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    2013年第4回定例会一般質問

    日本共産党区議団の田中のりひでです。

     

    空き家等の適正管理と空き家の利用促進等について一般質問いたします。

     

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    先の第3回定例会でも空き家対策の質問がおこなわれました。私もその質問にも学びながら空き家対策について適正な管理と利用促進等の両面から質問い たします。この10月1日から管理不全な空き家と管理不全な土地・建物いわゆるごみ屋敷を対象に新宿区の空き家等の適正管理に関する条例が施行されまし た。対象の性格上、窓口は生活環境課ごみ減量計画係と建築指導課構造設備担当がなっています。10月16日の台風26号の影響で早稲田通り沿いにある空き 家だったお店の壁がくずれがれきが歩道にでることがありました。この建築物については近隣からも相談があり区も建築指導課が対応していました。この建築物 についてはその後すでに解体工事が行われています。このように区内でも地震、台風などの時に空き家等への近隣住民の不安は解消されていません。まさに区民 にとってこの条例への期待がふくらんでいます。これまで条例で設置された審査会は2回もたれ11月19日の第2回審査会では1件が審査の対象になり助言指 導がおこなわれるそうです。これまでの苦情相談から専門家の意見も聞き、また場合によっては参考人の意見もきけることから実効性のある取組が可能になって いるのではないでしょうか。

     

     

    5年に1回調査が実施される総務省の住宅・土地統計調査の最新の2008年調査によると、2008年10月現在、3ヶ月以上誰も住んで いない空き家の数は全国で757万戸、総戸数5759万戸の13.1%に達し7軒に1軒が空き家という状態になっています。このうち新宿区の調査を見ると 総戸数215、900戸に対し空き家は27、210戸にのぼっています。そのうち「賃貸用住宅」が17、550戸、これは入居者を募集中であり、まだ埋 まっていないものになっています。そのほかに「売却用住宅」が1、440戸、「別荘等の二次的住宅」が1、460戸です。このなかで現在最も問題になって いるのはこれら以外の「その他の住宅」6、760戸です。空き家になったものの売りに出されたり、賃貸に出されるわけでもなくそのまま放置されているもの です。

     

    特にこの6、760戸の内訳をみると腐朽・破損ありが2、420戸になっています。さらに建物の種類でいうと1戸建て490戸、共同住 宅等が木造で460戸、非木造で1、470戸になっています。これらの問題のある空き家については撤去も含めた適正な管理をするか利用を促進するかなど対 策が求められています。

     

    この調査から空き家の問題は特殊なことではなく町の中でいつでも問題になりうる課題であることがみてとれます。そこで区長に質問いたします。

     

    第1に、区民への周知の問題です。これまでもごみ屋敷の問題や空き家の問題など区には苦情がよせられていたとおもいますが、この条例が 制定されたことで困難事例にも解決の道筋をつける可能性が増しています。あらためてこの条例について区民に周知すべきと思いますが、現在はどのようになっ ているでしょうか。特に苦情が寄せられる町会の役員のみなさんには役員会などの場に出かけ説明すべきと思いますがいかがでしょうか。

     

    第2に、区内全戸実態調査をおこない対象になる空き家の状態を正確に把握し対策を強化すべきではないでしょうか。これまでも部分的には 耐震の関係で調査をされましたが本格的な調査は行われていません。先行している足立区では以前に悉皆調査で区内の実態について把握をしており、したがって 対策も立てやすくなっています。また、新潟県の長岡市は2008年調査では空き家率11.5%だそうです。それを受け、2009年には市内の全10万世帯 の実態調査をおこない、そのうち対応が迫られる1、800世帯に対し、手紙を出す、電話をするなどして対応をお願いしたそうです。

     

    新宿区内には先の総務省の調査によると腐朽・破損ありの空き家が2、420戸ありました。現状では区内に何件空き家があり、そのうち危 険な老朽家屋や利用可能な家屋、緊急対応が求められる家屋がそれぞれどのくらいなのか把握すべきです。そして具体的に直ちに撤去が必要なものについては対 策を立てるなど計画を持つべきと思いますがいかがでしょうか。

     

