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区議会活動
2012年第2回定例会 一般質問
西武新宿線中井駅の開かずの踏切解消について区長に伺います。
3月25日に落合第一地域センターと、落合第二地域センターにおいて、新宿区による「西武新宿線中井駅周辺整備計画案」についての説明会が行われました。説明会にはのべ65名が参加し限られた時間ではありましたが、活発に意見交換が行われました。
総体として、区の開かずの踏切の解消の取り組みとバリアフリー化について評価する意見が出されたものの、説明会の中で、最も大きな問題となったのは、開かずの踏切解消の切り札として示されてきた南北自由通路について工期が2年から5年へと伸びたことでした。
まず、初めの質問は、工期の問題です。
説 明会で出された代表的な疑問は、「工事の前提は変わってないのに工期が延びるのはなぜか」ということです。2年前の説明会で区が説明した当初計画では、南 北自由通路の開設について、つい最近の実行計画素案の段階まで工期2年としてきたものが、5年もかかるというのですから、多くの住民・利用者が納得出来な いのは当然です。そこで伺います。第1に工期延長の理由とされる、首都高速道路や大江戸線のシールドについては従来から敷設されていたものであり、まず当 初工期を2年とした理由について伺います。第2に、説明会では、工期延長の理由として、掘削の深度を浅く掘る計画から深く掘る計画に変更したと伺いまし た。深く掘ると「倍ぐらいのコストがかかる」との説明でしたが、具体的に計画変更前と変更後では予算としてどう相違するのかお示し下さい。第3に工期延長 の判断と公開の時期についてです。住民・利用者としては非常に残念な説明でショックを与えました。計画を進めてきたどの段階で2年から5年へ工期を伸ばす 判断をしたのか、西武鉄道との交渉の過程を含め時系列でお示し下さい。第4に説明会の中では当然のことながら、工期を早めるよう西武鉄道に対し働きかける べきという要望が出ました。区長はどのように今後働きかけるおつもりか伺います。第5に住民・利用者からは、新宿区だけではなく西武鉄道を含めた説明会を開催するよう要望も出されています。区として落合第5小学校など施設提供など協力もし、西武鉄道に開催を働きけるべきと考えますがご所見を伺います。
次に、臨時北口改札開設についてです。工期を5年に伸ばす計画変更が示されましたが、一方で、開かずの踏切解消についての努力は、あらゆる角度からすべきです。御存知の通り、この周辺の踏切は、この間テレビで取り上げられるなど、長いときには40分近く遮断機がおりていて、不便であるばかりか危険な状況です。かつて中井駅のバリアフリー化 に取り組んでいる住民の方が2005年5月に調査したところでは、中井駅直近の踏切では、朝のラッシュ時(7時43分から8時50分)に、9日月曜日58 人、10日火曜日には168人 の人が遮断機を持ち上げて踏切を渡ってしまっていました。現在も危険な状況は変わりなく、事故を起こしかねない実態をこのまま放置することはできません。 同時に住民利用者の方から出されているのが、臨時北口改札開設の要望です。以前、2007年の第4回定例会代表質問でこの問題を取り上げた際に、区長は 「臨時の北口改札の設置については、現状では駅北側に民間の建物が近接して建ち、物理的に仮設の改札口を設けるスペースがありません。そのため、中井富士 見橋のかけかえに伴い、新たに生み出される空間に北口改札を設置することについても、引き続き西武鉄道に要請してまいります」と答弁されています。そこで 区長に伺います。第1に、この間、臨時改札設置について西武鉄道に対しどのように要望したのか、経過についてお聞かせ下さい。第2に、工期延長が示された 今、あらためて西武鉄道に対し要望すべきと考えますがいかがでしょうか。その際、臨時北口設置や工期を早めることにどの程度予算をかければできるのかを具 体的に示すなど、区側の積極的な働きかけが必要と考えますが、いかがでしょうか。
最 後に、行政・議会・住民の一体となった取り組みについてです。隣の中野区では、西武新宿線の中井駅~野方駅間について、この間の活動が実を結び、昨年、連 続立体交差化の都市計画が決定され、今年度の事業着手に向けた準備が進んでいますが、さらに、野方駅以西(野方~井荻駅間)について、一日も早い事業化を 進めようと、5月28日踏切渋滞解消促進期成同盟決起大会を野方区民ホールで開催し、約250名 が参加。西武新宿線立体交差事業の早期実現を目指す大会宣言を行い、関係機関へ要請する大会決議が採択されました。国・東京都・西武鉄道への働きかけを強 めているのです。新宿区議会では2010年高田馬場~中井間開かずの踏切解消について決議をあげています。中井駅の問題に限らず、西武鉄道に対し、新宿区 としても行政・議会・住民一体の取り組みをさらにすすめるべきと考えますが、ご所見を伺います。
(答弁)
川村議員のご質問にお答えします。
西武新宿線中井駅の開かずの踏切解消についてのお尋ねです。
初めに、西武新宿線中井駅南北自由通路の工期についてです。
当初工期については、基本計画の段階で、南北自由通路工事による首都高速道路の構造物に与える影響が少ないと考えたことから、概ね2年と設定しました。
工事費の変更及び工期の延長については、平成
23 年3月に策定した基本設計に基づき、具体的な検討を行った結果、首都高速道路の構造物への安全対策として、掘削深度を浅くする必要が生じたことから、掘削 工法を推進工法から開削工法へ変更しました。この結果、工事費として当初基本設計で試算した額の半分程度である約16億6千万円を予算計上するとともに、 工期が概ね5年に延長することになりました。
このため、工事費及び延長した工期を平成24年1月、第二次実行計画に位置づけるとともに公表し、3月に地元説明会で説明しました。
次に、今後の工期短縮や西武鉄道を含めた説明会の開催を、西武鉄道に働きかけることについては、西武鉄道に工事を施工委託することから、引き続き工期の短縮を協議するとともに、地元説明会には西武鉄道を参加させます。
次に、臨時北口改札開設についてのお尋ねです。
ま ず、臨時改札設置について西武鉄道に対し、どのように要望したかについてです。区は、西武鉄道との協議の中で、北口改札の設置を繰り返し要請した結果、平 成22年6月に南北自由通路と改札内通路が一体となった計画となり、北口改札と同様、駅北側からのアクセスが可能になりました。
次に、工期延長が示された今、あらためて西武鉄道に対し臨時改札設置を要望することについてです。
中 井富士見橋の架け替えに伴い新たに生み出された空間については、南北自由通路の工事スペースとなることから、臨時改札を設置した場合、工事の施工に影響を 及ぼすことになります。このため、改めて臨時改札の設置を要望するのではなく、区の負担が増えないことを前提として、南北自由通路が少しでも早く整備され るよう、西武鉄道に働きかけていきます。
最後に、行政・議会・住民が一体となり開かずの踏切解消に取組むべきではないかとのお尋ねです。
連続立体交差などを含めた開かずの踏切対策については、技術的に困難な課題もあることから、当面は、区として東京都に対応を働きかけていきます。
2012.06.11 更新