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    2012年第1回定例会 一般質問

    2012.2.241定阿部一般質問

     

    大久保・百人町地域の課題について

    日本共産党の阿部早苗です。私は、大久保・百人町地域の課題について一般質問します。
    新大久保駅周辺は、韓国料理、韓流スターのグッズ、韓国コスメ、お菓子やお土産物などを目当てに、女性客を中心に全国から観光客が訪れ、活況を呈していま す。大久保通り・職安通りの歩道は人であふれ、通称イケメン通りといわれる狭い道は年末のアメ横並みの混雑ぶり、職安通りにはツアー会社の大型観光バスが 何台も駐車しています。「この不況の折、繁盛していて結構なことじゃない」と言う人もいますが、「人ごみがこわくて駅の方には行かない」「夜中まで営業し ていて、騒音や臭いや煙に悩まされている」「急病人が出たり火事になった時に大丈夫なのか」と、とまどい、困惑しています。なじみの店が次々売却して引っ 越し、街も人もあっという間に変わる中で、なす術もなくため息をついて見ている状態です。
    第二次実行計画は、「やすらぎとにぎわいのまち」を実現することをめざすとしていますが、大久保・百人町地域の現状をみていますと、「にぎわい」と地元住 民の「暮らしやすさ・やすらぎ」は単純に両立しないことを強く実感します。大久保地域センターで昨年行われた「区長と話そう新宿トーク」でも、地元のみな さんから一斉にこの問題が出されましたが、この課題の解決を新宿区に期待してのことです。
    区長は、この地域の現状についてどのように受け止め、対応して来られたのかお聞かせ下さい。
    区では、大久保特別出張所を中心に、地元コミュニティ・韓国コミュニティの力も借りて対策をしようとしているようですが、目に見える効果が得られていませ ん。多くの住民が生活する土地が、急激に観光地・繁華街対策とし変貌しており、その矛盾や軋轢が生じている仲では、これまでのような他文化共生の推進とと もに、繁華街対策が必要ではないでしょうか。
    区では、繁華街である歌舞伎町については特命担当を置き、特別の体制で臨んできました。大久保・百人町地域についても同様の位置づけをし、体制を整える必 要があるのではないでしょうか。建築指導や交通対策など区の関係部署も巡回指導など努力はしているものの苦慮しているようです。国内では中心市街活性化や シャッター克服の取り組みの事例はあっても、急激に観光客が来すぎて行政の対応が追いつかない事例はあまりなく、ひと頃の原宿竹下通りくらいでしょうか。
    「やすらぎとにぎわい」=経済活動と住環境の調和のとれた両立のため、庁内では、関係部署の取り組みや刻々と変わる状況の情報交換をする場を設定し、まち づくりの専門家や地元も加わった検討会を立ち上げるなど、区がイニシアチブを発揮することが大事だと考えますが、いかがですか。韓流ブームが去った後、バ ブルの際に地上げの負の遺産が残されたようになれば、アウトローの世界が広がるなどと予測する記事も散見され、また私も心配する声も聞きます。そんな事態 にさせないまちづくりに今から取り組んでいく必要があるのではないでしょうか。
    そのうえで、すぐにも手を打っていただきたいことを何点か質問します。
    1月のある日曜日、大手ツーリスト会社が新大久保・横浜中華街観光コースを組んだとかで、バス10数台が職安通りに並んでいました。平日も数台は駐車して います。歩道は人がいっぱいで、子どもを自転車に乗せた若いお母さんが車道の中央近くを走っていたりして、事故が心配です。大久保通りも駐車車両が多く、 危険という点では同じです。観光会社などに対して駐車場を確保し車道に置かないないよう要望したり、警察にも指導を要請すべきではないでしょうか。
    補助72号線の開通により新大久保駅前に新設した信号は、みんなで渡ればこわくないとばかりに、大勢の人が赤でも平気で渡っていて危険です。信号のないと ころを渡っている人もいて危険です。ルールを守るよう標識を出したり、場合によっては人を配置して指導すべきではないでしょうか。
    私は、病気の後遺症をかかえた方から、夜中の突然の大声で安眠できず困っていると相談を受け、新宿警察に相談しました。明け方酔客が大声をあげているのを 私は見ました。警察では、その時すぐに通報しないと対処は難しいと言われましたが、住民が受難をがまんしていては軋轢が深まるだけです。新大久保のガイド を見ると、24時間楽しめることを売りにしている店もあります。まさに繁華街です。警察も夜間を含む大久保地域の警邏活動の強化を要請していただきたいと 思います。
    マンションの駐車場だったスペースにテントを常設していくつも店開きしていますし、小物や化粧品の店はかなり狭いところもあり、中にはトイレなしの店もあ りそうです。コンビニでもトイレを借りる行列を見ますし、1階が韓国のお土産店になった某ボクシングジムで、周辺に買い物してきた客が上のフロアのトイレ に急いで駆け上がるのを見かけました。客のためにも従業員のためにもトイレは必要不可欠であり、各店舗の経営者に設置するよう働きかけるべきではないで しょうか。
    このにぎわいのまっただなかに、現在、都市型軽費老人ホームと認証保育所を建築中です。近くにコスモス保育園があり、間もなく区立大久保第2保育園とこと ぶき館の仮施設が西大久保公園に移ってきます。今後、子どもと高齢者の通好が繁盛になり、子どもを乗せた自転車も増えることでしょう。大人だって余所見し て歩けないし、自転車はおりて押してでなければ通行できない状態ですから、今から手を打たないとけが人が出る危険があると思います。このことについては区 は何か対策を考えておられますか。あれば、お聞かせ下さい。以上、新大久保駅周辺=大久保・百人町地域のかかえる課題について答弁願います。