    第3に、空き家の利用促進についてです。先ほどのべた長岡市は2012年12月に空き家等の適正管理に関する条例が施行されましたが、 それに先立つ2010年3月15日に空き家バンク制度を実施、市の仲立ちで住み替えやUターン希望者等を登録、現在までのべ180人が登録されたそうで す。空き家所有者はのべ86件が登録。これまでに賃貸が18件、売買が26件成約があり、担当者の方は十分成果があり、管理不全にならないように活用する 上で大変有効であるとおっしゃっていました。2010年の地域活性化センターの調査によると、移住・交流促進施策を実施している自治体は市町村では 39.3%、うち空き家バンクを開設している割合は市町村では54.4%、今後実施する計画のある自治体は市町村では13.8%であり積極的に取り組まれ ています。確かに、過疎化の状況など新宿区と状況の違いはあるものの、行政、不動産業者、NPOの活用など新宿区にもあった制度をつくってみてはどうで しょうか。世田谷区ではこの11月5日に空き家の公益的な活用を希望するオーナーと地域で活動したいNPO団体等のマッチングする取り組みのモデル事業を 決定したそうです。世田谷区では約35、000戸の空き家・空き室がありこれに先立ち世田谷区では7月に空き家活用のための相談窓口を設置し、4か月で約 200件の相談があったそうです。区としても空き家の利用促進へ向けた空き家バンクの対策や相談窓口の設置などをすべきと思いますがいかがですか。

     

    第4に空き家を更地にするための経済的援助を国や東京都に求めるべきではないでしょうか。管理不全の建築物の撤去には解体費用の問題、 固定資産税の軽減措置など経済的影響が解決にとっての障害になっています。国は空き家の解体については2008年度から設けられている空き家再生等推進事 業は、過疎地域等で解体した後のスペースをポケットパークとして整備したり、狭隘道路ですれ違いスペースを確保するなど公共的な色彩が強く、対象地域や対 象目的が限定されるなど空き家対策の有効な政策となっていなかったようです。現在国でも自民党などが議員立法で固定資産税の軽減措置を含む空き家対策措置 法案が検討されています。区としても解体費用の補助、固定資産税の軽減措置など国や都に積極的に要請すべきと思いますがいかがでしょうか。

     

    以上、区長の答弁を求めます。

     

     

    【答弁】

    田中議員のご質問にお答えします。

     

    空き家等の適正管理と空き家の利用促進等についてのお尋ねです。

     

    はじめに、新宿区空き家等の適正管理に関する条例の周知についてです。

     

    この条例の制定に際して、本年3月から4月にかけて、10か所の地区町会連合会の会合に出向き、条例案の骨子の説明を行い、意見をいただいたところです。

     

    条例の制定後は、広報しんじゅく、区ホームページに条例の概要を掲載して、周知をしています。さらに、条例の内容をわかりやすく紹介す るリーフレットを作成し、各町会や関係機関に送付するとともに、区の関係部署の窓口やイベント等で配布して条例について広く周知を図っています。今後必要 に応じて、町会役員会など様々な機会を捉えて条例を周知し、管理不全な空き家等の問題の解決に向け、一層取組みを進めてまいります。

     

    次に、空き家について、区内全戸実態調査を行い、その状態を正確に把握し、老朽空き家対策や、利用促進を強化すべきではないかとのお尋 ねです。区内にある空き家は、総務省の平成20年住宅・土地統計調査において、空き家の総数は2万7,210戸で、そのうち、腐朽・破損していない空き家 が2万730戸、腐朽・破損している空き家が6,480戸であり、区内の空き家の実態と概ね一致しているものと捉えています。区はこれまで、腐朽・破損が 著しく、特に危険な空き家を確認した場合には、その都度、改善に向けた対策を所有者等に要請してきました。現時点では腐朽・破損している空き家について、 区内全戸実態調査を行うことは考えていませんが、今後は、地域の実情を把握している地元町会等や特別出張所と連携し、実態の把握と情報の収集を行っていき ます。

     

    今回の条例制定により、敷地内への立入り調査が可能になるほか、老朽化等で危険な空き家について、新宿区空き家等適正管理審査会の意見を聴いたうえで、助 言・指導に始まり勧告、命令、代執行を行うことができるようになりました。今後は、条例により実効性が強化された制度を活用し、老朽化等で危険な空き家の 解消に取り組んでいきます。

     

    また、新宿区は他の地域と比べて、人の出入りが活発で、利用可能な空き家は資産活用としての側面を持っていることから、その利用促進に ついては、所有者等の判断や民間の市場の動向に委ねるべきものと認識しています。このため、現時点では利用促進制度の創設及び空き家バンクや相談窓口の設 置については考えていません。

     

     

    次に空き家を解体して更地にするために要する費用の補助や固定資産税の軽減措置などについてのお尋ねです。区としては、管理不全の空き 家の解体等については、本来所有者等の責任でなすべきものであると考えています。一方で、国においては、ご指摘のように固定資産税などの経済的影響が、解 決を図るうえでひとつの課題といった観点から、軽減措置などを含めて法制定に向けた検討が進んでいます。このため、解体した場合の固定資産税の軽減措置な どについては、今後の国の動向を注視しながら、区としても国や都に対する要請を検討してまいります。

     


    区議会活動 | 田中のりひで

    2013.12.11 更新

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