれぞれについて、保護者の状況を踏まえた適正な定員設定を行うことにより、保護者が安心して子育てと仕事を両立できる環境を整えてまいります。
次 に、認可保育園の増設計画及び都有地や国有地の活用に対するお尋ねです。今回の緊急対策は、待機児童の急増、特に箪笥町地域の切迫した状況に対応するため に実施しました。保育・教育施設の整備については、今後も地域の保育ニーズを的確に把握し、機敏に対応していくことが肝要と考えます。必要な場所に必要な サービスを的確かつ効率的に提供していくなかで、適地として都有地または国有地があれば検討してまいります。
次に、認証保育所についてのお尋ねです。まず、認証保育所の認可化については、安倍総理が4月に発表した「待機児童対策加速化プラン」の柱の一つとして、今般国から具体的な支援メニューが示され、さらに東京都の6月 補正予算で所要経費が計上されたところです。区は現在、区内の認証保育所の運営事業者に対し個別にヒアリングし、利用者実態や認可化の意向の把握に努めて います。また、保育士資格の取得支援や人件費補助などについて、都の補助要綱が示され次第、区も補正予算を編成し速やかな支援を行っていきます。
次 に、認証保育所の保育料助成金の支払い事務についてのお尋ねです。保育料助成金については、区が所得等の審査をする必要があります。認可保育所と異なり認 証保育所の利用実態は月ごとの変動が大きく、システム化になじまないため、できうるかぎりの適正な助成方法として、現在の方法をとらせていただいていま す。現在、子ども・子育て支援新制度に向けたシステム設計の検討に入っていますが、認証保育所利用者の助成金支給事務のあり方についても合わせて検討して まいります。
次に、戸山第三保育園の(仮称)国立国際医療研究センター内保育園への移行についてです。今回の待機児童解消緊急対策を決定するにあたって、区は区内全域の待機児童の状況を分析しました。 現在、新宿区の就学前児童に対する保育施設の定員数は約41%ですが、ご質問にある若松地域は65%を超え、突出して高い整備率となっています。戸山第三保育園が国立国際医療研究センター内に移行する際には、定員を拡充するほか、一時保育や病児・病後児保育も開始します。また、来年4月には(仮称)東戸山子ども園を開設し、保育を必要とする子ども110名 分の入園枠を新たに生み出します。したがって、待機児童解消はもちろんのこと、若松地域の保育環境は一段と充実したものになると考えます。今後は、今回緊 急整備対象地域とした箪笥町地域など保育施設が不足している地域で必要な定員分をしっかり整備することにより、それぞれの地域でより身近な園に通園できる 環境が整えられるよう、力を注いでいきます。
次 に、株式会社の参入についてです。まず、会計処理のチェックと日常的な監査体制についてです。保育所の主な財源である運営費は、公的資金であるため、保育 所を運営する設置主体を問わず、その運営について透明性が求められることは当然です。そのため、株式会社であっても社会福祉法人と同等の会計基準が求めら れているほか、株の配当についても運営補助の縛りにより実質的に制限されています。区の保育・教育施設として、最も大切なことは、運営事業者の法人種別で はなく、多様な保育ニーズにいかに誠実に応えられるか、保護者が安心して子どもを託すことができる環境を安定して提供できるか、であると考えます。ご質問 にある横浜市の保育園の問題に関しては、どのような設置主体であっても起こりうるリスクです。そのため新宿区では、現在も区内の私立認可保育園、認証保育 所全園に対して日常的な運営指導に入っています。指導権限を持つ東京都の指導検査基準に則った立ち入り検査はもちろん、運営費用の支弁者として会計書類の 提示なども求めています。こうした取り組みは今後も継続して行っていきます。
次に株式会社参入に係る基本方針を持つべきとのご質問についてです。現在、東京23区のうち19区で株式会社による認可保育所が整備されています。このたび、5月15日付けで厚生労働省からの通知があり、子ども・子育て関連3法 の施行後を見据え、設置主体を問わず、積極的かつ公平・公正な認可制度の運用を行うよう要請があったことから、保育サービスの担い手としての株式会社の役 割はますます大きくなるものと考えます。したがって、事業公募の段階で公募条件を詳細に定めること、運営補助の支出にあたって厳密な基準を持つことにより 区としてチェックしてまいります。
