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    2020年第4回定例会 藤原たけき議員が一般質問を行いました

     12月1日の本会議で、藤原たけき議員が以下の項目について一般質問を行いました。

    1.区営自転車等駐輪場の廃止と民営化について

    *正式な会議録ではありませんが、概要をご紹介します。

     

     

    ◆(藤原たけき議員) 日本共産党新宿区議団の藤原たけきです。区営自転車等駐輪場の廃止と民営化について一般質問します。
     先の第3回定例会で、「自転車の適正利用の推進や駐輪場の整備に関する条例」の「改正」にわが党は反対しましたが、賛成多数で成立しました。明治通りを境として東西にエリア分けし、四谷・牛込など東部エリアは2021年4月から、高田馬場・落合など西部エリアは2022年4月から区営駐輪場を廃止し、民設・民営化するものです。東部エリアの「自転車等駐輪場の設置及び管理運営事業者募集要項」が出され、条例「改正」時にはわからなかった様々な問題点が明らかとなった現時点に立って、以下質問します。
     質問の第一は、駐輪場の廃止についてです。「募集要項」によれば、早稲田駅自転車等整理区画のB区画56台と若松河田駅自転車等整理区画の余丁町小学校側区画36台が廃止されます。これらの駐輪場は、放置自転車が歩道にあふれ歩行が困難になるなかで、町ぐるみの強い要望で、区が警察とも協議し、試行錯誤の末、道路上に整備されました。もし廃止されれば、再び放置自転車があふれることになります。このように区民の要望で作られた駐輪場は廃止せず残すべきと考えますが、いかがでしょうか。今、自転車利用者が増え駐輪場の増設が求められているのになぜ駐輪場を廃止するのか、区長の見解を求めます。
     質問の第二は、定期利用の大幅削減についてです。「募集要項」では、東部エリアの15か所の駐輪場のうち、四谷3丁目、新宿御苑前、市ヶ谷、都電早稲田、早稲田の5ヶ所は定期利用が全て廃止され時間利用のみとなります。この5ヶ所だけでも727台の定期利用がなくなり、それ以外の8ヶ所の駐輪場も定期利用と時間利用の按分が事業者に委ねられており、定期利用が減る可能性があります。私たち区議団が行った駐輪場利用者へのアンケートで、5歳の子どもの送り迎えと通勤に毎日自転車を使うお母さんは、「いま子育世代に自転車は日常不可欠な移動手段です。駅の近くに駐輪場が少なく、定期利用が無くなるのをとても不安に感じています。子育てがしやすい区を目指すならば、今一度見直して」との声を寄せ、他にも「定期利用が必要、無くさないで」という切実な声が多数寄せられています。区長はこれらの声をどう受け止めるのでしょうか。定期利用を全面廃止する理由、また大幅に削減する理由をお聞かせ下さい。現在の定期利用者全員に調査を行い、毎日の通勤通学で必要な定期利用については残すべきと考えますが、いかがでしょうか。
     質問の第三は、利用料の大幅値上げについてです。現在の定期利用の年額は、自転車駐輪場が2万円、路上駐輪場が6800円、整理区画駐輪場は5000円ですが、「募集要項」では月額上限2500円とあり、年額3万円など大幅値上げの可能性があります。また、時間利用も大幅値上げです。区営の一日利用は現在24時間まで100円ですが、「募集要項」では上限「2時間まで無料・4時間ごと110円」とされ、もし24時間利用したら660円と大幅値上げです。私が活動する地域には早稲田駅整理区画の利用者が大勢います。現在の年間の定期利用料は5000円です。定期利用が全て廃止されると時間利用を使わざるをえません。例えば通勤のため朝から夕方まで一日10時間、月20日、時間利用を使うと、現在の区内民間駐輪場の「6時間ごとに110円」で計算すると1日220円、月4400円、年52800円で、負担は10倍強になります。アンケートでも値上げ反対が98%、「値上げは困る」の声が圧倒的です。定期利用の代わりに時間利用を使う場合の利用料の上限はありません。このような利用料の大幅値上げを伴う民営化を、区民・利用者が納得できる訳がありません。区長は、このように大幅な負担増になるという認識はあるのでしょうか。コロナ禍で区民が大変な時に、大幅値上は止めるべきです。区長の見解を求めます。
     質問の第四は、区民の貴重な財産が、民間事業者の儲けの道具となることです。駐輪場利用者には過大な負担を押し付けながら、民間事業者には15ヶ所中12ヶ所の駐輪場の土地利用料を無料とし、収益は全て事業者に入ることが「募集要項」で示されています。アンケートでも「民営化して利益があるのは業者のみ、区民の利便性がないがしろにされており、これまでとおりの方法を希望します」「放置自転車を減らすためにも駐輪場は必要、負担増は論外で逆に台数を増やしてほしい」との声が寄せられています。駐輪場運営には十分な利益が見込まれ、これほどの優遇は必要ありません。配慮すべきは区民・利用者の方です。民間事業者を過度に優遇する理由は何なのか、お示し下さい。また、先の条例「改正」で、条例から利用料上限などの定めを削除したのも、民間事業者からの事前の聞き取り、いわゆるサウンディングによるものなのか、お答えください。結局は、区民の貴重な財産を民間事業者の儲けの道具とするものではありませんか、区長の見解を求めます。
     質問の第5は 住民・利用者の意見を聞かず、議会にも十分な説明を行わない区の姿勢についてです。先の条例「改正」の際、「募集要項」が出来ておらず、民営化の詳細が判らないまま議会にかけられました。また「募集要項」では、2021年1月末に事業者を選定し、利用料金、台数、時間利用設定など詳細は、協定締結予定の4月1日に確定します。これまでは区民・利用者の意見を聞き、区議会でも議論を重ね条例として定めてきたものを、民間事業者に丸投げする事実上の白紙委任するものです。公共サービスの産業化を進め、政策決定過程まで民間へ丸投げすることは、地方自治体の役割を自ら否定するやり方に他なりません。このような手法は撤回すべきで、区営駐輪場廃止と民設・民営化は撤回し、条例を元に戻すべきと考えますが、いかがでしょうか。以上、答弁願います。

