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    2016年第4回定例会 一般質問

    11月30日の本会議で、雨宮武彦議員が以下の項目について一般質問を行いました。

    1.元気高齢者の施策について

    正式な会議録ではありません。概要です。

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    (雨宮武彦議員) 日本共産党新宿区議会議員団の雨宮武彦です。私は「元気高齢者の施策について」一般質問をいたします。
     世界保健機関(WHO)が2000年に提唱した「健康寿命」は、「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」のことであり、単に寿命を延ばすだけでなく、健康に生きる期間を延ばすことが大切だという考え方です。今年5月19日にWHOが発表した世界保健統計2016によると、日本の健康寿命は世界1でした。全国のランキングでは東京は男性が33位、女性が41位で下位に位置しています。また、新宿区は23区の中で男性13位、女性が4位とのことです。
     WHOは、健康を個人の問題としてとらえるのではなく「社会的決定要因」を重視し、健康をむしばむ背景にある貧困、格差、労働環境の改善などにむけ各国政府が責任を果たすことを求めています。しかし日本では、介護が必要になる原因で多いのは脳血管疾患だといい、高血圧や糖尿病などかつては成人病と言っていた生活習慣病を予防することは自己責任だと強調されるようになりました。特定健診は別名メタボ健診といわれ、1日の野菜摂取量350グラムなど自助努力が求められています。
     こうした中、今年度から新宿区では健康部に健康づくり課が新設され、健康長寿担当の副参事が置かれるようになりました。福祉部も組織変えがあり、要介護状態前の高齢者は地域包括ケア推進課の所管となりました。両課は連携して取り組みをすすめてきていると思いますが、これまでの取り組みや今後の方向をお聞かせ下さい。
     第2の質問は、一般介護予防教室についてです。
     今年度から要支援の方へのサービスが介護予防・日常生活支援総合事業に移行するのにともない、一般介護予防の介護予防教室も若干内容が変わりました。1回100円の費用負担で、参加期間が3ヶ月というのは変わりませんが、民間のクラブ等を利用したシニアフィットネス教室が新たにできましたし、これまでは老人保健施設で実施していた水中運動の教室も民間のスポーツクラブになりました。
     質問の一つ目は、3ヶ月に限っている利用期間の制限をなくすことです。教室に通って筋力がアップしても、やめれば元の木阿弥になってしまうので、継続して通いたいという要望が寄せられています。健康でいたいという前向きな要望にこたえるのが区の責務ではないでしょうか。介護予防教室の利用期間の制限はなくすべきと思いますが、どうですか。
     質問の2つ目は、教室の場所を増やすことです。プールで水中運動できるのは1カ所だけですし、シニアフィットネス教室は2カ所です。要介護・要支援認定を受けていない元気高齢者とはいえ、介護予防が必要な方のための教室ですから、高齢者が行きやすい場所にあることが大事だと思います。そのためには、もっと教室の箇所数を増やすべきです。
     私の知り会いで近場に教室がないし、3ヶ月だけでなく継続して筋力アップに取り組みたいと言って、民間のフィットネスクラブに通っている方もけっこういます。こうしたクラブは月の会費が数千円から1万円以上かかります。今年度から民間業者に教室をお願いするようになったのを機会に、例えば昼間の時間に民間のクラブを利用する高齢者の会費が安くなるような協定を結ぶとか、区内の高齢者が割引チケットを使えるようにするなどしてはどうでしょうか。
     質問の3つ目は、高齢者のプール使用料を減額・免除することです。介護予防教室での3ヶ月が終了した後、コズミックスポーツセンターやスポーツセンターのプールを利用している高齢者もいます。またプール教室を希望しても抽選で行けない方も区のプールを利用しいています。区は元気高齢者にいきいきハイキング・いきいきウォークなどを奨励していますが、ヒザ痛で歩けないような方もプールでは浮力で歩けると利用していますが、1回の利用料金は400円で、年金暮らしの高齢者は利用を躊躇してしまいます。23区のプール利用料は、高齢者を無料にしているのが7区、減額は13区で、減額なしは新宿区を含む3区だけです。WHOの健康寿命の考え方からすれば、年金暮らしで利用料を負担できなくてプールに行くのを控えるようなことがあってはなりません。健康寿命延伸を掲げる新宿区としては、高齢者のプール利用料は無料または減額とすべきと考えますが、いかがですか。
     第3の質問は、自分らしく元気で生き生きとした健康寿命を延伸するために、閉じこもりをなくし、認知症にならないための対策です。家の外に出られる健康状態であるにもかかわらず、週に1回も自宅から出ないで過ごす状態を閉じこもりといい、そのような生活が続くと、運動機能が低下するなど生活不活発病や認知症を招きます。
      閉じこもりを予防するには、外へ出る楽しみや喜びを見つけることが大事だと区も言っています。高齢者の生き甲斐や楽しみ、趣味を活かした活動に欠かせないのは、活動する場所です。その場所を提供しているのが、生涯学習館や地域交流館・シニア活動館です。生涯学習館は区内に5館あり、利用者数は2015年度、277,993人で前年度に比べて1万人以上利用者が増えています。生涯を通して学び、楽しみ、また仲間をつくって元気過ごす場になっています。地域交流館やシニア活動館も、高齢者が生き甲斐をもち、元気に楽しく絆を大切に活動できる場所になっており、2015年度の利用者は合計620,809人で前年より約4万2千人増えています。これら高齢者のための施設が閉じこもりを防止し、認知症になることを防いで、健康寿命延伸に果たす役割は絶大なものがあると思いますが、区長のご所見を伺います。
     第4の質問は、地域交流館・シニア館のお風呂を引き続き継続させることです。生活費のやりくりが大変で銭湯代を節約したい、1人で入浴すると事故が心配、家の風呂掃除が1人でできないなど、事情は様々でしょうが、高齢者施設の風呂のニーズは今後増えると思います。第3回定例会では、薬王寺ことぶき館を大規模改修して風呂をなくすことを含む工事費用の補正予算が提案され、これに対して利用者から「薬王寺ことぶき館のお風呂の存続を求める陳情」891筆が提出されました。ことぶき館大規模改修の際は風呂を見直すというこれまでの方針に加え、公共施設等総合管理計画の素案で高齢者施設そのものを統廃合する方針ですから、これまで以上に風呂の存続が脅かされることになります。
     一方で、区内の銭湯は、後継者不足や利用者減少で経営が厳しくなっています。私の住む四谷地域でも1軒廃業しました。こうした中、地域交流館・シニア館のお風呂はますます不可欠の存在となります。風呂存続のためにも高齢者施設は統廃合すべきではありません。区長のご所見をうかがいます。