次 に、保育の質を担保するため区としての指導基準を持ち対策を強化することについてのお尋ねです。 保育所の運営について、区は児童福祉法に定められた保育 の実施者として、また運営費用の支弁者として大きな責任を担っています。区の裁量では法に基づく都の指導検査基準を逸脱する指導はできませんが、これまで も第三者委員の周知方法等保護者の目線にあわせた指導をしてきています。ご指摘の労働者の健康管理等につきましても、社会福祉法人本体の監査部門等と連携 し、よりよい保育環境の整備のために指導を徹底してまいります。
4、国民健康保険について
(質問)次に、国民健康保険について伺います。
第1に、資格証明書の交付についてです。
新宿区は国民健康保険料を40万円以上滞納している世帯に対し資格証明書を交付してきましたが、昨年9月から滞納額にかかわらず1年以上の滞納期間があ り、かつ6ヶ月以上支払実績がない世帯に対し資格証明書を交付することに要件変更しました。その結果、昨年8月末に586世帯だった交付数が9月末には 3052世帯と5倍以上になりました。私たちは、窓口負担が10割になり医療から遠ざけられるため、基本的に資格証明書は交付すべきでないと言ってきまし たが、区長は「あくまでも交付をきっかけに納付相談の機会を持つことで収納率があがる」と答弁しました。3052世帯に交付したうち今年4月末現在約 65%にあたる1982世帯がいまだ資格証明書のままです。これまでに納付相談を実施した世帯が何件で、相談しても資格証明書のままの世帯は何件でしょう か。分納しているにもかかわらず国保証が発行されていない世帯があると聞きましたが、それは区が定めた6ヶ月以上未納という資格証明書交付要件に該当せ ず、公正を欠く取り扱いだと考えますが、これに該当する世帯数と根拠理由をお示しください。
一方、納付相談に来ない方については、何が原因なのか実態をつかんで対応しないと解決の道筋が見えず、いたずらに資格証明書交付件数が増えていくだけで す。もとよりそれが目的ではないはずですから、このようなケースは文書督促だけでなく一定数訪問調査をするなどして原因をつかみ対応策を検討していくこと が必要と考えますが、いかがですか。また、相談の機会をもつことで収納率が上がると区長は答弁していますが、半年以上経過して収納率はどの程度あがったの かお答え下さい。もし、納付相談もあまり進まず、収納率も上がっていないのであれば、資格証明書の交付要件変更の意義は失われており、元に戻すべきだと考 えますが、区長の明確な答弁を求めます。
第2に、差し押さえについてです。
昨年1月に厚生労働省が発表した国民健康保険の2012年度の財政状況によると、保険料の滞納のために差し押さえを受けた世帯は21万2千世帯、799億 円に上っています。厚労省は2005年に「収納対策緊急プラン」を区市町村に示し「収納対策の強化」を迫っており、それ以降各地で強引な差し押さえが行わ れています。「滞納分を分納していたにもかかわらず振り込まれた年金を全額差し押さえ」群馬県前橋市、「口座に振り込まれた給与、手当、生活給付金など予 告なく100件差し押さえ」大分県宇佐市、大阪市では2010年に「国保介護収納対策チーム」がつくられ、財産調査や差し押さえ目標を従来の2倍に設定、 分納していたにも関わらず生命保険を解約換金されたりする事例も起こりました。新宿区でも国保料の差し押さえ件数と金額は、飛躍的に増えています。
保険料を滞納すると、職員には地方税法726条や同728条1項1号の定めに従って滞納者の財産差し押さえ義務が生じますが、差し押さえ手続きに入る前に 本人と十分な納付相談おこなうことが当然の前提だと思います。また、徴収法基本通達47-17では差し押さえする財産は「滞納者の生活の維持または事業の 継続に与える支障が少ない財産であること」を求めています。これは、仮に滞納者が差し押さえされてもやむを得ない状態であっても、いきなり事業や生活の継 続を窮地に陥れるような差しをさえは論外で、滞納者の置かれている実情等を調査・聴取したうえで慎重を期して行うことを意味しています。そして地方税法 15条の7では、「滞納処分をすることによつてその生活を著しく窮迫させるおそれがあるとき」は区長が滞納処分を停止できると規定しており、生活保護受給 に至った者だけでなく滞納処分により生活保護法の適用を受けなければ生活を維持できない程度の状態になるおそれのある場合は執行停止ができることになって います。立川市は、わが党議員の質問で調査した結果、このような事例について200世帯以上執行停止をかけたそうです。新宿区も生保基準以下になる場合等 は執行停止しているのでしょうか。区として執行停止の要件を定めたものがあればお示しいただくとともに、違反するケースがないか調査する必要があると考え ますが、いかがですか。以上、答弁願います。