     

    ◎(土木部長)次に、定期利用の大幅削減についてのお尋ねです。
     定期利用の駐輪場は、多くの施設で収容台数以上の利用を承認していますが、利用率は収容台数の半分以下になっているため、自転車利用者からは、「空いている駐輪場を使わせて欲しい」とのご意見を多数いただいています。一方、時間利用の駐輪場は、いつでもだれでも利用可能で2時間まで無料であることから、放置自転車の削減にも効果があります。区政モニターアンケートでは、「一時利用の台数を増やすべき」との回答が約60%で、「定期利用の台数を増やすべき」との回答約6%を大幅に上回っているとともに、定期利用のニーズを時間利用で代替することは可能ですが、時間利用のニーズは定期利用で代替できないことなどから、計画の変更や定期利用者全員への調査は考えておりません。
     次に、利用料の大幅値上げについてのお尋ねです。
     駐輪場の利用料金については、一部の利用者で負担が増える場合があることは認識しております。
    しかし、自転車等駐輪場、路上自転車等駐輪場、自転車等整理区画及び民間事業者を活用した駐輪場で利用料金に不公平が生じていること、今回想定している利用料金が近隣自治体と比べても同等であることから、計画通り事業を推進してまいります。なお、定期利用料金については、自転車等整理区画などにおいて、現状よりも高くなることが想定されることから、激変緩和として約半年間、利用料金を3割程度割り引くことにより、利用者の負担を軽減してまいります。
     次に、区民の貴重な財産が、民間事業者の儲けの道具になるのではとのお尋ねです。
     区は、平成25年度から民間事業者を活用した駐輪場の整備を行い、既に20箇所で運営していますが、時間利用駐輪場の約半数の利用者が「2時間まで無料」の範囲で利用していることや、駐輪機器の設置等に多額のコストが発生していることから、土地使用料が無償であっても、現状で赤字運営となっている駐輪場もあります。このため、事業者を優遇しているとは考えておりませんが、事業者からは毎年、収支状況の報告を受け、大幅な黒字となった場合には、設備の更新や地域貢献を行うよう要請してまいります。また、条例改正における利用料上限額などの削除は、対象施設がなくなることによるものですが、別途、既存の民間事業者を活用した駐輪場の利用料金を踏まえて、利用料金の上限額を実施要綱で定めてあります。
    今回の計画では、区内を大きく2つのエリアに分け、スケールメリットを活かした運営が図られることで、区民からの要望が多い時間利用の駐輪場を増やすとともに、満空情報を提供するなど、利便性の向上を図ってまいります。
     次に、区の姿勢についてのお尋ねです。
     民間事業者を活用した駐輪場の整備は、第一次実行計画に位置付け、本年4月の環境建設委員会で事業説明を行い、本年第3回定例会において条例改正を行ったところです。区は、駐輪場として活用できる用地が限られている中で、区民の要望を実現するために本計画を推進していることから、計画の撤回については考えておりませんが、今後も区民が利用しやすい駐輪場の整備を積極的に推進してまいります。

    藤原たけき | 区議会活動

    2020.12.23 更新

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