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区議会活動
2020年第1回定例会 沢田あゆみ議員が代表質問を行いました
2月20日に本会議で沢田あゆみ議員が
1.「区政の基本方針説明」と2020年度予算案について
2.国民健康保険と後期高齢者医療制度について
3.新宿区立高齢者いこいの家「清風園」廃止計画と障害者グループホームの整備について
4.子ども・子育て施策について
5.気候変動対策について
以上5項目について、代表質問を行いました。
* 正式な会議録ではありませんが、概要をご紹介します。◆(沢田あゆみ議員) 日本共産党区議団の沢田あゆみです。私は2020年第1回定例会にあたり、会派を代表して質問いたします。
昨年10月、安倍政権は消費税の10%への増税を強行し、その一方で、「桜を見る会」、公選法違反疑惑、IRカジノ汚職、自衛隊の中東派遣、検事長の定年延長、そして安倍首相のヤジと虚偽答弁、これでもかと言うほど問題が噴出し、追い詰められてもなお政権の座に居座り続けています。今年は7月に都知事選挙が行われますが、解散総選挙の可能性もあり、今年こそは安倍政権を終わらせ、国民のみなさんとともに野党共闘で新しい政治を実現するため、日本共産党は力を尽くす決意を申し上げ、質問に入ります。
最初に、「区政の基本方針説明」と2020年度予算案について質問します。
第1は、区民生活の実態についてです。「基本方針説明」で区長は、国の経済情勢について「雇用・所得環境の改善や個人消費の持ち直しなどを背景に、緩やかに回復しています」と言われましたが、国民の実質所得は減り続け、個人消費も落ち込んだまま、内閣府が発表した昨年12月の「景気動向指数」も5か月連続の悪化で、昨年10~12月期のGDP成長率も大幅減です。消費税増税による打撃と、それに追い打ちを掛ける新型コロナウイルスの影響など深刻な事態で、区長の言葉は区民の実感からかけ離れています。さらに区長は、区民のくらしや営業の実態については一言も言及されませんでした。
私もこの間、新年会等で多くの区民や事業者の方々と懇談し、「生活が大変」「景気は決して良くない」「オリンピックまで持つだろうか」など、まさに怨嗟の声を聞いてきました。私たち区議団が昨年実施した区政アンケートでも約2200通の回答が寄せられ、消費税は「8%に戻すべき」が12%、「5%に戻すべき」20%、「廃止すべき」21%、過半数の方々が10%への増税以前の状態に戻すことを求めています。区長は、区民のくらしや営業の実態をどのように認識されていますか。とりわけ消費税増税の区民生活に与える影響についてどう思われますか。このままでは今年日本はマイナス成長に陥ると分析しているシンクタンクもあり、国もそれを認めるかのような発言をしていますが、区長はいかがお考えでしょうか。私は、消費税は5%に戻すことが必要と考えますが、区長の見解を求めます。
第2は、今後の財政見通しと財源確保についてです。予算編成方針で区長は、実質単年度収支が6年連続黒字で基金残高も確保したとして、区財政は引き続き堅調であることを示しました。納税義務者数の増加傾向で区民税の増収が続いていますが、今後の見通しはいかがでしょうか。基金残高もここ数年、毎年当初見込みを超える積み戻しで2019年度も昨年の見通しよりも56億円増えていますから、おそらく2020年度末も増となり過去最高水準に近づくものと考えますが、いかがでしょうか。
一方で、住民税の一部国税化やふるさと納税の影響など国の理不尽な政策によるマイナス要因と、都区財政調整協議における都区の配分割合に対する東京都側の理不尽な対応など、国や都と闘い財源を確保するという大きな課題があります。住民税の一部国税化とふるさと納税の影響額はどうか、都区財調への影響についてもあわせてお答えください。
都区の配分割合については、児童相談所の区移管をめぐって、区側は0.26%56億円の増を主張したにもかかわらず、都側は根拠の数字を示さず、結局0.1%18億円の増で2020年度は合意し、今後再協議をすることになったと報じられました。なぜ区側は38億円もの乖離がある0.1%という数字で合意してしまったのですか。新宿区は児童相談所の設置を最低3年以上延期を決めたとはいえ、大きな影響を受けることは明らかです。0.26が0.1になったことによる新宿区への影響はどのように試算しているのか、この問題で区長は区長会等でどのように主張してきたのか、今後の協議をどのように進めようとしているのか、お答えください。
国の理不尽な税制改悪にしろ、都区財調にしろ、これまでのような闘い方では国や都からすればコップの中の嵐としか捉えられていないのではないでしょうか。これまでも繰り返し提案してきましたが、いよいよ区民大会を開いて国や都に働きかけなければ、事態は一向に動かないのではないでしょうか。区長の見解を伺います。
第3は、中小零細業者と商店会への支援についてです。長引く消費不況と消費税増税等の影響に苦しむ中小零細業者への支援は、今やらなければドミノ倒しで商店会活動の担い手すら失ってしまうのではないかと危惧する声を聞いています。今こそ区の財政力を活かした新たな支援が必要です。
商店会の加入店舗数が減少し、安心安全上も重要な商店街路灯の維持すら難しいという声が少なくありません。商店街路灯への補助は、街路灯の間隔など基準を設け補助率を8割としていますが、これを9割10割へ引き上げたとしても、LED化が全体の8割を超えていますから、かかる経費は300万円または600万円で可能です。この際、補助率の拡大をしてはいかがでしょうか。
また、個店に対する支援の充実も待ったなしです。あらゆる手だてを尽くす必要があります。例えばホームページ作成を個別に助成すること、そのための専門性の高いアドバイザー派遣、さらには商店リニューアル助成など実施してはいかがでしょうか。
第4は、定住化基金と学生及び勤労単身者向け家賃助成制度についてです。今定例会に「定住化基金条例を廃止する条例」が提出されました。定住化基金は、「新宿区の住宅及び住環境に関する基本条例」=住宅基本条例で謳う定住化促進のために設置され、家賃助成制度は当初、基金の果実運用で行われてきたものですが、数年前から基金廃止の方向性が示されてきました。その際私たちは、基金を廃止したとしても制度は続けるのかと確認をし、「現時点では引き続き、…現状でやっていきたい」と1年前にも答弁していたので、今回、学生及び勤労単身者向け家賃助成制度を廃止すると聞いて私は大変驚きました。区民や区議会に事前の相談も報告もなく、家賃助成の予算に若者の分野を除外して計上するやり方は、若者や議会を軽く見ているのですか。ファミリー向けは残し若者向けを廃止する理由と、その具体的根拠もあわせてお示しください。
住宅基本条例第15条では、「区長は、区内の住宅の賃借人のうち特に援助を必要とする者に対し、区の施策に基づいて家賃の一部を補助することができる。」とあり、現在は格差と貧困の拡大でむしろ必要とする人は増えているのではないでしょうか。私が相談を受けた方は30代の派遣労働者で、所得は低いのに都営や区営住宅の対象外。新宿区のような都心に住まなければ時給の良い仕事を続けられないので、劣悪な環境の住宅を転々とする生活を余儀なくされているというのです。国は39歳までを若者としていますが、この間、就職氷河期世代も含めて非正規雇用の若者が増えている現状を見れば、新宿区が行ってきた若者向け家賃助成制度は拡大こそすれ廃止することは貧困に苦しむ若者をますます新宿区から追い出すことになるのではないでしょうか。
昨年、東京地方労働組合評議会が行った「東京都最低生計費試算調査」によると、東京3,238人分の調査データのうち10代から30代の新宿、世田谷、北の3区に住む若年単身者411人のデータを元に、25歳単身者のモデルを想定していますが、他県より家賃負担が重く、北区でも月5万7292円かかり新宿区は通勤が徒歩や自転車で交通費が安くすむと想定する一方で、家賃は月7万6042円になったとのことです。東京地評の事務局長は記者会見で、「家賃が高い新宿区では若者に月1万円の家賃補助制度があるものの募集枠が30件に限られている」として、「政治に対して、家賃補助の拡充などを要求していくことも必要だ」と、新宿区の若者向け家賃助成制度を評価し、他の自治体に拡大することこそ必要だと指摘されました。