(答弁)国民健康保険についてのお尋ねです。
まず、資格証明書の交付については、収納率の向上と負担の公平性を図る等の観点から、昨年度から対象世帯を変更し取り組みを進めているところです。その結果、社会保険に加入し資格喪失の届出をいただいたケースなどを含み、相談等に結びついた件数は約1,000世帯です。納付に結びついたケースもあれば、収入未申告だった方が申告された結果、均等割の減額につながった事例などがあり、およそ440世 帯の方を一般証や短期証に切り替えることができました。資格証の交付をきっかけとした相談とその他の相談とを区別していないため、正確な件数は把握できま せんが、相談に結びつけば、ほとんどのケースは分納や無収入の申告により、一般証や短期証に切り替えられたと手応えを感じています。資格証を一般証や短期 証へ切り替える手続きについては、国民健康保険法第9条第7項 の規定など法令等に基づき適切に対応しています。分納されたとしても、少額分納などの場合には、法で規定している「滞納額の著しい減少」という要件を満た さないため、一般証や短期証に切り替えることはできません。また、納付相談にお見えにならない方の実態把握については、課題の一つと考えており、今後どの ような方法が効率的・効果的なのか検討してまいります。なお、収納率については、前年同月比で若干上回っています。
次に差し押さえについてのお尋ねです。滞納処分については、滞納者の方々の生活状況に配慮し、慎重に行っているところです。ご相談を受け、収入及び財産調 査をした結果、生活保護基準以下になると判定される場合は、執行停止の処分を行うなど適切な対応に努めています。執行停止の要件については、法令に基づき 取り扱っているため、新宿区独自の要件は設けていません。資格証明書の交付と差押えについては、滞納者の方々の日常生活に大きな影響を及ぼす場合がある一 方で、被保険者間の負担の公平性を確保する点からも重要な取り組みです。したがって滞納者の方々の生活実態に配慮し、より丁寧に取り組みながらも、国民健 康保険制度の安定的、継続的な運営を確保するために必要な施策として進めてまいります。
5、国民年金保険料について
(質問)次に、国民年金保険料について質問します。
一昨年8月、「国民年金及び企業年金等による高齢期における所得の確保を支援するための国民年金法等の一部を改正する法律」いわゆる年金確保支援法が公布 されました。未納国民年金保険料は過去2年分まで遡及して支払い可能だったのが、この法律により過去10年分まで遡って納められるようになりました。昨年 10月から3年間の時限つきで、納付期間が25年に満たず無年金となっている人を救済することと、将来の年金額を増やすための措置です。制度周知の主体が 日本年金機構であることは言うまでもありませんが、この制度を活用して年金受給権が発生すれば生活保護を受けず自立した生活が営めるケースもあるでしょう し、区も積極的に周知につとめるべきです。昨年8月25日号の広報新宿で2段組で掲載したことは承知していますが、区役所の高齢者が行きそうな窓口や、特 別出張所など区民が多く出入りする場所に説明文書を掲示する等して、さらに周知に努めるべきと考えますがいかがですか。
一方、過去10年分遡れるとはいえ保険料を一括納付しなければならず、それを工面できずに制度を利用できない方が少なくありません。千代田区は、今年4月 から、手持ち金がなく制度を利用できない区民を支援するために貸し付けを行っています。既存の応急資金貸付制度の一般資金のうち「区長が特に必要と認めた 場合」で対応し、限度額33万円、3ヶ月据え置きで33ヶ月以内に返還、としています。新宿区としても、千代田区の例も参考にし、国民年金保険料の遡及期 間延長制度活用のために貸し付け等の検討をしてはいかがでしょうか。以上、答弁願います。
(答弁)国民年金保険料の後納制度の周知についてのお尋ねです。
