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区議会活動
2018年第1回定例会 一般質問
2月21日の本会議で、田中のりひで議員が以下の項目について一般質問を行いました。
1. 介護者リフレッシュ支援事業と一人暮し認知症高齢者への生活支援サービスの改善について 【区長】
◆37番(田中のりひで) 日本共産党新宿区議会議員団の田中のりひでです。
介護者リフレッシュ支援事業と一人暮し認知症高齢者への生活支援サービスの改善について一般質問します。
新宿区の独自事業である介護者リフレッシュ支援事業と一人暮し認知症高齢者への生活支援サービスは、利用者からも、家族からも、介護事業所からも大変喜ばれています。
2016年度に一人暮し認知症高齢者への生活支援サービスが新たに開始されたことで、一人暮しであっても利用できることが明確に示され、さらに使い勝手がよくなりました。
2013年度は介護者リフレッシュ支援事業のみの実施で、利用者は1,275人でした。それが2016年度に2つの事業としてサービスが提供されてから、合計2,276人と1.78倍に利用者がふえました。内訳は、介護者リフレッシュ支援事業が1,559人で、一人暮し認知症高齢者への生活支援サービスが717人とのことです。
この事業は、介護保険では利用できない病院への通院や散歩などのヘルパー派遣サービスを利用できるもので、回復期生活支援サービスとともに高齢者の在宅生活を支える大事なサービスです。
この3事業は、いずれも利用料は介護保険の負担割合が1割の人は1時間300円、2割の人は600円で、利用者の負担は介護保険並みでそう重くはありません。サービスを提供する事業所にとっても1時間3,000円の報酬単価で、新総合事業よりいいと喜ばれています。
質問の第1は、この2つのサービスを複数のヘルパー事業所から提供してもらえるように改善することです。
現在、この2つのサービスは1人に対して1事業所しか登録できず、それ以外の事業所からサービスを提供してもらえません。そのため、サービスを利用したいときにヘルパーを確保できないことがままあります。
私の知り合いの要介護状態の方のところは、3つの訪問介護サービス事業所が入っています。知人のケアマネジャーの話では、重度の独居の方で6事業所がかかわっているケースもあると伺いました。
ヘルパーがやめて不足し、仕事の依頼を全て受けられないところもあるようです。介護保険の依頼でもこういう状態ですから、2サービスを利用したくとも、要望どおりにヘルパーを派遣してもらえず、利用を諦めざるを得ないことがあります。
制度スタート時は1事業所だけが入っていて、利用者もなれた事業所がいいだろうということで1事業所に限って利用可能にしたと思いますが、複数の事業所が入っているのが普通になっている今、複数登録しても問題はないと思います。今も登録を変更すれば他の事業所を使えますが、一々手続をしなければなりません。少なくとも介護保険サービスを日常的に提供している事業所については、2サービス提供事業所として複数登録を可能にすべきと思いますが、いかがですか。御答弁をお願いします。
質問の第2は、利用時間の拡大についてです。
2016年度の介護者リフレッシュ支援事業の平均利用時間は8.3時間、一人暮し認知症高齢者への生活支援サービスは10.3時間とのことで、1年24時間、1回最高6時間までの現行利用時間の枠内で充足している利用者も少なくありません。
しかし、毎月定期的に通院されている方の場合、1回2時間で済めば年24時間で間に合いますが、2時間で終わらなければ24時間では足りません。ある方は、年度半ばで24時間を使い切り、あとの半年は自己負担で通院の同行を頼んでいるそうです。自費だと1時間2,500円から4,000円かかりますから大変な出費です。せめて通院同行だけでも利用時間の上限を現行の24時間から48時間に引き上げるべきと思いますが、御答弁をお願いします。◎福祉部長(中澤良行) 田中議員の御質問にお答えいたします。
介護者リフレッシュ支援事業と一人暮し認知症高齢者への生活支援サービスの改善についてのお尋ねです。
初めに、複数事業所からのサービス提供を可能とすることについてです。
区は、これらの事業の受託事業所を毎年公募しており、平成29年度は72法人99事業所と契約しています。多くの利用者は、この中から介護保険サービスで利用している事業所を選択しています。
日ごろの様子を最もよく知る事業所が利用者との信頼関係のもと、責任を持って適切なサービスを提供することが望ましいと考えているため、複数事業所を利用可能とする予定はありませんが、事業所変更についての個別の御希望には、これまでどおり迅速に対応してまいります。
次に、年間の利用時間の上限の引き上げについてです。
御質問の事業については、過去5年間の利用実績がいずれも年間1人当たり約10時間で推移していることから、現行の年間利用上限である24時間を引き上げることは考えておりません。
区は、これまでも利用者やケアマネジャーなど現場の声を大切にしながら事業の見直しを行ってきました。平成30年度からは、現行、午前9時から午後5時までとしている利用時間帯を、午前8時から午後6時までに拡大する予定です。
今後も高齢者の地域での生活を支援し、介護者の負担を軽減するために、これらの事業を着実に実施してまいります。
以上で答弁を終わります。◆37番(田中のりひで) 御答弁ありがとうございました。
この2つのサービスについては、今御答弁いただいたように広く活用されて、高齢者が地域で生活する上で大変有益なものになっていると思います。そこで少しずつ改善は行われているわけですので、まず、今後も私の要望も含めて御検討をぜひお願いしたいということをお願いして質問を終わらせていただきたいと思います。御清聴ありがとうございました。(拍手)2018.06.01 更新