区長は若者の置かれている現状をどう認識し、どう支援をしていくおつもりなのかお答えください。学生及び勤労単身者向け家賃助成制度は廃止ではなく対象の拡大こそすべきと考えますがいかがでしょうか。
第5に、オリンピック・パラリンピックを契機とした区の取り組みについてです。
「オリンピズムの目的は、人間の尊厳の保持に重きを置く平和な社会の推進を目指すために、人類の調和のとれた発展にスポーツを役立てることである。」という根本原則を区としてどう具現化するのかが問われています。東京都もいわゆる人権条例を制定し、初めてLGBTQについて触れ、性的指向・性自認を理由とした差別を禁止しました。しかし「基本方針説明」ではオリンピック・パラリンピックを契機とした人権擁護への取り組みは触れられていません。
ここではパートナーシップ制度に絞って伺います。渋谷区に始まり、直近では1月22日から大阪府が実施に踏み切ったことで、日本の人口の2割の人々が住む地域をカバーするまでに広がりました。先月、私たちは超党派で豊島区を視察してきました。豊島区も条例制定前に課題整理のための調査を実施していました。新宿区も課題整理の調査で、区営住宅の申し込み要件など改善の必要性がわかっています。新宿区でも早急にパートナーシップ制度を創設すべきではないでしょうか。制度創設前でもできる区職員の介護休暇など福利厚生を同性パートナーにも認めることは千葉市や福岡市が実施しているように新宿区でも直ちに実現すべきと考えますがいかがでしょうか。以上、答弁願います。◎(吉住健一区長) 沢田議員のご質問にお答えします。
「区政の基本方針説明」と令和2年度予算案についてのお尋ねです。
はじめに、区民生活の実態についてです
昨年の10月1日に消費税率が8%から10%に引き上げられ、4か月が経過しました。国は、1月の政府月例経済報告で、景気は緩やかに回復しているとしているものの、一部で弱さが見られると判断しており、その先行きについても、消費者マインドの動向に留意する必要があるとしています。
また、2月17日の2019年10~12月期のGDP速報値では、消費税率引き上げ前の駆け込み需要の反動減や、大型台風と暖冬による個人消費の落ち込みが示されています。このことから、区民生活や地域経済は、依然として先行き不透明であり楽観視することはできず、また、新型コロナウィルス感染症の経済への影響も懸念され、慎重に見極めていく必要があるものと認識しています。消費税率の引き上げは、持続的な社会保障制度の構築などへの安定財源を確保する観点から、必要であると考えています。区では、引き上げ分を主に、国民健康保険料など保険料の軽減措置、介護保険サービスの基盤整備、子ども・子育て支援給付及び障害者への自立支援給付などの社会保障の充実に活用しています。
次に、特別区民税の今後の見通しについてです。
納税義務者数の増加傾向については、新宿自治創造研究所が公表した「住民基本台帳に基づく新宿区将来人口の見通し」によると、生産年齢人口の伸びがやがてマイナスに転じることが予測されており、予断を許さない状況です。
加えて、区民総所得は景気動向に左右されやすく、また、ふるさと納税も増加傾向が続いていることから、今後の特別区民税の見通しは不透明であり、楽観視できないと考えています。
次に、基金残高についてのお尋ねです。
長期的に見た区政の課題を俯瞰しながら安定した財政運営を確保し、また、緊急の行政需要にも的確に対応するために、特別区税等の一般財源が好調な時には基金へ積み立てることが重要と考えています。区の基金残高は平成20年度末に最大となりましたが、リーマンショック発生後、平成21年度から5年間で262億円の減となりましたが、適切な積立があったことから、安定的で良質な区民サービスの継続的な提供ができたと考えております。基金残高見込みについては、令和元年度末は548億円で、ご指摘のとおり、令和元年度の当初予算編成の際の見込みよりも56億円多くなっています。令和2年度末残高は、26億円ほど減少し、522億円となる見込みです。
額面の単純比較では、過去最高水準に近づいていますが、一般会計予算規模に対する基金残高割合をみると、平成20年度の年度末の残高608億円は、当初予算1,208億円に対し、50.3%を占めていたものの、令和元年度末見込み548億円は、当初予算1,508億円に対して36.4%にしかすぎません。したがって、先行き不透明な状況の中で、区財政を取り巻く財政環境が異なり、基金残高が過去の数値に近づいていることをもって、急激な経済変動や増大する行政需要、そして、災害時に適切な対応がとれるだけの備えであるとは必ずしもいえないと考えています。
次に、法人住民税の一部国税化とふるさと納税による減収についてのお尋ねです。
法人住民税の一部国税化による影響額ですが、特別区全体では、消費税率が5%であった平成25年度と比較すると、令和2年度は約1,006億円の減収と試算されています。都区財政調整の財源である調整税等の減収を受け、結果的に各区の基準財政需要額がその規模に応じて圧縮されていることを勘案し、新宿区の財調交付金実績で算出すると、令和2年度は約30億円の減収と見込まれます。また、令和2年度のふるさと納税による減収額は、寄附者の増加により、前年度比22.4%増の約26億円になるものと見込んでいます。
次に、都区財政調整協議についてです。
現行の配分割合は、平成19年度都区財政調整協議の結果、三位一体改革等の影響も踏まえ、52%から55%へと改めたものです。この配分割合は中期的に安定的なものとし、大規模な税財政制度の改正があった場合や、都区の事務配分、または役割分担に大幅な変更があった場合などに変更すると都区間で確認しています。
特別区が政令の定めにより児童相談所を設置した場合、その関連事務が都から区へ移譲され、役割分担の変更に該当することとなり、区側は配分割合を変更すべきと強く主張してきました。
しかしながら、都側は今後開設を予定する22区の過半数である11区の児童相談所の決算が出た時点で改めて協議すべきと主張し、双方の見解の隔たりは大きく、協議が中断されました。その後、都から特例的対応として、配分割合を55%から55.1%に変更する新たな方針が提示され、暫定的合意として了承しました。
今回の財調協議の結果、児童相談所関連経費については、区が主張していた規模などとは乖離しているものの、中期的に安定的なものと合意された配分割合の変更に踏み込んだこと、先行3区の決算実績が出る令和4年度に協議に応じる方針が示されたことは、最低限の結果として受け止めています。区側の主張と合意内容との乖離分については、23区全体で負担を分かち合うこととなります。令和4年度財調協議にあたっては、先行区の実績を需要額算定に反映できるよう、23区一丸となって取り組んでいきます。
次に、都区財政調整協議についてです。
現行の配分割合は、平成19年度都区財政調整協議の結果、三位一体改革等の影響も踏まえ、52%から55%へと改めたものです。この配分割合は中期的に安定的なものとし、大規模な税財政制度の改正があった場合や、都区の事務配分、または役割分担に大幅な変更があった場合などに変更すると都区間で確認しています。
特別区が政令の定めにより児童相談所を設置した場合、その関連事務が都から区へ移譲され、役割分担の変更に該当することとなり、区側は配分割合を変更すべきと強く主張してきました。
しかしながら、都側は今後開設を予定する22区の過半数である11区の児童相談所の決算が出た時点で改めて協議すべきと主張し、双方の見解の隔たりは大きく、協議が中断されました。その後、都から特例的対応として、配分割合を55%から55.1%に変更する新たな方針が提示され、暫定的合意として了承しました。
