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区議会活動
2011年第3回定例会 一般質問
落合第五幼稚園と中井保育園の子ども園化について 川村
日 本共産党区議団の川村のりあきです。私は、落合第五幼稚園と中井保育園の子ども園化について伺います。私は、9月3日(土)開かれました、幼稚園・保育園 の合同保護者会に参加させて頂きました。この間、区と教育委員会は幼稚園保護者と保育園保護者双方に3回ずつの説明会と今回の合同説明会を行ってきました が、幼稚園・保育園双方の保護者が子ども園化にたいして、まだまだ不安や懸念をお持ちで、十分な合意が得られたとは言いがたく、このまま推し進めるべきで はありません。一方で、すでに工事が始まり、10月には幼稚園の募集や説明会の時期が迫っており、この時点にたって早急に改善すべきことについて質問しま す。
第一に、進め方についてです。
当 該施設の子ども園化については、0歳児保育や専用室型の一時保育が始まるなど、地域の子育て支援の充実について期待がひろがっています。一方、保護者が特 に不満に思っているのが、子ども園化推進の進め方についてです。もっと、当事者や区民の声を反映させていく姿勢が求められていると思います。当日、保育園 保護者の方が、発言で「決まってから報告するのではなく、投げかけてもらって一緒に考えていきたい」「信頼関係がもてるような姿勢が大事」とおっしゃって いました。お話を伺ってみると、一番初めの説明会は、子ども園化することに関しての説明会とは保護者が理解出来ない招集の仕方で「大事な会議と考えずに欠 席してしまった」などの声が多く出されたことや、区側に出した要望書も回答がなかなか頂けなかったことなど様々な経緯があるようです。これには、もともと 教育委員会と区長部局の合同で対応していた組織上の問題や、通常の年度末の繁忙さに加え、震災対応で説明会の間があいた等の要因が考えられますが、子ども 家庭部の中に子ども園推進担当課が発足した今、抜本的な改善が望まれます。
区 長は、かねがね「これまで以上に積極的な区政情報の提供や情報公開を行うことで、公正で透明性の高い区政を実現する」と述べていますが、自治基本条例が制 定された今、区の方針や施策の決定過程で区民が参画するという視点が求められています。新宿区自治基本条例は、第5条で4つの区民の権利を定めています が、「第1項「区政に関する情報を知る権利」は、単に区政に関する情報を受け取るだけでなく、みずから区政に関する情報の提供を求めたり、内容の理解を深 めたりすることができる権利」、「第3項の「区政に参加する権利」は政策などの立案、事業の実施、その評価などのさまざまな過程において意見を述べたり、 事業の担い手として、また受け手として参加するなど、多様な方法による区民の参加を保障するもの」と定めています。
私 は、この自治基本条例の精神から、また、「新宿区子ども園理念」に謳われている「子どもを真ん中に保護者と地域の人々と保育者が手を携え、子どもの幸せを 実現する。」との理念を実現するためにも、従来の説明会を頻回に行うことや、懇談会などさらに幼稚園・保育園双方の保護者との意思疎通を図り、取り入れら れる意見は取り上げていく必要があると考えますが、ご所見を伺います。その際、あいじつ子ども園を進める過程で行われてたように、保護者も含めて教育・保 育内容の交流をすることや、行事のありがたの検討をするなど、保護者の納得と合意を大切にすすめるべきと考えますがいかがでしょうか。また、説明会を当事 者が参加しやすい開催時間にするなど改善していただいているのは評価したいと思いますが、従来の配布物に加え仕事などで参加できない方への配慮など、あい じつ子ども園や四谷子ども園等で行って来たようにHPでの議事録の公開なども行うことは必須と考えますが、いかがでしょうか。お聞かせ下さい。
第二に、園名についてです。
当 日は、園名について「おちごなかい子ども園」と発表されましたが、「もうきまってしまうのでしょうか」との声が出されています。たしかに幼稚園・保育園の 代表が2名出され、保護者アンケートも行い決定はされました。多数決で決定する性質のものではないにしても、他にも「中井」「落合第5」「落合」や「かっ ぱ」「染の町」などユニークな名前もありました。確かに園児募集の時期が迫っているにしても、園名はいうまでもなく、これから何十年も続くものであり、 もっと丁寧な決め方であるべきで、当面仮称にして地域の声に耳を傾けながらじっくりときめても良かったのではないかとの声が地域からも寄せられています。 あいじつ子ども園が、検討プロジェクトチームを発足して園名・園歌・園章の由来を調べるところから始まって、保護者ばかりではなく地域の声も聞きながら1 年以上かけて検討して決めており、今回の6月末説明会で告知して7月1日締めで集計、7月20日締めアンケート、8月6日絞り込み、合同説明会当日決定で はあまりにも性急な感は否めません。そこで伺います。保護者の決定は尊重しながらも、地域代表の方も含めた選定委員会を設置し、広く公募して選定するなど 地域から愛される名称を目指すべきと考えますがいかがでしょうか。
第三に、人員配置についてです。