いわゆる「年金確保支援法」による国民年金保険料の後納制度は、無年金となる方々を救済するほか将来の年金額を増やすための制度です。すでに広報新宿や担 当課の窓口、特別出張所でポスター、チラシによりお知らせしていますが、今後、高齢者施設など配布先を拡充し、周知してまいります。
次に、国民年金保険料の後納制度活用のための貸し付け等についてのお尋ねです。貸し付け等につきましては、千代田区など他自治体の状況を注視しつつ、今後の検討課題とさせていただきます。
6、公契約条例の制定と高齢者の就業を確保する制度の実施について
(質問)次に、公契約条例の制定と高齢者の就業を確保する制度の実施について質問します。
新宿区は、2010年7月1日に「新宿区調達のあり方について(指針)」を施行し、ほぼ3年が経過しています。当時、2010年4月に野田市公契約条例が施行されていました。新宿区は条例ではなないものの「指針」の適用範囲を契約予定価格2000万円以上の工事請負契約と委託契約にしたことは、野田市やその後公契約条例を定めた自治体と比べても積極的な対応で各方面から評価されています。更に2009年7月1日に施行された「公共サービス基本法」第11条公共サービスの実施に従事する者の労働環境の整備の趣旨に基づき「労働環境チェックシート」を活用して労働環境の確認も行なわれ実効性を担保しています。また、最低賃金水準額も昨年9月発注分より都の時給850円への改定にさきがけて区は時給900円に改定しました。以下、質問です。
第1に、新宿区の「指針」を定め、公契約における労働水準の確保に努めてきたことについて、どのような成果をあげ、どう評価されているとお考えか、区長の御所見を伺います。
第2に、適用対象は区が直接契約する対象に限られています。例えば指定管理者が新たに業務委託する事業者に対しては適用対象外になっています。広く区が関与する契約という点では指定管理者などが業務委託する事業者についても対象にすべきと考えますが、いかがでしょうか。
第3に、新宿区の「指針」について、多くの自治体が参考にする中で自治体における契約事務の透明性、品質の確保、労働環境の改善の取り組みが広がっていま す。もし新宿区が公契約条例を策定すれば多くの自治体を励まします。さらに新宿区が先進的な役割を発揮し、全国の自治体の取り組みを牽引するためにも公契 約条例を策定すべきと考えすが、いかがでしょうか。
次に高年齢者の就業を確保する制度の実施についてお伺いします。
国の「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」では第5条で国及び地方公共団体の責務を定め第40条では国及び地方公共団体の講ずる措置を定めています。この第40条に基づいた具体的な施策の1つがシルバー人材センターに対する補助事業です。この法に基づき2011年12月26日に地方自治法施行令第167条 の2第1項第3号を適用し随意契約をすることができる相手方として、「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」第41条第1項に規定するシルバー人材セン ター連合若しくは同条第2項に規定するシルバー人材センター若しくはこれらに準ずる者として総務省令で定めるところにより普通公共団体の長の認定を受けた 者が新たに追加されました。すでに広島県や宮城県、高知市などではシルバー人材センター以外の団体にも、その団体が高年齢者の希望に応じた就業の機会を確 保し組織的に提供している場合、役務業務発注における高年齢者就業機会提供団体として認定し、高年齢者の希望に応じた就業機会の確保を図るとしています。 具体的には高年齢者の臨時的かつ短期的な就業または簡易な業務にかかる就業が想定されるような役務業務について、随意契約の方法により発注できるものとし ています。高齢化が進むなかで広く高齢者に就業の機会を提供することは、生活を助け、生きがいを持ち、健康の増進にも求められているのではないでしょう か。そこでお伺いします。
第1に、この改正を受け新宿区ではどのような検討がされているのでしょうか。改正の趣旨に則りできる限り早い時期に団体の認定等を具体的に実施すべきと考えますが、いかがでしょうか。
第2に、地方自治法施行令第167条の2第1項第2号では随意契約の制度があり、こうした制度も活用して、シルバー人材センターを含め高齢者の就業確保の観点から、区として支援していくことを検討すべきと思いますがいかがでしょうか。