今回の財調協議の結果、児童相談所関連経費については、区が主張していた規模などとは乖離しているものの、中期的に安定的なものと合意された配分割合の変更に踏み込んだこと、先行3区の決算実績が出る令和4年度に協議に応じる方針が示されたことは、最低限の結果として受け止めています。区側の主張と合意内容との乖離分については、23区全体で負担を分かち合うこととなります。令和4年度財調協議にあたっては、先行区の実績を需要額算定に反映できるよう、23区一丸となって取り組んでいきます。
次に、国による不合理な税制改正などについての国・都への働きかけについてのお尋ねです。
住民税を地方自治体間の財源調整に用いることは、地方税の原則を歪めるとともに、地方分権の流れに大きく逆行するものです。特別区長会は、「不合理な税制改正等に対する特別区の主張」の中で、特別区は財源に余裕があるかのような誤解があるとして、実態を示しながら反論をまとめるとともに、国に対し要望活動を行っています。私は、地方税の本旨を無視した不合理な税制改正で都市部から税源を奪うのではなく、国の責任において地方自治体の税財源の拡充を図るべきとし、今後も真の分権社会の実現に向け、引き続き、区ホームページや広報新宿への掲載などをはじめとして、地方税財源の拡充を強く主張してまいります。都区財政調整協議についても、23区一丸となって取り組んでまいります。
次に、中小零細業者と商店会への支援についてです。
商店街灯については、商店会などが独自に地域の賑わい創出を目的に設置した装飾灯であり、区街路灯より1基あたりの電球の数を多くするなど、デザインも独自性が高いものとなっています。安全で安心なまちの実現に資するものであることから、その維持管理費の一部を区としても助成していますが、営業活動の一環という側面もあることから、一定の受益者負担は必要であると考えます。
次に、個店に対するホームページ作成の個別助成とそのための専門性の高いアドバイザー派遣、さらには商店リニューアル助成などを実施してはどうかとのお尋ねです。
区では、これまで新宿区商店会連合会の運営するホームページ「新宿ルーペ」の内容充実に対して支援を行ってきており、この間個店の登録数も増え、1月末現在で1,562店が掲載されています。そのため、個店が行うホームページ作成について個別に助成を行うことは考えていませんが、「新宿ルーペ」への登録については、引き続き商店会サポーターの活動などを通して支援を行っていきます。ホームページ作成のための専門性の高いアドバイザー派遣については、東京都中小企業振興公社が実施する専門家派遣事業等と連携しながら支援を行っていきます。また、商店をリニューアルする際などには、資金調達支援のための低利の制度融資や中小零細事業者が無担保・無保証で利用できる小規模事業者経営改善資金への利子補給を行っています。さらに、国や東京都が行う店舗改装を助成対象とする制度を経営相談などの際にご案内するなど、商店の実情に応じた支援をきめ細かく展開しているところです。このことから、商店リニューアル助成などを実施する考えはありませんが、今後も区内事業者の実態把握に努め、関係機関とも連携しながら効果的な支援を行ってまいります。
次に、定住化基金と学生及び勤労単身者向け家賃制度についてのお尋ねです。
定住化基金は、バブル期の地価高騰による急激な人口流出を背景に、平成2年に設置しました。
ご指摘のとおり民間賃貸住宅家賃助成制度は、この基金を財源に定住化対策の一環として、平成3年度より子育てファミリー世帯を対象に、平成5年度には学生及び勤労単身者を対象に家賃の軽減を図るために事業を開始したものです。単身者を対象とした事業による定住化率については、これまで助成を受けた方のうち助成期間終了後も引き続き10年間以上居住した単身世帯が、35世帯、15%でした。このことから、単身者向けは、バブル期の人口流出期の定住化に寄与しましたが、バブル期後の地価高騰は沈静化し、近年は人口動態も都心回帰に転じるなど社会情勢の変化を踏まえ、新たな募集は令和元年度までといたします。子育てファミリー世帯向けについては、地域における健全なコミュニティの維持・発展などに資することも期待できることから、継続してまいります。定住化基金の廃止や本事業の見直しについては、定住化の実績や社会状況の変化を踏まえて行うもので、本議会定例会において、ご審議いただきたいと考えています。こうしたことから、ご指摘の事業の拡大は考えておりません。若者の置かれている現状は、仕事や学業など、それぞれのステージにより、一人ひとり様々です。このため、若者一人ひとりにとってふさわしい支援が重要であり、経済的事情など、ご自分だけでは民間賃貸住宅を見つけることが困難な方については、居住支援協議会の場において円滑な入居への支援を協議してまいります。
次に、パートナーシップ制度の創設についてのお尋ねです。
区では、多様な生き方を認め合う社会づくりを目指し、性の多様性について、区民及び職員に向けた講座や、イベントの開催などにより啓発に取り組んでいます。また、若い世代に向けて、現在作成中である中学生向け啓発誌による取り組みも進めてまいります。さらに、窓口や行政サービスにおける性的少数者の方への対応状況を調査するとともに、その内容を全庁的に情報共有し、各施策現場において、適切できめ細かな対応に取り組んでいます。パートナーシップ制度は、性的少数者の方が、社会生活を送るうえで抱える、さまざまな問題に対する自治体の取り組みのひとつであると捉えています。同性パートナーシップについては、婚姻制度のあり方について十分な議論を踏まえたうえで、国において結論を出すことが必要と考えており、区での創設は考えておりません。
次に、区職員の同性パートナーの介護休暇など福利厚生の実施についてのお尋ねです。
ご指摘のとおり、現在千葉市、福岡市など、職員の同性パートナーを対象とする介護休暇等を認めている自治体があることは承知しているところです。一方、地方公務員の休暇制度や福利厚生制度などの勤務条件は、国・他団体の職員との間に均衡を失しないよう定めるべきものとされています。また、区民の理解の得られる制度とする必要があり、勤務条件における同性婚のあり方の議論が成熟しておらず、法整備も行われていない現段階では、区職員の同性パートナーの介護休暇等の導入は考えていません。なお、区職員の相互扶助団体である新宿区職員互助会では、同性婚の場合における「給付金制度」の創設について、常任理事会で検討を始めたと聞いています。
◆(沢田あゆみ議員) 次に、国民健康保険と後期高齢者医療制度について質問します。
第1は、国民健康保険についてです。今回も、国民健康保険料改定の条例案とともに一般財源からの繰入金を減らす一般会計補正予算案と国保料の値上げの特別会計補正予算案が同時に追加で議会に出され、その直前に国民健康保険運営協議会=運協が開催されましたが、具体的な保険料率を示す資料は当日配布で、充分な議論が保障されず、採決の結果21名中11名しか賛成しないという前代未聞の事態となりました。なぜ3年続けてこのようなやり方なのか、お答えください。
運協の前に送付された資料を見ても、2020年度の数字は全て空欄で、昨年11月26日に決まっている東京都の運協の資料すら含まれていませんでした。その東京都運協の資料によると、「激変緩和措置に必要な財源は国公費により全額賄うことが可能であることから、激変緩和に都繰入金は活用しない」などとあり、その結果、法定外繰入による軽減を行わない場合は現行の保険料算定額と比べて伸び率3.1%で負担増となることが示されています。こうした情報を踏まえ新宿区の運協を開催し、委員に説明し議論を行うべきであり、今回は事前の資料配付すらなかったことは問題です。今、指摘したことを今後の運営に活かし、改善をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