当 日区側も答えている通り、分園型は理想的な形ではなく、「施設の有効活用」との観点から出てきた形です。一方、保育園保護者が行ったアンケートでの分園化 に関連する項目は、有効回答の内全回答が反対であり、その内容は「移動の問題」「異年齢保育がなくなる」に集約されます。新宿区が、保護者の反対にもかか わらず分園化とするならば、この不安を解消することは最低限の区の責務ではないでしょうか。そのためには、十分な人員の配置がなくてはなりません。また幼 稚園保護者側からの要望では、もともと保育園型ではなく幼保連携型にしてほしいとの要望が強く出されてきましたが、十分検討されず保育園型となってしまっ たとの思いを幼稚園保護者は強く持っています。
今 度開設される「おちごなかい子ども園」は、大規模で長時間開所のうえ、一時保育もあり、物理的にも園舎が2箇所に離れた場所に開設されます。保護者の方も 懸念されている通り、従前にも増した人員配置をすべきと考えますがいかがでしょうか。加配を検討しているとすれば何名を検討しているかお聞かせ下さい。
ま た、来年度については今いる幼稚園と保育園の先生を一定人数残して欲しいとの要望がありました。特に、保育園型ということで幼稚園の先生は一人もいなくな りますので、幼稚園保護者の不安は非常に高まっています。そこで、伺います。保護者の不安解消と子どもたちが安心して新しい環境に馴染んでいくため人員配 置の面で特段の配慮が必要と考えますがいかがでしょうか。同時に、幼稚園保護者の要望する短・中時間枠は現時点での計画の10名ではなく従前幼稚園の枠の 15名です。長時間の定員を減ずることなく定員を増やすことや今後の検討課題とすることは不可能でしょうか。現在年中クラス11名、年長クラス13名と落 合第五幼稚園の園児が在園している現状も踏まえ、ご所見をお聞かせ下さい。
答 弁 要 旨
川村議員のご質問にお答えします。
まず、落合第五幼稚園と中井保育園の子ども園化の進め方についてのお尋ねです。
昨 年度、子ども園化推進検討委員会の報告が出たあと、速やかに両園で保護者説明会を行い、新宿区における子ども園化の基本的考え方、両園の現状、子ども園化 によるメリット、スケジュールなどを説明しました。参加できなかった方には、当日の配布資料を個別に配布するとともに、議事要録をまとめ次第、全保護者に 配布しました。今までに両園で保護者説明会を3回ずつ開催し、さらに合同保護学していただくことを予定しており、保護者の要望もふまえて保育・教育や行事の在り方を検討していきます。
さらに議事要録についてはすべての保護者に配布しておりますが、ホームページでの公開についても検討してまいります。
次に、園名についてです。
園名については、広く公募して選定するべきではとのお尋ねです。
選定にあたっては、両園を通じて園名案を募り、その案を盛り込んだ園名アンケートを両園で実施しました。その結果、落合第五幼稚園の保護者の多くの方が、「落合第五」を選択され、中井保育園の保護者の多くの方が「中井」を選択されました。
しかし、両園の者会を開催し、ご要望についてもお答えしてきました。このように園名決定のプロセスは、オープンかつ丁寧に行なってきておりますので、あらためて選定委員会を設置する考えはありません。
進め方については、やり取りの中で理解を深める努力をしてまいりました。しかし、まだ分かりにくい点や納得しづらい点もあるかと思いますので、今後も必要に応じて、説明会を開催し、さらなる意思の疎通を図っていきます。
次に、保護者も含めて教育・保育内容の交流をすることや、行事のあり方の検討をするなど、保護者の納得と合意を大切にすすめるべきとのことですが、両園の保護者に他の子ども園を見保護者数に大きな差があるので、多数決で決定するという選択肢はとらず、両園から各2名の代表者を選出し、合意形成を模索しました。その結果、アンケート票数は多くないものの両園の保護者の方から挙がっている「おちごなかい子ども園」を園名案とすることとなり、9月3日の両園合同保護者会でこれらの経過を説明しました。
最後に、人員配置についてです。
まず、園舎が2箇所に離れているため、従前にも増した人員配置をすべきとのお尋ねです。今回、落合第五幼稚園と中井保育園を子ども園化する計画は、両施設を有効に活用し、0歳児の定員新設、各年齢児の定員増、専用室型一時保育の実施等保育需要への対応とともに3、4、5歳 児の小学校へのスムーズな接続が図れることなど分園方式ならではのメリットがあります。但し、延長保育時の幼児園舎から乳児園舎への移動安全確保に配慮を 要するため、職員の増配置を検討しています。現時点で具体的な加配人数については決まっていませんが、開所の時点までには決定し、保護者会で説明してまい ります。
また、来年度、幼稚園教諭を一人残してほしいという要望があることは、承知しております。要望については教育委員会へは既に伝えています。幼稚園教諭の配置については、幼稚園並びに子ども園全体の配置計画や人事異動の中で検討してまいります。
最後に長時間の定員を減ずることなく、短・中時間の定員を増やすことを検討できないかとのお尋ねです。これまでの園児数の推移等を考慮すると、短・中時間の定員は10名が妥当と考えたところですが、今後、需要動向を見据えながら必要であれば見直してまいります。
2011.09.16 更新