以上、答弁願います。
(答弁)公契約条例の制定と高齢者の就業を確保する制度についてのお尋ねです。
最初に調達のあり方の指針による成果等についてです。
新 宿区では、平成22年4月に指針を定め、公共サービス基本法の趣旨を踏まえて、公共サービスの質を確保することを目的として、同年7月に労働環境をチェッ クする制度を導入しました。この労働環境チェックシートに基づき、最低賃金、就業規則等の整備状況、健康診断の実施、保険の加入などの関係法令の遵守状況 を幅広くチェックして、適正な労働環境が確保されるよう指導しています。制度導入当初は、労働環境チェックシートにより、事業者に対して、改善指導した事 例もありますが、現在は一定の普及効果があるため、改善指導の件数や労働環境に関連する問い合わせも減っています。したがって、こうした労働環境の確保に 向けた区の取り組みについては多くの事業者に理解されてきているものと考えています。また、他の自治体からの視察や事業者等との意見交換会でも、好意的な 意見が多く、新宿区の取り組みに対する評価は高いものと認識しています。
次 に、指定管理者などが新たに業務委託する事業者についても「指針」の対象範囲にすべきとのお尋ねです。ご指摘のとおり、指定管理者などが業務委託する事業 者については、区が発注する契約には該当しないため、「指針」の適用対象外となります。一方、区が指定管理者と締結する「基本協定」においては、適正な労 働環境の確保や、再委託する場合の区との事前協議を定めており、本年度からは、これに基づき区の最低賃金水準の遵守を一律に指定管理者に義務付けるととも に、その再委託先に対しても遵守を求めています。また、区の外郭団体についても同様の取扱いとしています。このようにして、指定管理者などが業務委託する 事業者についても、「指針」が求める労働環境確保の実効性を担保しているところです。
次 に、公契約条例の制定についての、お尋ねです。他自治体の「公契約条例」では、適用対象を例えば1億円以上の工事のみに絞ったり、特に賃金に重点を置いた りしたものが多い状況にあると認識しています。新宿区では、予定価格が2,000万円以上の工事請負契約や委託契約を対象にしていること、賃金だけでな く、労働関係法令の遵守なども確認しており、公契約条例を制定している自治体以上の取り組みをしているところです。また、他自治体からの行政視察などにお いて、新宿区の要綱に基づく制度の運用を参考にしたいとの評価も多数得ています。したがって、現時点では条例を制定する考えはなく、今の取り組みの中で実 効性を高める工夫をしていきたいと考えています。
次 に、高年齢者の就業を確保する制度についての、お尋ねです。新宿区では契約事務規則を改正し、平成22年7月から、シルバー人材センター等と地方自治法施 行令による随意契約ができることとし、平成24年度の実績では、公園の清掃等の委託業務を延べ32件、随意契約をしています。一方、平成23年12月の地 方自治法施行令の改正では、新たにシルバー人材センター等に準ずる者として地方公共団体の長が認定した者と随意契約ができることになりました。区は現在こ の改正に対応するための課題整理に向けて、23区を含めて他の自治体の取り組み状況について情報を収集しているところです。
次 に、認定等の具体的な実施についてです。基準の設定や団体の認定には、対象となる団体の設立目的や構成員の実態を踏まえ、シルバー人材センター等との類似 点等を検証する必要があります。さらに各団体の業務履行能力に相応しい業務を選定するとともに、限られた契約件数の中で、各認定団体間の公平性も確保しな ければなりません。今後も、公平性や実効性を担保するために、他自治体における認定基準や具体的な契約状況等を含めて十分に情報収集を行いながら研究、検 討したうえで対応していきます。
シ ルバー人材センターを含めた高齢者の就業確保の観点からの区の支援についてのお尋ねです。シルバー人材センターについては、これまで、会員高齢者の就業機 会拡大のため、政策目的随意契約を活用してシルバー人材センターへ事務事業を積極的に発注し、シルバー人材センター事業にふさわしい受注機会が確保される よう、全庁各課に依頼してきたところです。今後も、発注可能な事務事業を全庁的に掘り起こすとともに、関係部課が連携し、高齢者の就業機会の拡大を図って いきます。なお、地方自治法施行令による随意契約の活用については、個々の案件に対し金額の妥当性や品質の確保等を含めて適切に判断した上で、高齢者の就 業を確保する観点にたって、シルバー人材センター等からも積極的に見積書を徴収するよう努めてまいります。