国は法定外繰入ゼロの方針を押しつけても、2020年度は新宿区も引き続き法定外繰入を行うことになると思いますが、そもそも都が法定外繰入をせず区市町村と被保険者に負担を強いるやり方は問題であり、法定外繰入の削減計画を持って前年度以上に減らしていかなければペナルティの対象になるというやり方も問題です。この点、区長はいかがお考えですか。東京都にも国にも財政支援を求めるべきと考えますが、見解をお示しください。
第2は、後期高齢者医療制度についてです。後期高齢者医療保険料も値上げの案が出されていますが、所得割率は0.08%引き下げるものの、均等割が800円値上げされ、さらに特例措置の段階的廃止で特に低所得の方ほど負担増となります。一人あたりの保険料は初めて10万円を超え10万1053円に、3926円の負担増となります。国は年金受給者に給付金を支給すると言いますが、私の知っている方は満額の5000円からほど遠い数百円でした。今回の値上げで保険料負担が増える人がどれくらいで、給付金と相殺したとしても負担増になる人がどれくらいいるのかお示しください。
そもそも今回の値上げは本当に回避できなかったのでしょうか。財政安定化基金の残高は現在212億円で、これを活用して2年間で約140億円を投入すれば値上げは回避できます。財政安定化基金の適切な運用を求めるとともに、負担増となる区民には、区独自で助成を行うべきではないでしょうか。区長の答弁を求めます。◎(吉住健一区長) 国民健康保険と後期高齢者医療制度についてのお尋ねです。
はじめに、国民健康保険運営協議会の開催日及び具体的な保険料率を示す資料が当日配布となる理由についてのお尋ねです。
新宿区の国民健康保険料率は、特別区基準保険料率を採用しており、この特別区基準保険料率の決定が、平成30年より2月中旬となっています。それ以前は、1月に決定していましたが、制度改正によって都としての決定行為が追加されたため、日程が変更となったものです。一方で、一般会計繰入金を含め、新年度予算全体をご議論いただくためには、本定例会に、保険料率改定に関連する条例案と予算案を同時に上程する必要があり、条例案を諮問させていただく運営協議会を上程直前に開催せざるを得なくなっています。今回は、事前にお示しできる資料は全て送付させていただきましたが、具体的な保険料率を示す資料は、やむを得ず、当日の配布となったものです。
次に、東京都国民健康保険運営協議会に示された情報を踏まえて、区の運営協議会を開催するべきであったとのお尋ねです。
例年、東京都国民健康保険運営協議会で示される標準保険料率は、区が採用する特別区基準保険料率と大きな乖離があることから、この情報をもって、区の運営協議会で説明することは適切ではないと判断したものです。今後、国や都の大きな方針変更や制度改正がなされる場合は、運営協議会を開催して委員の皆さまにご議論いただきたいと考えています。
次に、法定外繰入を前年度以上に減らしていかなければペナルティの対象となるやり方は問題ではないかとのお尋ねです。
国民健康保険制度は、医療給付にかかる費用を、制度的に定められた公費と被保険者の保険料によって賄うことが原則です。現在、区は、他の社会保険制度との公平性の観点から、平成29年度に特別区長会がとりまとめた「国民健康保険制度改革に伴う対応方針」に沿って、都や他区と連携・協力しながら、法定外繰入金の解消又は縮減に取り組んでいるところです。法定外の繰入金を解消することの必要性を、被保険者の方々にご理解いただくことが重要であると考えます。
次に、東京都や国に対して財政支援を求めるべきとのお尋ねです。
国民健康保険制度を安定的に運営し、持続可能な制度としていくためには、国や都の責任は大きく、更なる支援が必要であると考えます。区は、これまでも全国市長会や特別区長会を通じ、国や都に対して財政支援を拡充するよう強く要望しています。
次に、後期高齢者医療制度における保険料率の改定の影響人数ついてのお尋ねです。
今回の保険料率の改定により保険料が増になる新宿区の被保険者は約2万4千人で、全被保険者の約7割です。その中で、年金生活者支援給付金と相殺しても保険料が増になる人数は約200人です。
次に、財政安定化基金の運用についてのお尋ねです。
今回、東京都広域連合では保険料率の低減対策として平成30年度・令和元年度の2か年で、各区市町村からの一般財源217億円に加え、保険財政収支に係る剰余金186億円を見込みました。その上で、現行の1人当たり平均保険料額を引き上げないためには、さらに約140億円の追加財源が必要となりますが、現在の財政安定化基金の残高の約 66%相当となり、医療給付費の急増等に対応できなくなる恐れがあるため、保険料率の値上げ回避のために拠出することは困難となっています。
次に、区の独自助成についてのお尋ねです。
法令により、基本的には同一広域連合内は均一の保険料率とすることが定められております。東京都内62区市町村のうち、新宿区だけが独自の保険料の基準を持つということは、法制度の趣旨に反することになりますので、実施する考えはありません。
◆(沢田あゆみ議員) 次に、新宿区立高齢者いこいの家「清風園」廃止計画と障害者グループホームの整備について質問します。
最初に、「清風園」についてです。「清風園」は、1962年に都が開設、65年に区に移管され80年に建て替え、浴室、談話室、集会室等を備え、カラオケや囲碁なども楽しめる施設で、区内全域の高齢者に広く利用され、高齢者福祉の中核として大きな役割を果たしています。昨年12月、区は、「清風園廃止及び廃止後の跡地活用について」とする報告を議会に行い、本年1月18日と19日に「清風園」と落合第二地域センターで地域説明会を行いました。説明会では、「なくなったら困る」「廃止ありきではなく地域の声を聴いて欲しい」という利用者や地域住民の声が多数でした。にもかかわらず区は2月5日、区議会に対し「概ね理解を得た」と報告したのです。しかし、その後も利用者・地域住民から議員に対して意見交換も含めた働きかけがされるなど、地域では依然として「清風園」の廃止には納得していない現状があり、地元中落合一丁目町会の中では「この地域から区有施設が一つもなくなる」との声があがっており、「概ね理解を得た」などという区の主張とはかけ離れています。区長はそうした声があることをご存じですか。区長自身は理解を得たとお考えですか、お答えください。
今回の「清風園」廃止計画には様々な問題があります。1つ目は、「清風園」廃止ありきの区の姿勢の問題です。区は、区有施設を総床面積で22%削減する新宿区公共施設等総合管理計画で「清風園」についても「施設の大規模な改修・建替の際、民間によるサービス供給の状況を勘案しながら統廃合を検討する」としていることを挙げ、廃止ありきで進めてきました。区は利用者が大幅に減っていることを廃止の理由の一つとしていますが、年間利用者が2013年36,822人に減っているのは、この年の6月にボイラーの1台が故障して以降、日曜祝日はお風呂が利用できなくなったことによります。説明会の場でもお風呂を切望する声が多く、障害者団体の方もそれを聞いて「お風呂を残せば良いのにね。」と言っていました。利用者の多くはお風呂が魅力で来ているのです。お風呂の重要性は、旧「大久保ことぶき館」とその代替施設の利用実態を見ても明らかで、お風呂があった2011年の年間利用者数は12750人だったのが、仮施設に移動し、お風呂がなくなった2012年には6608人に、さらに代替施設として作られた、「グループホームあんじゅうむ大久保」内の「高齢者地域交流スペース一福」の2018年の利用者は5516人へと大幅に減少している事でも証明済みです。「清風園」の利用者減は、お風呂が充分使えなくなったことが原因だという認識はありますか。
先日、私ども区議団で「清風園」を視察しましたが、床のじゅうたんがビニールテープであちこち補修されていたり、通信カラオケではないから曲の更新ができないなど、補修の不十分さや設備の古さが目立ちました。本庁舎より14年も新しい施設をこんな状態にしたのはなぜですか。それでもなお年間26506人、月平均2200人を超える区民が利用しているのですから、本当に愛されている施設なのだと改めて思いました。
