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区議会活動
2020年第2回定例会 近藤なつ子議員が一般質問を行いました
6月11日の本会議で、近藤なつ子議員が以下の項目について一般質問を行いました。
1.高齢者いこいの家「清風園」の廃止を巡る問題について
*正式な会議録ではありませんが、概要をご紹介します。◆(近藤なつ子議員) 日本共産党区議団の近藤なつ子です。
私は高齢者いこいの家「清風園」の廃止を巡る問題について一般質問します。
区長は今定例会に「高齢者いこいの家廃止条例」と廃止に伴う解体設計等委託予算を提案し、来年2021年10月1日に清風園を廃止しようとしています。コロナ対策で清風園も休館となり「知り合いに会えず寂しい」「お風呂に行く回数が減り、とても困っている」など、区民も我慢を強いられています。今の区政の最重要課題は、コロナ禍のもとで区民の命と健康、くらし・営業を守ることのはずです。なぜ今、この時期に清風園の廃止条例を出すのか理解できません。以下質問します。
第1に、区民合意のない廃止条例は撤回すべきということです。
区は「公共施設等総合管理計画」に基づき、昨年区内部の検討のみで清風園について「廃止を決定」し、12月に2つの常任委員会に「清風園廃止を前提」にした跡地利用の案について報告、1月に地域説明会を行い「概ね理解を得た」として、区民に正面から廃止について問わないまま政策経営会議で跡地活用まで一気に決定しました。地域説明会の場でも利用者や区民は納得できないと、繰り返し話し合いの場を要望し、コロナ禍で集まりを持つのも難しいなか知恵を出し合いながら、区民の大事な財産・清風園を守りたいと奮闘していた方々から、「卑怯なやり方だ」「なぜ今廃止条例の提案なのか」と怒りが寄せられました。区民・利用者がそう思うのも無理からぬことです。
そもそも区が挙げた廃止の理由に区民は納得していません。築40年で老朽化と言われていますが実は耐震補強も外壁修繕もいらないくらい丈夫な建物で、問題なのは設備交換・改修などをほとんど行わずに放置していたことで、改修すると2億円以上かかると言うのはおかしなことです。利用者の減少も清風園の特徴であるお風呂の利用可能日数が減っているからですが、ボイラー2つが正常に使えれば毎日お風呂を沸かせ、利用者は戻ります。代替施設の具体的な案は未だに示されていません。こんな根拠もない理由をあげるだけで廃止できるなら、今後も次々に高齢者の施設は廃止できることになり、区民が納得できるはずがありません。「あの説明会で意見を持ち帰ると言ったのに報告はどうなったのか、納得できない」と約束を守らない区に怒りの声が上がっています。区民に対しどうして誠意を尽くさないのか、利用者・区民・議会と共に検討せず合意も得ず廃止条例をどうして出したのか、伺います。区長、来年9月末で廃止とせず、検討会などを設置し議論を尽くすため、今回の清風園廃止条例は撤回すべきです。区長の見解を伺います。
第2に、コロナなどの感染症対策としても清風園は必要な施設だということです。
清風園は元々宿泊施設でトイレ付きの個室もあり、個々を隔離しプライバシーも守れる軽症者の宿泊所として感染症対策にも対応できる施設です。設備や内装改修を実施し、食堂も改修すれば避難所として最適です。福祉避難所・2次避難所として維持し、コロナ感染の第2波、第3波に備えて存続をし、修繕こそ急ぐべきと思います。いかがでしょうか。
第3に、障害者グループホームについて伺います。区は障害者グループホームをこの土地に整備するために、建物までのエレベーターと渡り廊下を設置、運営費も含め補助するとしてますが、それだけ不向きな地形であることの裏返しです。コロナ禍で障害者施設の運営は厳しく、事業者が新たに整備しようとする場合、極力リスクを避け、運営しやすい地形や場所を考えます。この土地は民間事業者がグループホームの立地条件としては難しく区立以外では無理でないでしょうか。今区がやるべきは一刻も早く障害者グループホームを建設するため、都営角筈アパート跡地を取得または賃貸するための正式文書を都に提出すこと、区営で建設することではないでしょうか。以上、答弁を求めます。◎(福祉部長) 近藤議員のご質問にお答えします。
高齢者いこいの家「清風園」の廃止を巡る問題についてのお尋ねです。
はじめに、清風園廃止条例の撤回についてです。
清風園は、公共施設等総合管理計画において「大規模な改修・建替えに際しては、民間によるサービス供給の状況を勘案しながら施設の統廃合を検討する」ことを方針としています。この方針に基づいて検討を行い、清風園は施設の老朽化に伴い大規模な改修工事を行う必要があること、利用者が減少していること、周辺地域には清風園と同様の機能を有する地域交流館や公衆浴場があることを踏まえて、廃止することとしました。清風園の廃止と跡地活用方針案については、昨年12月に議会に報告のうえ、1月に地域説明会を2回開催したほか、清風園周辺の町会長や落合地区の高齢者クラブ連合会、民生委員・児童委員協議会、障害者団体などに説明させていただきました。また、3月には地元町会の役員会でも、改めて説明をさせていただきました。こうした説明を行う中では様々なご意見もいただきましたが、清風園の廃止について、おおむね地域のご理解をいただけたと認識しており、廃止条例を撤回することは考えていません。
施設廃止後は、解体して新施設を建設することから、福祉避難所として存続することはできません。
次に、障害者グループホームについてのお尋ねです。
区では、新宿区障害福祉計画の中で、区有地や国、都有地を活用して障害者グループホームの設置を進めることを方向付けています。清風園の跡地についても、この計画に則り民設民営で障害者グループホームの整備を進めるものであり、整備にあたっては実績のある民間事業者が障害者支援に関する専門性を最大限に活かせるよう、必要な情報提供や、建設費の補助を行っていきます。なお、都営角筈アパート跡地については、当該土地の所有者である東京都が、跡地活用の方針を検討しており、この中で、土地の持つポテンシャルを最大限に生かしながら、地域の意向が反映されていくことが望ましいと考えています。2020.07.21 更新