7、震災対策の強化と災害時の通信の確保について
(質問)次に、震災対策の強化と災害時の通信の確保について質問します。
私たち区議団は大山とも子都議会議員事務所と共同で、一級建築士など専門家の協力のもと、区内8地域で防災ウオッチングを行い、区民のみなさんにも参加し ていただきました。さらに、子育て中のお父さんお母さんから災害に関する要望を聞く会や、防災問題のつどいも開催し、幅広いみなさんのご意見を伺ってきま した。また、災害時の通信の確保については、NTT東日本や東京都に申し入れを行ってきました。
最初に、震災対策の強化について質問します。
第1は、塀の震災対策です。私たちが行った防災ウオッチングでは、主に避難をする時に道路の安全性が保たれるかなどに注目をして街を歩きましたが、阪神淡 路大震災や東日本大震災でも倒壊したブロックや大谷石の塀、万年塀があちこちに見受けられました。この間区は、住宅の倒壊防止についてモデル地域で調査を 実施し個別に耐震改修の勧奨をしたり、崖・擁壁については区内全域で悉皆調査を行い、診断結果のお知らせと同時に助成制度を周知するなど個別の案内を行う など建物の耐震化に努力をしてきました。塀の対策については、過去に1988年から1991年にかけて高さ1.2メートル以上の塀について区内全域約 15000件の悉皆査が行われ、危険度大中小の診断を行い、所有者に対しその都啓発を行ってきました。その当時の調査結果からある一定の地域について集約 したデータでは、エリア内にブロック塀52件、万年塀4件、石塀7件その他10件の計73件の塀があり、そのうち判定別に危険度大が21.9%、危険度中 が34.2%、危険度小が43.8%でした。判定結果を受けて補強などの改善がされた塀もありますが、それ自体が経年劣化している可能性もあります。阪神 淡路大震災や東日本大震災の際も塀の倒壊による被害が指摘されながら、新宿区では大規模な対策は取られないまま、当時の調査から四半世紀近くが経過してい るのです。現時点に立って改めて塀の悉皆調査を行い、崖・擁壁で行ったような、診断結果のお知らせと同時に塀の除去費用の助成制度や生け垣助成制度の周知 も含めて、特に危険度の高いと診断された塀の所有者に働きかけるべきと考えますがいかがでしょうか。
第2は、自動販売機の対策です。人通りの多い道路に面して自動販売機が設置されている所がたくさんありますが、地盤面に固定されていないため大地震が来れ ば道路側に倒れることが予想される危険な状態のものがありました。地震などによる自販機の転倒防止対策としては、JIS規格『自動販売機の据付基準』で据 付方法、耐震性、据付面などが規定され、JIS規格を補完する業界自主基準『自動販売機の屋内据付基準』が制定されています。さらに、アスファルトなど JIS規格で規定されていない設置面でJIS同等以上の安全性が確保できる据付方法についても『自動販売機据付規準』という業界団体の自主基準がありま す。区としては、自動販売機が道路にはみ出さないよう点検・指導をしていますが、震災対策については事業者任せとなっているのが現状です。区として総点検 を行い、地盤や壁に固定するなど震災対策が取られていない自動販売機については設置者に具体的に働きかけ早急に改善すべきと考えますがいかがでしょうか。
第3は、住居表示未実施地域の対策です。住居表示未実施地域では住居表示板や街区案内図が設置がなく、危機管理課が設置している避難所の標識なども含めて 1ヵ所もない例えば弁天町のような町があり避難するにも自分が今どこにいるのか分からないという現状です。住居表示未実施地域にも案内板や地図を設置すべ きと考えますがいかがでしょうか。
次に、災害時の通信の確保についての質問です。
3.11の経験からも、災害時に通信を確保することの重要性が再認識されました。帰宅困難者となった人たちが歩いて家に帰ったのも、交通網がストップしたことに加えて通信手段がなく家族が心配だったからで、子育て中の保護者が3.11で一番不安だったのは家族の安否確認をしたくても連絡がつかなかったことだという声を聞きました。東京都は昨年4月に帰宅困難者対策条例を施行し、安否確認及び情報提供について規定を設け、一時滞在施設や帰宅支援ステーションの指定を行うなどしています。