2つ目は、他の施設で「清風園」の代替が可能なのかという問題です。上落合、中落合、下落合それぞれの地域交流館が代替施設として挙げられていますが、そもそも坂の上まで行かれないという問題と、お風呂が一つしかなく利用は男女入れ替え制、利用時間も正午から午後3時までです。お風呂が男女別で午前10時から午後4時まで利用でき、お風呂の前後にゆったりと食事もできる「清風園」とは全く違います。
私ども区議団は、区が代替施設と言う中落合高齢者在宅サービスセンターも視察しました。区はデイサービスの定員を減らしたことにより代替スペースは確保できるとしていますが、施設担当者に聞いたところ、1階のデイサービスでは土曜日の中止を検討しているものの、それ以外の日は様々なデイサービスの提供が行われスペースはなく、そもそも区とは具体的にどのくらいスペースが空くかについて協議すらしていないとのことで驚きました。また、空いているとしたら介護者教室や町会が利用している地下1階の会議室くらいですが、ここを利用するとしても「清風園」の機能を全て受け入れることは不可能です。以上のようなことから、「清風園」は区内唯一の施設であり、他の施設では代替できないと考えますが、区長の見解を求めます。
3つ目は、地域住民や利用者が政策決定に参加しているかという問題です。「清風園」は、区条例に基づいて設置されている施設であり、廃止するには廃止条例を議会で可決する必要があります。にもかかわらず、近隣に配布された説明会開催案内では、区の「施設活用検討会」での決定が最終決定であるかのような誤解を与えるもので、とんでもありません。地域説明会でも「廃止の結論ありきで押しつけるべきではない」「方針を決定する前にきちんと地域の意見を聴くべき」との声があがりましたが、当然です。まず「清風園」のあり方について利用者・地域住民とともに考えることが先ではないでしょうか。説明会の場でも地域住民とともに「検討会」を持ってほしいという意見が出ましたが、それに応えるべきではないでしょうか。次に、障害者グループホームの整備についてです。
区は、「清風園」廃止後の跡地に民設民営の障害者グループホームを2025年4月を目途に建設するとしています。地域説明会では、重度重複障害者の親御さんの「15年間グループホーム整備を要望しているが、できなかった」「私たちはもう待てません」という悲痛な訴えに、私は身につまされる思いがしました。と同時に15年間も何もしてこなかった区の姿勢に怒りを禁じ得ませんでした。区が「障害者計画」策定にあたり2016年に行った調査から読み取ると、主な介助者が支援できなくなった場合のグループホーム、福祉ホーム入所希望者は205人、「今後希望する生活」でグループホーム入所を希望する在宅の方は144人。区の説明でも、区内に入所できず遠方に入所している方が少なくとも100人いるという現状を考えた時に、障害者グループホームは急務の課題です。
1つ目は、障害者グループホーム整備に対する区の姿勢です。私たち区議団は、かねてから障害者グループホームの整備については公有地・民有地を問わず用地確保を進め、民設民営に限らず公設公営、公設民営などあらゆる手立てを尽くすことを要求してきました。説明会で区は、公有地利用のため努力したかのように言いましたが、実際は公有地の有無につき情報収集しただけで、区の方から積極的に働きかけた事実はないことをその後の議会答弁で認めました。
例えば、私たちが提案してきた都営角筈アパート跡地についても区は、10年前に地元から福祉施設整備の要望があった際、都に対し口頭で地元要望に配慮を求めたのみで、都の関係部局に対しグループホーム建設案を示した交渉は行ってきませんでした。
区の姿勢は、整備計画のあり方にも現れています。「障害者計画」では、グループホームはわずかに5人ずつ増えることになっていますが、これは民間事業者が整備してくれるだろうというもので、あくまで民設民営しか考えていないからそれ以上の見込みが立たないのです。少なくともニーズに見合った整備計画を、年度を具体的に想定して示すべきではないでしょうか。そして、民設民営の方針から脱却しない限り今後の整備も進まないと思いますが、いかがですか。
2つ目は、今後の施設整備についてです。障害者グループホームの需要を考えれば、「清風園」の如何にかかわらず今から公有地・民有地を問わず具体的な整備を進めることが必要です。都有地について言えば、「都有地活用よる地域福祉インフラ整備事業」を利用すれば、地代の平米単価36万円以下までは1/2補助、それを超える部分には9/10補助があり大幅な負担軽減策があります。例えば先ほど挙げた都営角筈アパート跡地についても今から手を挙げるべきと考えますが、いかがでしょうか。もしそれで地代が高いというなら、公設公営や公設民営で整備を進めるべきではないでしょうか。お答えください。
そして、賃貸期間が終了予定の区有地も活用すべきです。区は、賃貸物件について期間終了後の具体的な施設整備を検討していません。現在貸出している区有地の中には吉本興業東京本部として利用され2023年に賃貸期間が終了する旧四谷第五小学校のような物件もあります。これら区有地の活用について、今後の方針をお答えください。◎(吉住健一区長) 新宿区立高齢者いこいの家「清風園」廃止計画と障害者グループホームの整備についてのお尋ねです。
はじめに、清風園の廃止に対する地域の理解についてです。
清風園については、施設の老朽化に伴い大規模な改修工事を行う必要があること、利用者が減少していること、周辺地域には同様の機能を有する地域交流館や公衆浴場があることを踏まえ、廃止の検討を行ってきました。また、障害者グループホームについては、民有地を活用した整備が進まないことから、区有地を活用した整備の可能性を検討してきたところです。こうしたことから、清風園の廃止と、区有地である跡地を障害者グループホーム等として活用することを合わせて検討し、昨年12月に清風園の廃止及び廃止後の跡地活用方針案としてまとめたものです。
清風園の廃止と跡地活用方針案については、1月18日・19日に地域説明会を開催したほか、清風園周辺の町会長や落合地区の高齢者クラブ連合会、民生委員・児童委員協議会、障害者団体などに説明させていただきました。こうした説明を行う中では様々なご意見もいただきましたが、清風園の廃止について、おおむね地域のご理解をいただくことができたと考えています。
次に、清風園の利用者の減少はお風呂が十分に使えなくなったことが原因である、という認識についてのお尋ねです。
清風園の利用者のうち、お風呂の利用者は全体の約4分の3を占めていますが、毎年減少している状況にあります。平成25年6月には、老朽化したボイラーの負荷軽減のために、日曜・祝日のお風呂の利用を休止しました。また、平成26年度は天井改修工事のため、約1か月半、施設を休館しました。その後も、お風呂の利用者数は平成27年度から28年度にかけてはほぼ同数であったものの、29年度は前年度比で約6パーセント減、30年度は約11パーセント減と、減少し続けています。これは、清風園のお風呂を長年ご利用されていた方が、高齢などの理由により、利用しなくなったことが要因であると考えています。
施設の改修については、利用者に安全かつ快適にご利用いただけるよう、平成30年度には利用者の多くが利用する浴室脱衣所の床の補修や、1階玄関ロビーのじゅうたんを一部張替えました。また、施設の備品についても、令和元年度にマッサージ機1台を新しいものに取替えました。
このように、施設の維持管理については、他の地域交流館等と同様に行っています。
次に、他の施設で清風園の代替が可能であるかについてのお尋ねです。