     

     

    (答弁)
    阿部議員のご質問にお答えします。
    大久保・百人町地域の現状についてどのように受け止め、対応してきたのかについてのお尋ねです。
    大久保・百人町地域は、韓流グッズを売る店や韓国の料理店、K-POPのライブハウスを訪れる観光客で賑わう一方、受け入れるお店が十分に対応し切れてい ない状況や、まちを訪れる観光客のマナーにも問題があることから、地域住民の日々の生活への支障が発生しています。また、ごみの不法投棄や深夜の騒音など の問題もあり、深刻な状況と受け止めています。
    こうした課題への対応については、行政はもとより、地域とも連携しながら解決していくことが大切であると考えています。このため、歩道に滞留しないよう観 光客にお知らせする看板を設置するほか、地域や警察、東京都などと連携してパトロールを行い、ルールを守らない店に対して注意するなどの対策を講じてまい りました。
    また、生活習慣をめぐるトラブルを未然に防止するため、区内で生活を始める外国人全員を対象に「新宿生活スタートブック」を配布するなど、マナーやルールの周知徹底に努めてきています。
    これらの取り組みの成果として、以前よりもごみの不法投棄が少なくなったり、歩道にワゴンを並べて販売する店が減ったなどの声が地域から聞かれるようになりました。
    今後もこうした取り組みを粘り強く行うことで、日本人と外国人が地域でルールやマナーを守りながら生活するまちづくりを着実に進めてまいります。
    次に、これまでの多文化共生の推進とともに、繁華街対策として歌舞伎町特命担当のような体制の整備が必要ではないかとのお尋ねです。
    大久保・百人町地域は、ご指摘のとおり観光地・繁華街への変化が急激で、多くの課題が発生しています。
    こうした変化や地域の課題に対しては、真正面から向き合いながら、地道に解決に向けて努力していくことが必要です。具体的には、町会・商店会などの地域の コミュニティと韓国人コミュニティが顔の見える関係をつくりながら、共に協力して課題を解決していく必要があると認識しています。
    そのため、24年度は(仮称)多文化共生推進課を設置し、警察、消防、東京都などの関係機関との連携をさらに強めてまいります。また、庁内においても(仮 称)多文化共生推進課が中心となって、大久保特別出張所、建築指導課、交通対策課、清掃事務所などとこれまで以上に協力体制を強めます。
    このような認識のもと、大久保・百人町地域の課題については、全庁一丸となってしっかりと取り組んでまいります。
    次に、庁内で専門家や地元も加えた検討会を立ち上げるなど、区がイニシアチブを発揮するべきではないかとのお尋ねです。
    区では、平成24年度に区長の附属機関として、「(仮称)新宿多文化共生推進会議」の設置を予定しています。この会議では、区長の諮問に基づき、大久保の まちに詳しい学識経験者や公募区民、町会・自治会、商店会、外国人コミュニティ、NPOなどの多様な構成員が討議し、答申することにより区の施策に反映さ せていきたいと考えています。
    また、今年度区が主催し実施した商店街活性化のためのステップアップフォーラムで、新大久保商店街振興組合の活性化に向けた調査の報告がありました。この調査結果についても庁内で共有して、課題を整理します。