一方、通信事業者の果たす役割は重要です。災害時に連絡を取り合う手段として、災害時伝言ダイヤル等の活用の他、災害時にも通話制限なく使える第1種・第2種の公衆電話と特設公衆電話、災害時優先電話に指定された電話をいかに確保し周知するかが大事です。
第1は、公衆電話についてです。第1種公衆電話は、電気通信事業法施行規則第14条第2号で市街地においてはおおむね500メートル四方に1台の基準で設置することが義務付けられており、屋外に設置されています。第2種公衆電話はそれ以外の主に屋内に設置されている公衆電話です。公衆電話はこの10年間で約64%も削減され、第1種は総務省の方針で現状維持されますが、第2種については利用度が低く赤字になるものについてはNTT東日本が撤去する方針で、今年度さらに東日本管内で7000台 削減の方針と聞きました。携帯を持たない人や電池切れなどを経験した人からは「公衆電話が無くなって不便だ」という声があり、災害時は特に必要です。公衆 電話の増設をNTTに求め、区施設でも撤去されてきた第2種公衆電話を、必要なら区がランニングコストを負担することも含めて検討し、設置を確保すること が必要と考えますがいかがでしょうか。
第2は、特設公衆電話についてです。特設公衆電話は、事前に配置し災害時はジャックをつなぐだけで公衆電話になるというもので、区の避難所となる区立学校 等には設置済み、一時滞在施設に指定された都の施設も今年度中に設置予定とされていますが、特設公衆電話の存在自体が避難所を管理運営する人たちも含めて 区民にあまり知られていません。避難所などに設置されている特設公衆電話について区民に周知するとともに、避難所の防災訓練時には実際に設営してみること が必要と考えますが、いかがでしょうか。
第3は、災害時優先電話についてです。災害時優先電話は、公衆電話同様、災害時にも優先的につながる電話をあらかじめ指定をするものですが、どの電話が指 定されているのか現場で充分に認識されていません。区役所本庁舎および学校や保育園などの施設では災害時優先電話の指定が割り当てられ、該当する電話機に はシールが貼られています。それをいざという時に活用できるよう、職員に周知する必要があると考えますがいかがでしょうか。また、必要なところに災害時優 先電話の指定がされているかどうか再点検し、通信が確保されるよう備えておくべきと考えますがいかがでしょうか。
第4は、通信手段が確保される施設の周知です。一時滞在施設に指定された施設、帰宅支援ステーションに指定された施設、公衆電話等の設置場所を周知するこ とが必要です。区が作成する防災マップに記載することはもちろん、区内に設置されている避難所地図や地域文化部所管の地図などに公衆電話、特設公衆電話、 災害時優先電話の設置場所を表示することとあわせて、駅やバス停などにも近隣の公衆電話設置場所を知らせる表示をするよう都や事業者に要請するべきと考え ますがいかがでしょうか。
第5は、災害時伝言ダイヤル等の周知です。毎月1日と15日などNTTが行っている体験利用を学校や学童保育、保育園、障害者施設や高齢者施設などで活用 し、万一の場合使えるようにする事が必要です。防災訓練等とあわせ実際に体験することを区が進めると同時に、民間の保育園や介護施設にも啓発してはいかが でしょうか。以上、答弁願います。
(答弁)震災対策の強化と災害時の通信の確保についてのお尋ねです。
はじめに、塀の悉皆調査の実施と危険な塀の改善を所有者等に働きかけることについてです。区では、昭和63年度から平成3年度までの4年間にわたり、区内の道路沿いにある約15,000件のブロック塀等について実態調査を実施しました。実態調査の結果を塀の所有者等に送付し、倒壊の恐れがあるなど、危険度が大、又は中とされた塀に対して、改善指導を行った結果、平成11年度までに約1,900件の塀が改善されました。その後、区では、日常業務として行う建築計画の事前相談や住民等からの問合わせなどで把握した危険な塀に対して、その都度、塀の改善指導を行っています。平成14年 度には、細街路拡幅整備事業を立ち上げ、細街路の拡幅整備に併せて、塀の除去等も進めています。助成制度としては、ブロック塀等を除去して、生垣を造る場 合に費用を助成する接道部緑化助成制度や、耐震化支援事業の一つであるブロック塀等除去費助成を立ち上げ、ブロック塀等の除去を進めています。こうした助 成制度の周知については、パンフレットやホームページ等で分かり易く制度を紹介するとともに、イベント等の機会を捉えて積極的に行っています。今後、改め て悉皆調査を行うことは考えていませんが、危険な塀については、所有者等に対して、助成制度を紹介しながら、強力に改善指導を行っていきます