清風園の周辺地域には、団体活動の場やお風呂の提供、介護予防事業などを実施している中落合地域交流館をはじめ、上落合・下落合地域交流館があるほか、複数の公衆浴場が営業しています。清風園の利用者の多くは落合地区にお住いの方ですが、清風園のような施設がない他の地区の方は、近隣の地域交流館や公衆浴場を利用して、地域での交流や入浴を行っていただいています。地域交流館ではお風呂以外にも、どなたでも自由にご利用いただける談話室や休憩室を設けています。マッサージ機やヘルストロン、囲碁将棋盤やテレビなども用意しており、一日ゆっくりとお過ごしいただくことができます。清風園の廃止後は、こうした周辺の地域交流館や公衆浴場をご利用いただくよう、利用者に対して丁寧に説明してまいります。
また、清風園の廃止にあたっては、隣接する中落合高齢者在宅サービスセンターに、集会や体操、文化活動などにご利用いただける地域交流スペースを整備します。中落合高齢者在宅サービスセンターの定員を縮小したことにより、地域交流スペースの整備が可能であると考えていますが、具体的な場所等については、施設を運営する新宿区社会福祉事業団と協議中です。デイサービスの提供に影響の無いよう、検討を進めていきます。
次に、清風園の廃止について、地域住民や利用者が政策決定に参加しているか、とのお尋ねです。
清風園は、公共施設等総合管理計画において「大規模な改修・建替えに際しては、民間によるサービス供給の状況を勘案しながら施設の統廃合を検討する」ことを方針としています。この方針に基づいて検討を行い、清風園は施設の老朽化に伴い大規模な改修工事を行う必要があること、利用者が減少していること、周辺地域には清風園と同様の機能を有する地域交流館や公衆浴場があることを踏まえて、廃止することとしました。1月18日・19日に開催した地域説明会や、清風園周辺の町会長や落合地区の高齢者クラブ連合会、民生委員・児童委員協議会、障害者団体などへの説明では、様々なご意見をいただきました。いただいたご意見を踏まえ、清風園の廃止にあたっては、利用者に対して周辺の地域交流館や公衆浴場を丁寧に案内するとともに、中落合高齢者在宅サービスセンターの地域交流スペースを、多世代の方にご利用いただけるよう検討してまいります。また、障害者グループホーム等の整備にあたっては、安定的な経営を維持できる条件を整備するとともに、清風園の庭園の植栽をできる限り残すことも条件としてまいります。今後も、施設の廃止に向けた準備や中落合高齢者在宅サービスセンターへの地域交流スペースの整備、障害者グループホーム等の整備を、地域に説明しながら進めてまいります。次に、障害者グループホームの整備についてのお尋ねです。
新宿区障害福祉計画では、障害者生活実態調査により、グループホームの利用意向を把握し、計画期間である3年間の利用見込量を算定しています。併せて、既存のグループホームの受入れ状況を踏まえ、見込量に応じた体制の確保策を示しています。また、新宿区障害者計画では、平成30年度から令和9年度までの長期計画の中で区有地や国、都有地を活用してグループホームの設置を進めることを方向付けています。現在この計画の方向性に従い、払方町国有地を活用して、障害者グループホームの整備を進めており、新宿区障害者計画の見直しを図る際には、新宿区障害者施策推進協議会の委員の方のご意見も伺いながら、計画に盛り込んでいきたいと考えています。今後も、区有地や国、都有地を活用できる時は、グループホームの設置を具体的に検討します。そして、必要な情報の提供や建設費の補助などを通じて、実績のある民間事業者が障害者支援に関する専門性を最大限に活かせる整備・運営を行えるよう、支援していきます。
都営角筈アパート跡地については、当該地の所有者である東京都が跡地活用の方針を検討しており、この中で、土地の持つポテンシャルを最大限に活かしながら、地域の意向が反映されていくことが望ましいと考えています。区有施設等の跡地・跡施設については、施設の特性や土地の規模、立地条件等を考慮し、行政需要等を踏まえながら、適切に活用してまいります。
◆(沢田あゆみ議員) 次に、子ども・子育て施策について質問します。
現在区は、2020年度からの「新宿区子ども・子育て支援事業計画(第二期)」の策定中です。以下、具体的施策について質問します。
第1に、子育てにかかる経済的支援についてです。2018年11月に行った「新宿区次世代育成支援に関する調査」で、「子どもを育てやすい社会に必要なことについて」の問に保護者のみなさんは、「児童手当や税金・教育費の軽減など経済的援助」との答えが就学前児童で50.6%、小学生で54.3%、中学生では60.6%と最も多くなっています。区の調査結果からも子育てにかかる経済的な支援策の拡充が求められています。「基本方針説明」で区長は、子どもの貧困の連鎖を防止するための取り組みについて「子育て支援ガイド」の配布・周知や子育てを応援するボランティア活動を支援するとしていますが、最も求められている経済的な支援の新規・拡充施策が示されていません。全国各地で広がっている、学校給食の無償化、子どもの医療費助成制度の18歳(高校生)までの拡大、就学援助の充実、子どもの国保料・均等割の負担軽減などの施策を区として実施していくべきではないでしょうか。
兵庫県明石市では昨年10月からの幼児教育・保育の無償化で、同市が独自に続ける第2子以降の保育料無償化の財政負担、年間約7億5千万円がなくなるため浮いた財源を活用し、小中両方には足りないので高校受験の教育費などがかさむ中学生を優先し来年度から中学校給食を所得にかかわらず完全無償化する方針を打ち出しました。新宿区は、幼児教育・保育の無償化に対応し、保育園などの副食費を区が負担する判断をしたことは評価できます。その考えを更に広げ、学校給食も無償化すべきではないでしょうか。一気にできなかったとしても明石市のように中学生から始めるとか、葛飾区のように給食費の就学援助対象基準を生活保護費の1.3倍に上げるなど、一歩前進すべきではないでしょうか。
第2は、児童館と学童クラブについてです。「基本方針説明」で区長は、小学生の放課後の居場所について学童クラブの増設・定員拡大に言及し、2020年度の予算案では学童クラブの定員を新設含め195人分増やすとしました。私たち区議団は、学童クラブの定員オーバーと待機児童の解消は学童クラブの増設でと要求してきましたので、鶴巻小学校内学童クラブの新設は評価しますが、児童館の一般の部屋を学童クラブ室に転用し定員拡大する本塩町、榎町学童クラブは、一般児童の場所が狭められ、ぎゅうぎゅう詰めの状態になることは明白です。
児童館は、児童福祉法で定める全ての児童を対象とした児童福祉施設です。学童クラブの定員拡大を児童館でやろうとすれば、児童館そのものの役割が充分に果たせなくなります。今後の学童クラブの定員確保は、児童館スペースを減らすのではなく、新たな学童クラブを設置する計画を持つべきと考えますがいかがでしょうか。
「新宿区子ども・子育て支援事業計画」案では、これまであった「児童館の充実」という文言が削除されていることに対し、説明会では保護者から「児童館をなくすのではないか。」と危惧する声や、「児童館がない地域には作ってほしい。」との要望が強く出されました。保護者のみなさんが心配するには理由があって、例えば杉並区では区立施設再編整備計画=新宿区でいう公共施設等総合管理計画の一環として41の児童館を全廃する方針が出され、新聞でも「消える児童館 懸念」などと取り上げられたり、豊島区も児童館全廃、板橋区も乳幼児に特化するなど児童館を解体する動きがあるためです。
児童館廃止問題を報道したテレビ番組では、杉並区では児童館は廃止するが学校内に子どもの居場所を作るという区の方針に対し、学校だけを子どもの居場所にするのは子ども自身も「窮屈だ」と言い、保護者も「子どもの自立を促すことを阻害するものだ」と反対しています。新宿区は児童館をすべての子どもの居場所として堅持すること、今後は増設含めて児童館を充実していくことを明確に表明すべきではないでしょうか。お答え下さい。