    こうした取り組みにより、庁内はもとより警察、消防、東京都などと連携して、地域住民が安心して暮らせるまちの実現に向けて努力してまいります。
    次に、職安通りや大久保通りの駐車車両対策についてのお尋ねです。
    ご指摘のとおり、職安通りでは、韓国料理や韓国グッズの店を訪れる大型観光バスが駐車しており、他の車両の通行の支障となっています。また、大久保通りでは、駐車車両が自転車や歩行者の通行の妨げとなっています。
    警察ではこれまでも違法駐車の取り締まりや指導を行ってきましたが、今後、区としましても警察に対して違法駐車対策の一層の推進を要望してまいります。また、観光会社に対しても、近隣駐車場を紹介するなど、駐車防止を強力に要請していきます。
    次に、補助72号線の開通に伴い設置した信号が守られていないことについてです。
    補助72号線と大久保通りとの交差点では、赤信号にもかかわらず渡ってしまう歩行者がいることは認識しています。今後、警察と協議し、信号順守や横断禁止の看板を設置してまいります。
    次に、大久保地域における警察への警ら活動強化要請のお尋ねです。
    区はこれまで、大久保地域の飲食店等に対し、リーフレット等を活用して、拡声器の使用や夜間営業に伴う騒音、路上看板等について指導・啓発してまいりました。
    この地域を管轄する新宿警察署でも、本年1月から同地域における対策班を編成し、違法行為の取り締まりやマナー違反への指導を強化していると聞いています。
    区といたしましても、より一層、警察との連携を密にして、居住者へ配慮した各種対策を講じていくとともに、同地域における夜間パトロール等の警察活動の強化を要請してまいります。
    次に、まちを訪れる観光客や従業員のために、トイレの設置を店舗の経営者に働きかけるべきではないかとのお尋ねです。
    大久保地域を訪れる観光客が増えたため、トイレの整備が地域で課題となっていることは、区としても認識しています。昨年は、大久保地区町会連合会の定例会で、公衆トイレの設置について議論されましたが、地域での合意形成ができませんでした。
    区では、これからも地域の意見や要望をていねいに聞くとともに、韓国人コミュニティとも課題や情報を共有しながら、新たにオープンする店に商店会や韓国人コミュニティを通じて、トイレの設置を要請するなどの働きかけを行ってまいります。
    次に、建築中の都市型軽費老人ホームと認証保育所などの周辺の環境として、今後、高齢者と子どもの通行が頻繁になり、子どもを乗せた自転車も増えることについての対策です。
    保育等施設の周辺については、防犯カメラの設置や施設職員による見守りを充分に行うほかに、子どもたちや高齢者の安全の確保について、地域の方や関係機関とも協議を重ね対応しているところです。
    新宿警察署にはこれまで以上に巡回、巡視をしていただくよう、そして、地域の方にもしっかりと見守っていただけるよう、今後も協力依頼をしてまいります。
    また、保育園の保護者の方には自転車での送り迎えについては、できるだけ混雑を避けたルートをご案内するなど対応していきます。

     

    区議会活動 | あべ早苗

    2012.02.24 更新

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