次に、自動販売機の対策についてのお尋ねです。 自動販売機の転倒防止対策は、JIS 規格で規定されており、さらに業界団体が自主基準を作成し、安全性の確保に努めているところです。区として、自動販売機の総点検は実施していませんが、道 路の監察などで危険な自動販売機を発見した場合には、設置者に適切な安全対策を講じるように指導していきます。また、容器入り飲料の自動販売機を設置する 管理者または設置者が、リサイクル及び一般廃棄物の処理に関する条例に基づく届け出をする際に、転倒防止等の耐震対策を講じるよう情報提供していきます。 さらに、都や業界団体に対して、自動販売機の転倒防止等耐震対策を徹底するよう要望してまいります。
次に、住居表示未実施地域の対策についてのお尋ねです。避難場所等の案内板は、住居表示の未実施地域を含め、現在、区内で229基設置し、維持管理しています。住居表示未実施地域で、避難場所等の案内板のない地域については、区有施設の整備に合わせて、今後、新たな避難場所案内板や地図の設置を検討してまいります。
災害時の通信手段の確保と周知についてのお尋ねです。
まず、公衆電話についてのお尋ねです。NTT東 日本では、携帯電話等の普及により、通話料が一定程度に満たない施設内に設置している公衆電話の削減を計画的に行っています。区施設に設置されている公衆 電話の見直しにあたっては、毎年度、当該事業者と協議する中で、災害時の拠点となる区有施設を中心に設置を継続しています。今後も、災害時の連絡通信手段 という点も考慮し、存続について要望してまいります。公衆電話の設置場所の周知については、新設廃止などにより設置場所がしばしば変更になることや、縮尺 の関係上区全体の地図では、正確な場所が表示できないことから、区が作成する地図等に掲載することは、難しいと考えていますが、NTT東日本が公衆電話の設置場所をホームページで掲載していますので、区のホームページでもリンクをはるなどして、案内してまいります。
また、公益財団法人日本公衆電話会が、各学校のまわりの公衆電話設置場所を掲載した地図を作製し、学校に配布しているほか、新宿駅周辺の公衆電話の地図を作製すると聞いていますので、こうした地図の活用を検討してまいります。
次 に、避難所などに設置されている特設公衆電話についてのお尋ねです。特設公衆電話は、災害時に避難所に避難された方々の速やかな通信手段を確保するものと して、区内小・中学校等に設置しています。訓練時の実際の設営は、既に実施しているところもありますが、全避難所で実施するよう各避難所運営管理協議会に 働きかけてまいります。
次 に、災害時優先電話についてのお尋ねです。区役所本庁舎や各施設の災害時優先電話については、訓練等を通じて職員に周知していますが、使用方法や設置個所 について十分に理解されていない点もあり、周知を徹底してまいります。また今後、BCPの改定にあわせて設置個所の点検をしてまいります。なお、災害時優 先電話については、区役所や区の施設に災害対策用として割り当てられているものですので、一般に広く周知していくことは考えていません。いずれにしまして も、災害時の通信手段の確保は、円滑な応急対策活動や被災者支援という視点からも、とても重要と考えています。今後も、防災行政無線の活用等と合わせて、 災害時の通信手段の確保に総合的に取り組んでまいります。
次 に、災害時伝言ダイヤル等の周知についてのお尋ねです。災害時伝言ダイヤルについては、災害時に非常に有効なものであり、防災訓練等で区民の方々に積極的 に周知を図っているところです。ご指摘のNTTが行っている体験利用などは、事前の訓練として極めて有効であると考えています。そうした機会の活用を含 め、万一の場合に家族の安否等の情報が的確に入手できるよう、子どもや障害者、高齢者などの関係施設を通じて、より一層の周知と活用に向けた働きかけをし てまいります。
2013.06.10 更新