一方、学童クラブの需要は高まり、今年度も12月1日時点で定員1610人に対し1771人が登録し、30クラブ中18クラブが定員オーバーです。オーバーするクラブでは4年生以上の子どもは原則受け入れていません。一方、学童クラブ機能付き放課後子どもひろば「ひろばプラス」には定員がなく4年生以降の登録が学童クラブに比べ多くなっています。区立の学童クラブを利用できない子どもたちが通っていると思われるのが、「民間学童」を標榜する事業者で、区内にいくつもあります。学校からの送迎、塾機能、利用時間も夜9時10時まで、おやつだけでなく夕食も提供するというものです。入会金、年会費の他に月に数万から7,8万円かかるそうです。こうした民間事業者と利用の実態について区が把握し、必要な対策を講じるべきではないでしょうか。
区の計画「素案」で2024年度までの学童クラブの確保数として2370人との数字が出ていますが、確保数とは定員オーバーでも受け入れている子どもは数に含まれていますから、そもそも定員オーバーを前提とした計画であること自体、区の姿勢が問われます。学年ごとの需要を把握し、定員オーバーと待機児童を解消するため何施設で何人定員を増やすのかを明確にした目標値を示すべきではないでしょうか。答弁願います。◎(吉住健一区長) 子ども・子育て施策についてのお尋ねです。
はじめに、子どもの医療費助成制度の18歳までの拡大についてです。
現在、区では、15歳に達する日以後の最初の3月31日までの子どもを対象に、所得制限を設けずに医療費助成を実施しています。このほか、所得制限などはありますが、ひとり親家庭等への医療費助成については、18歳に達する日以後の最初の3月31日までの子どもを対象に実施しています。子育てに対する経済的負担軽減のための施策については、国や都との役割分担や、子育て支援に関する基盤整備とのバランス等を考慮しつつ、財源の確保に努めながら推進していきます。そのため、ひとり親家庭等を除き、医療費助成の対象年齢を18歳まで拡大することは考えておりません。
次に、子どもの国保料・均等割の負担軽減などの施策を区として実施していくべきとのお尋ねです。
子育て世帯への支援については、国民が等しく受けるべき支援であると考えており、全国市長会や特別区長会を通じ、国に対し、国の責任において財政措置を講じるよう要望しています。そのため区単独で実施することは考えていません。
次に、児童館と学童クラブについてのお尋ねです。
初めに、新たな学童クラブの設置についてです。学童クラブの定員確保策としては、児童館内のスペースを改修して定員を拡充するだけでなく、細工町学童クラブのように、区有施設の有効活用による学童クラブも設置しています。今後も、既存スペースの有効活用や民間学童クラブの誘致など、総合的に対策を講じていきます。
次に、児童館についてです。
区では、現時点で児童館を廃止する計画はありません。児童の健全育成を行う場所として引き続き運営していきます。
次に、民間学童を標榜する事業者の利用実態把握と対策についてです。
ご指摘の民間学童を標榜する事業者が、区内に存在することは認識していますが、これらの事業者は、児童福祉法に規定する放課後児童健全育成事業として都への届け出が無いため、実態把握は困難な状況です。なお、待機児童の解消にあたっては、国や区が求める基準を満たした事業者を対象に、現在の補助制度の枠組みの中で引き続き対応していきます。
次に、計画における目標値の示し方についてです。
各年度における学童クラブの登録状況は、各学童クラブや学年毎に規則性は見られず、増減をしていますので、施設毎に何人の定員を増やすといった目標設定はしていません。現在作成中の子ども・子育て支援事業計画の中で、今後の児童数の推計をもとに量の見込みを立て必要な数の確保を掲げてまいりますが、最新の人口推計や利用実態を踏まえながら、受入枠の確保に努めてまいります。◎(酒井敏夫教育長) 教育委員会へのご質問にお答えします。
はじめに、学校給食無償化についてのお尋ねです。
学校給食に要する経費については、学校給食法の規定に基づき、食材料費だけを給食費として保護者に負担していただいています。学校給食無償化の考え方については、法改正や必要な財源措置など、国がその方向性を定めるものと考えており、特定の学齢児における実施も含め、現段階で学校給食無償化を行う考えはありません。
次に、就学援助の充実についてです。
現在、就学援助は、平成25年以降に行われた生活保護基準の見直しの影響が及ばないよう、引き続き改定前の基準で認定を行うなど、子どもの貧困問題に対して適切に対応していると考えており、基準の引き上げを行う考えはありません。
◆(沢田あゆみ議員) 次に、気候変動対策について質問します。
近年の酷暑、台風の強大化、集中豪雨など気候変動に起因する異常気象により、全国各地で多くの被害が発生しています。新宿区でも6月から9月までの熱中症による死亡者は、昨年度は10人、今年度は4人と犠牲が出ており、区としても気候変動に対する施策を講じることは区民の命とくらしを守るうえで大切なことです。
2020年に本格的に始動する温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」では、産業革命前からの気温上昇を1.5度に抑える目標が掲げられ、昨年12月、国連の気候変動枠組み条約第25回締約国会議(COP25)で、CO2排出の削減目標の引き上げを各国に促す成果文書が採択されました。一方、日本はCO2を排出する石炭火力発電所を増設する方針が温暖化対策に消極的と見なされ「化石賞」を2度も受賞するという不名誉な結果となりました。本年1月に開催された世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)では、2050年までに温室効果ガス排出「実質ゼロ」を目指す国は75カ国にのぼり、この流れを進めることが求められています。ところが1月20日の安倍首相の施政方針演説では2050年度までに温室効果ガスを80%に削減する「長期戦略」の実行などに触れたのみで、「実質ゼロ」を目指す姿勢は示さず、石炭火力発電所の増設を進める方針も変えず、国際情勢に逆行する姿勢に世界中から厳しい目が向けられています。
世界では、若い世代が地球環境の危機に声を上げる動きが注目されています。スウェーデンの環境活動家=グレタ・トゥンベリさんをはじめ、若者の運動「未来のための金曜日」の行動が世界の指導者たちに影響を与えています。新宿区でも、選挙管理委員会による小学校での模擬選挙では、環境対策を公約に掲げる児童が多く、環境問題に対する関心の高さが窺えます。子どもたちの願いに私たち大人が応えるべきです。以下、質問です。
第1に、自治体による「気候非常事態宣言」についてです。宣言を行う自治体は欧米を中心に急増し、日本でも14自治体に広がっています。長野県白馬村では地元の高校生の運動で2019年12月4日、気候非常事態宣言が出され、その運動が長野県も動かし都道府県で初めて宣言を行いました。「基本方針説明」で区長も「地球温暖化に対する区民への意識啓発」に言及されました。区としても「気候非常事態宣言」を行ってはいかがでしょうか。また国に対しては、世界水準から立ち遅れたCO2削減目標の見直しや、石炭火力発電所の建設・稼働の中止を強く求めるべきと考えますがいかがでしょうか。
第2に、新宿区のCO2削減についてです。新宿区は2018年2月に策定された「第三次環境基本計画」で、2030年度にCO2排出量を2013年度比で24%削減することを目標としました。2016年度は-13.1%の削減ができましたが、2030年度までの削減目標達成の見通しを伺います。とりわけ全体の8割を占める民生部門のうち業務部門のCO2排出量を抑えることが目標達成の鍵となります。「基本方針説明」には西新宿5丁目中央南地区などいくつもの市街地再開発事業が挙げられていますが、それぞれの再開発によってCO2の排出量がどのように変化すると見込んでいるのかお答えください。私が都市計画審議会員だった時、コクーンタワーの再開発について賛否が分かれ、その時もどんなに技術革新でCO2排出量が抑制できたとしても超高層化することで排出量は増えると言っていました。しかしそのアセスメントは行われていませんでした。今や温暖化対策をあらゆる施策の隅々にまで徹底しなければ地球は守れません。再開発についても経済優先ではなく環境に最大限配慮した計画にすべきと思いますがいかがでしょうか。超高層ビルを林立させるような再開発は見直すべきで、少なくともCO2排出量のアセスメントを行い排出量を減らす計画にすべきと考ええますが、いかがでしょうか。
