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区議会活動
2011年第2回定例会 一般質問
旧淀橋中学校の有効活用について
日本共産党区議団の佐藤佳一です。私は、4年前の4月と今回の区議会議員選挙で旧淀橋中学校の有効活用について訴えてまいりました。
旧淀橋中学校は、2000年に教育財産から普通財産に切りかえる手続きがとられ、私立学校の建て替え時の仮校舎として貸し出されてきました。 2006年7月からは、2017年3月までの期間、株式会社コーチングスタッフと契約が結ばれ、この会社が運営する単位制・通信制高校の大智学園が使用し ています。
その後、地元のみなさんから、大智学園のグラウンドがあまり利用されていないため、地域の活動に使わせてほしいとの要望が出され、土、日、祭日に少 年サッカーと野球に限って2009年10月からグラウンドが使用できるようになり、大変喜ばれております。以下旧淀橋中学校の有効活用について質問いたし ます。
第一に、旧淀橋中学校を避難場所として活用することについてです。
東日本大震災後、地元でも「いざ首都直下型地震が来たらどうするか」とういうことに関心がたかまっています。私は、宮城県石巻市に5月17日から 19日に他の3人の議員とともに支援に行ってまいりました。言語に絶する悲惨な被害を目の当たりにして大変な衝撃を受けました。避難所は、わが家が倒壊、 流出した被災者の唯一のよりどころとなっています。災害時に旧淀橋中学校のようなオープンスペースを確保することは避難者の安全確保や火災の延焼防止のた め大変重要で、現在、地元町会の一時(いっとき)避難集合場所となっています。また、契約では新宿区が必要と認めた時には、避難場所として使用が認められ ており、地元の人からも「避難所として使いたい」と、この震災をうけて要望は高まっています。
大智学園との契約期間中においては、直下型地震に備え、帰宅困難者対策をすすめ、地元のみなさんの避難できる場所として、緊急用食料及び生活必需品を配備する備蓄倉庫の設置など大智学園とあらためて協定を結ぶべきと考えますがいかがでしょうか。
2つ目は、コーチングスタッフの契約違反の問題についてです。
旧淀橋中学校を借りているコーチングスタッフが、新宿区との契約に違反して、東京都の委託事業を行う嘉榮学園に5つの教室を又貸ししていた事実が昨 年10月に発覚いたしました。その後コーチングスタッフから「お詫びとお約束」の文書、「委託訓練事業の移転状況について」の文書がだされ、今年5月には 新宿区とこの会社との間で覚え書きがかわされ、今後違反した場合には違約金を払うなどの取り決めがなされました。
大智学園が、不登校や高校を中退したお子さんの受け入れを行うなど社会的に重要な教育活動をしていることは理解していますが、だからと言って、区民 の財産をこのように契約に違反して使用することは社会的に許されることではありません。こうした契約違反は区との信頼関係を損ねるもので、契約が切れる 2017年3月以降は継続して契約を結ぶべきではないと考えますがいかがでしょうか。
3つ目に、契約が終了後の旧淀橋中学校の活用についてです
契約が結ばれた当時、学校跡地の活用方針は、財政非常事態宣言下の方針で、区有施設が財源確保する対象とされ民間に貸し出す方式がとられていまし た。ほぼ同じ時期に旧淀橋中学校と同じように旧淀橋第3小学校も日本芸能実演家団体協議会に貸し出されています。私は、区民の財産である区有施設は、区民 とりわけ当該地域の住民の意見を充分くみとって行うべきと考えます。
例えば旧四谷第4小学校は、地元のみなさんから「校舎、グラウンドをそのまま残してほしい」との要望を受け、校舎を活用した四谷ひろばができ、教 室、グラウンド、体育館などが地域や区民のみなさんに使われ、グラウンドは、盆踊りにも使われています。また、旧東戸山中学校は、地元や地区協議会から 「老人福祉施設をつくってほしい」などの要望が出されていました。そして、特別養護老人ホームや多目的運動広場、農業体験の場など地元や幅広い区民の要求 を取り入れた“ここ・から広場”ができました。このように旧淀橋中学校についても、まずは、地元の要望を聞き取り、取り入れ活用すべきです。
北新宿地域は、公園やみどりの少ない地域です。新宿区の総合計画のなかでも「みどりが少ない地域。地域でみどりの占める比率・緑被率が減少傾向にあ り、榎地域についで緑被率の低い地域」と指摘しています。特に北新宿1,2丁目は、蜀江坂公園、さつき児童遊園などの公園しかありません。地元のみなさん からは「公園がほしい」「様々なスポーツができる多目的運動場がほしい」などの切実な要求が出ています。また、認可保育園の待機児童は5月1日現在、 209人。特別養護老人ホームの入所待ちは1321人と認可保育園や特別養護老人ホームの増設は、区政の最重要課題となっています。
そこで、お尋ねします。旧淀橋中学校について地元のみなさんからの要望を聞くとともに、契約期間終了後も避難場所としての整備も含め、新宿区政の課 題を考え有効に活用すべきと考えます。旧淀橋中学校を契約が切れる直前ではなく、一定期間をかけて区民、特に当該地域のみなさんから幅広く意見を聞き、そ の要望にもとづいた活用を検討すべきと考えますがいかがでしょうか。たとえば、当該地域の方を加えた仮称・旧淀橋中学校の活用を検討する会のような懇談会 をつくり活用方法を検討すべきと考えますがいかがでしょうか。お答えください。以上で質問を終わります
(総務部長)
旧淀橋中学校の有効活用についてのお尋ねです。大智学園として利用されている旧淀橋中学校を避難場所として活用してはどうかとのことですが、現在の定期建物賃貸借契約においても災害時の避難場所として使用できることとなっています。
備蓄倉庫の設置については、契約の相手方と協議を行ってまいります。
次に、コーチング・スタッフの契約違反についてのお尋ねです。
ご指摘のとおり、当区との契約条項に反する行為があったことについては、区としても遺憾であると思っています。この件については、契約管財課が調査・指導を行い、適正な状態に戻すとともに、契約に違反した場合には違約金を支払う旨の覚書も新たに取り交わしました。
今後、同じ事が繰り返されることのないよう適切に指導してまいります。
なお、この契約は定期建物賃貸借契約ですので、期間満了後の更新はありません。
(総合政策部長)
次に、契約終了後の旧淀橋中学校の活用についてのお尋ねです。
区有施設の跡活用については、区全体の行政需要や地域の要望、区財政の動向等を総合的に勘案したうえで、活用方針を策定しています。
そのため、契約終了後の旧淀橋中学校の活用についても、同様の検討を行うこととなります。現在は、まだ具体的な活用方法について検討する考えはあり ませんが、平成28年度から始まる第三次実行計画を策定するなかで、地域の要望なども踏まえ、施設の有効活用について検討してまいります。
2011.06.09 更新