    (中澤良行福祉部長) 雨宮議員のご質問にお答えします。
     元気高齢者の施策についてのお尋ねです。
    はじめに、健康づくり課と地域包括ケア推進課の連携によるこれまでの取組みと今後の方向性についてです。
     両課が所管する健康寿命の延伸と介護予防は密接な関係にあり、区民の健康寿命の更なる延伸のためには、組織を越えた体制で、高齢期の心身の特性に合わせた取組みを推進する必要があると考えています。そのため、福祉部・健康部の管理職による連絡会を定期的に開催する等、目標や課題を共有しながら取り組む体制をとっています。また、現場レベルでも、高齢者総合相談センターへの聞き取り調査を合同で行う等、組織にとらわれない取組みを進めています。今後も、高齢期の健康課題を的確にとらえ、健康寿命の延伸と地域包括ケアの推進に向けて、柔軟な体制で取り組んでいきます。
     次に、介護予防教室についてのお尋ねです。
     介護予防教室は、3か月の受講を終えた後には、地域において自主的な活動につなげていただくことを目的に実施しています。従って、現行の教室の利用期間の制限をなくすことは考えておりません。介護予防には、高齢者が身近で継続的に取り組める環境が大切であると考えています。区では、身近なシニア活動館や地域交流館などの高齢者施設で、新宿いきいき体操をはじめとした、だれでも気軽に参加でき、介護予防に資する事業を数多く実施しています。
     さらに、毎朝、公園等で行われているラジオ体操やいつでも自分で実施できるウオーキングなども介護予防につながるものと考えています。こうしたことからプールやフィットネスクラブのような特殊な設備が必要な教室よりも、いつでも身近で気軽に介護予防を継続できる様々な事業の内容を一層充実させ、周知してまいります。なお、昼間の時間帯の民間クラブ等の活用に関しては、今後、研究してまいります。
    (加賀美秋彦地域振興部長) 次に、高齢者のコズミックスポーツセンター及びスポーツセンターのプール利用料の無料又は減額制度導入についてのお尋ねです。
     区の施設利用料等は、行政サービスにおける受益と負担の公平性確保の原則に基づき、全庁的な「受益者負担」の考え方により設定しています。現在コズミックスポーツセンターのプールでは、「プールポイントラリー」を実施しており、65歳以上の方には、一般の方に比べ無料で利用できる回数を1.5倍に設定しています。現時点では、お尋ねのプール施設の高齢者利用料金を無料又は減額する考えはありませんが、高齢者がプール施設を今まで以上にご利用いただけるよう様々な教室の実施を検討するなど、指定管理者と調整してまいります。
     次に、生涯学習館や地域交流館、シニア活動館が、健康寿命延伸のために果たす役割についてです。
     高齢者が、これら施設で実施する事業等に参加するために外出し、地域の人々と共に活動することは、閉じこもり予防、認知症予防などにつながり、健康寿命の延伸に大いに効果があるものと考えます。
     次に、生涯学習館や地域交流館、シニア活動館が、健康寿命延伸のために果たす役割についてです。
     高齢者が、これら施設で実施する事業等に参加するために外出し、地域の人々と共に活動することは、閉じこもり予防、認知症予防などにつながり、健康寿命の延伸に大いに効果があるものと考えます。

    区議会活動 | 雨宮たけひこ

    2016.12.15 更新

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