第3に、省エネルギー機器の設置についてです。区は、太陽光発電設備を施設の新設か大規模改修の時に導入するという方針で、現在17施設に導入しています。2008年の調査をもって現存施設にはこれ以上の設置は難しいとしましたが、それから12年も経過し機器の軽量化も進んでいます。新たに調査し設置を進めるべきと考えますが、いかがでしょうか。
また区立学校への太陽光発電等の設置は環境教育の面でも優れた効果があり、区立小中・特別支援学校40校中16校に設置されていますが、残る24校にも必要です。風力発電や蓄電機能を備えた設備、地中熱利用設備など、環境教育に資する設備の導入を進めるべきではないでしょうか。お答えください。
第4に、廃棄物部門のCO2削減に必要なプラスチックごみ削減についてです。世界でプラスチックごみが問題になる中、自動販売機からペットボトルを排除する自治体が相次いでいます。大阪府豊中市では庁舎にペットボトルを排除した自販機を設置、鎌倉市は昨年4月から市役所内4台の自販機からペットボトル飲料をなくしました。新宿区でも会議にペットボトル飲料を出さないなど取り組みが始まっていますが、庁舎内の自販機からペットボトルをなくし、さらに社会福祉協議会、障害者団体、レガスなど財団に対しても排除を要請していくべきと思いますがいかがでしょうか。以上、答弁願います。◎(吉住健一区長) 気候変動対策についてのお尋ねです。
はじめに、「気候非常事態宣言」についてです。
ご指摘の「気候非常事態宣言」は、地球温暖化などの気候変動に危機感を示し、対策に取り組む決意を表明するものと認識しています。地球温暖化に伴う気候変動による気象災害は世界的な課題であり、区としても率先して解決に取り組んでいく必要があると考えています。「気候非常事態宣言」については、今国会においても決議に向けた議論が行われると聞いています。こうした国の動向も踏まえて区としての対応を検討しているところです。
次に、国のCO2削減目標の見直しや石炭火力発電所の建設、稼働の中止を求めることについてです。
区では、区民や事業者と連携し、できる限りの省エネルギーの推進と再生可能エネルギーの活用を図っていくことが重要と考えています。国のCO2削減目標の見直しや、石炭火力発電所の建設、稼働のあり方については、国において検討を進めていくべきものと認識しています。
次に、2030年度までのCO2削減目標達成の見通しについてのお尋ねです。
区のCO2排出量については、都内の区市町村が連携・協働して取り組む「オール東京62市区町村共同事業」により算定しています。直近の算定実績値である2016年度の区のCO2排出量は、278万3千トンとなっており、全体として2013年度より13.1%、41万8千トンの削減となっています。ご指摘の業務部門についても、2013年度と比較し、13.3%、25万9千トンの削減となっているところです。区のCO2排出量は、2013年度から減少傾向にあります。これは、家庭部門における節電の取組の定着による世帯当たりのエネルギー消費量の減少や、業務部門における省エネ設備等の普及による延床面積あたりのエネルギー消費量の減少が要因と考えています。削減目標達成の見通しについてですが、順調に削減が進んでいるものと認識しています。しかしながら、今後も、人口増や業務部門の延床面積の増加などが想定されており、現時点では正確な見通しは困難ですが、家庭部門、業務部門とも一層の削減に努めていく必要があると考えています。
次に、市街地再開発事業のCO2排出量についてのお尋ねです。
CO2排出量については、区市町村の単位で推計しており、市街地再開発事業によるCO2排出量を推計することは困難ですが、市街地再開発事業により、建築物の延床面積が大幅に増加することから、CO2排出量も増加するものと見込んでいます。都市計画などによる市街地再開発事業については、その前提となる地区計画などにおいて、資源の有効利用や施設・設備の省エネルギー化を推進することなどを掲げています。このため、建築物の整備にあたっては、建築物省エネ法で定める省エネ基準から20%以上強化して削減を求めるとともに、新宿区みどりの条例に基づき、緑化基準を10%以上強化するなど、環境に最大限配慮した計画となるよう指導しています。具体的には、建築物の高断熱化及び省エネ性能の高い設備や地域冷暖房設備の導入、空地や壁面の緑化など、様々な取り組みにより、CO2排出量の削減を図っています。
都市計画などによる市街地再開発事業は、地域特性にあわせて、CO2排出量の削減を含めた環境の保全や防災性の向上などを目指すことから、引き続き、環境とのバランスの取れた市街地再開発事業によるまちづくりを進めていきます。
また、区独自のCO2排出量のアセスメントについては、現在、実施する考えはありませんが、東京都の環境影響評価条例や建築物環境計画書制度などを活用しながら、市街地再開発事業におけるCO2排出量の削減に積極的に取り組んでまいります。
次に、区有施設の太陽光発電設備について新たに調査して設置を進めてはいかがとのお尋ねです。
区では、平成20年度に「区有施設への太陽光発電設備導入の基本方針」を作成し、再生可能エネルギーの積極的な活用に努めています。10kW以上の設置を基本としており、現在、17の区有施設において運用しています。この方針の策定に合わせ、全区有施設を対象に築年数や日照状況、既存設備を除いた空き面積等について基礎調査を行っています。さらに、調査結果を踏まえ、設置の難易度や費用等についても詳細に調査を行った上で、設置施設を決定し、計画的に設置を進めてきました。こうしたことから、更なる既存施設への設置は、困難であると考えています。そのため、原則として新築の建物に太陽光発電設備を導入することとしており、現在、建て替えを予定している牛込保健センター等複合施設についても、設置を検討しているところです。新たに調査を行う考えはありませんが、太陽光発電の技術開発が進んでいることから、今後も情報収集を進めてまいります。
次に、プラスチックごみ削減についてのお尋ねです。
区では、昨年8月に「庁内における使い捨てプラスチック製品の使用削減取組方針」を策定しました。区の多くの会議体においては、この方針に基づき、ペットボトルでの飲料提供から、紙パック、リユースカップに切り替えるなど、庁内全体で使い捨てプラスチック製品の使用削減に取り組んでいます。自動販売機のペットボトルについては、缶や紙パックに切り替えができないか、設置業者と相談するなどの自主的な取組をしている施設が庁内で既にいくつか見られています。今後、新宿区環境マネジメントを推進する中で、こうした取組を社会福祉協議会や障害者団体、新宿未来創造財団などにも広く周知し、一層のプラスチックごみ削減につなげていきたいと考えています。
◎(酒井敏夫教育長) 教育委員会へのご質問にお答えします。
環境教育に資する設備の導入についてのお尋ねです。
ご指摘のとおり、太陽光発電等設備は環境教育にも効果があると認識しており、教育委員会では、平成29年度まで、「エコスクールの整備推進」事業を実施し、各学校施設の立地条件等に基づき、太陽光発電等設備の設置、屋上緑化や校庭芝生化などが可能な学校への整備は完了しています。
今後は、学校施設の改修時などの機を捉え、太陽光発電等設備の設置が可能となった場合には、あらためて整備を検討してまいります。
以上で、答弁を終わります。2020.04.11 更新